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『グッ?』
トールを仕留めるのには苦労したが、直後に黒い人形になってしまっている。
何だか化かされているような気分だ。
梱包済みのオーディンもヴォルフと清姫に仕留めさせたのだが、やはり黒い人形に戻った。
ならば天照大神と須佐之男命も同様であるのだろう。
オレの思惑通り、須佐之男命は激怒してくれるのか?
そこが肝心だ。
その須佐之男命は氷の棺の中で動かない。
いや、その目だけはこっちを凝視していた!
アイス・エイジの支援でアイス・コフィンの効果も極限にまで高まっていておかしくない。
それなのに氷の棺の表面には早くもヒビが走り出している!
無駄かもしれない。
だけど試してみなければ、分からないよね?
『人の身で神殺しとは!』
「手短に伺いたい。貴方達は本体じゃないな?」
『神の意と威こそが我等の本質、本体と思えばそれが本体となるだけの事です!』
「禅問答をしている暇は無いんでね。では、写身や化身は何だ?」
『我等の力の在りよう、その残滓に過ぎません。それよりもこれを解きなさい!』
「悪いけど、それは無理だなあ」
茫洋と答えつつ、須佐之男命を観察する。
手にはまだ剣が握られていた。
その周囲だけが動いている?
マズい。
手っ取り早く、用件は済ませないといけないようだ。
「では、仕留めた神々は死んだのか?」
『死んではいないでしょう。人間で言えば重傷ではあるでしょうけど』
「成程。では、貴方もここで殺せないって事か?」
『人々の心の中に信仰がある限り、神とは不滅なのですよ』
そう言い放つ天照大神は酷く悲しい表情を見せていた。
写身や化身では見られない、感情表現に思わず動きが止まってしまう。
これではいけない。
これから仕留めようとしているってのに!
「悪いがここでは死んで貰う」
『神殺し故に、ですか?』
「関係無い。貴方の弟君と思う存分、戦いたい。それだけだ」
『真に怒り狂った須佐を知らないのですか? 正気とは思えません!』
「そう、知らない。だからこそ、知りたくもある」
『人の業とは恐ろしきものですね』
「同感だ」
神鋼鳥の小刀の先端が鎖骨の凹みに吸い込まれて行く。
人間であれば心臓を貫き、ほぼ即死に至るだろう。
天照大神はどうなのかな?
運営アバターが本体なら心臓は無いと思えるのだが。
『悲しきかな、汝に平穏が訪れる事は無いでしょう』
「そうでしょうね。少なくとも退屈しなくて済みそうですよ」
平穏?
せいぜい、食事を楽しんでいる時か釣りをしている時が平穏な時間と言えるだろう。
それ以外は戦いか、戦いの準備をしているかだ。
さあ、須佐之男命はどうなっている?
氷の棺の中で身を震わせていた。
怒髪天を衝くと言うが、氷の中でなければそうなっていただろう。
いや、待て。
空気が震えている?
地面が、揺れているのか?
違う!
重低音で何かが響いている!
「ヴォルフ、退け!」
須佐之男命との戦いに召喚モンスター達を介入させる訳にはいかない。
それではオレが楽しめないからだ!
だが、目の前の須佐之男命は異様な程に怒り狂っているようです。
巻き込まれないようにして貰おう。
森の中、少し距離を置いてくれよ?
天照大神から神鋼鳥の小刀を抜くと、黒い人形に変化してしまう。
やっぱり、本体は運営アバターか。
神鋼鳥の小刀が貫いていた筈の箇所に刺し傷は無い。
やはり化かされているような気がする。
ゲームなんだから、と言われてしまえばそれまでだけどな!
どうしても釈然としません!
「フッ!」
息を抜き、脱力。
自然体の姿勢のまま、真正面に須佐之男命を見据える。
いや、こっちが見据えられていた!
氷の棺は既に突破されている。
須佐之男命は何故か、動こうとしない。
何だ?
『人間風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!』
動こうとしなかった理由は?
怒りを、そして殺意を高めていたのだろう。
須佐之男命の体躯は立派過ぎる程であるのだが、更に大きくなっているように感じてしまう。
オレに向けられる視線はもうね。
視線だけで人が殺せそうだ!
須佐之男命の得物は天羽々斬、体格の関係で小剣のように見える。
オレならば森の中で使う事はしない。
邪魔になるからな!
だが須佐之男命の場合、樹木共々オレの胴体を両断出来そうだ。
それを思うともうね、ゾクゾクする!
寒い。
いや、気のせいじゃない。
強烈な殺意と狂気を前に、体が萎縮しそうになっている?
いいぞ!
これまでにない戦慄を感じさせてくれ。
そして確かめたい。
想定、あの筋肉バカの魔神だ。
格闘戦に持ち込ませて貰うぞ!
「ケェェェェェェェェェェェェッーーーーーーーーー!」
怪鳥の叫びと共に狂気を解き放つ!
怯えはある。
恐怖もある。
心底、ここから逃げ出したくなっている!
だが戦いの本能がそれを許さない。
目の前にいるのは、敵だ。
ただただ、屠るべし!
これまでと何も変わらない。
変える必要がどこにある?
『シャァァァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!』
「クフッ!」
嬉しい事だ!
どうやら目の前の須佐之男命だが、再戦出来そうな気がする。
きっと、そうなる。
いや、そうでなくてはならない!
あのドワーフの魔神のように、オレを狙って追い掛けてくれないかな?
しつこくていい。
何度でも襲ってくれていい。
この有様であれば文句無しで大歓迎だ!
《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【小刀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【封印術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【土魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【塵魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【溶魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【禁呪】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐寒】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【掴み】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【ロープワーク】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【跳躍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【軽業】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【二刀流】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【投擲】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【ダッシュ】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐久走】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【暗殺術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【身体強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【無音詠唱】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【詠唱破棄】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【武技強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔法効果拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔法範囲拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【呪文融合】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐麻痺】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐気絶】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【限界突破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【獣魔化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で職業レベルがアップしました!》
《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》
オレの体の下に須佐之男命の姿は?
もう無い。
黒い人形、即ち運営アバターに変貌していた。
酷く痛め付けてやった跡はどこにも見えない。
いかんな。
あれだけの激戦を経ているのに達成感を僅かに削がれた気分になる。
でも、僅かだ。
大いに満足していいと思う。
実際、今のオレは酷い有様だ。
ステータス異常はこれ以上進行しない程、これは戦闘が長引いただけじゃないだろう。
須佐之男命の攻撃を喰らっている事も影響していると思える。
体の芯に重く残る痛みが戦いの残滓となってくれていた。
有り難い。
これこそが今の戦いが幻でない事の証左であるだろう。
基礎ステータス
器用値 91(-82)
敏捷値 91(-82)
知力値 140(-126)
筋力値 91(↑1)(-82)
生命力 91(↑1)(-82)
精神力 140(-126)
《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で13ポイントになりました》
ヴォルフ達も森の中で須佐之男命以外の残敵を掃討してくれていたらしい。
戦闘終了間際では完全に観戦モードだったみたいだけどね。
ブーステッド・モンスターズの効果が勿体ない、とは思わない。
須佐之男命との格闘戦に介入されたら台無しだ!
だが、そこはそれ。
ヴォルフ達は分かっている。
オレの楽しみを邪魔する事など無いのでした!
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
そのヴォルフも警戒を解かない。
まだ周囲に運営アバターがいるからだ。
但し、動かない。
マーカーも赤いようなら動かなくとも攻撃していいかもだが。
それもどうかと思う。
動かない奴を相手に痛め付けてみても面白くない。
無抵抗な敵というのはオレにとって無価値なのだ!
ヴォルフのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
ヴォルフ 大神Lv92→Lv93(↑1)
器用値 56(-22)
敏捷値 129(-52)
知力値 56(-22)
筋力値 72(↑1)(-29)
生命力 72(↑1)(-29)
精神力 56(-22)
スキル
噛付き 疾駆 跳躍 回避 遠吠え 裂帛 神威
神和 霊能 霊撃 念動 憑代 隠蔽 追跡
夜目 匂い感知 気配遮断 魔力察知 魔力遮断
自己回復[大] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[大] 耐即死 耐魅了 耐暗闇 分身
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『モジュラス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
戦闘終了と同時にヴォルフ達にブーステッド・モンスターズの後遺症が出ている。
キュアノスが祝福で全快出来る範囲を超えているから、これ以上の連戦をさせるべきじゃない。
そう、連戦になるかもしれないぞ?
周囲に散乱する運営アバターが残っている。
このまま動かないかもしれない。
再び動き出して、何らかの敵の姿となって襲って来るかもしれない。
出来ればそうなって欲しい所だが。
備えが要る。
パーティの布陣変更はしたいけど、最優先は違う。
オレ自身のステータス異常を解消せねば!
モジュラスのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
モジュラス アラクネダッチェスLv90→Lv91(↑1)
器用値 85(-34)
敏捷値 85(-34)
知力値 85(-34)
筋力値 39(↑1)(-16)
生命力 39(↑1)(-16)
精神力 85(-34)
スキル
噛付き 弓 捕縄術 回避 掘削 振動感知
反響定位 熱感知 夜目 気配遮断 魔力遮断
奇襲 追跡 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[極大] MP回復増加[大] MP吸収[中]
出糸 斬糸 罠作成 縫製 吸血 時空属性
光属性 闇属性 風属性 土属性 水属性
氷属性 変化 毒 麻痺 魅了 耐石化
耐魅了
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『清姫』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ソーマ酒を服用、ステータス異常を解消する。
同時に体が軽くなる。
痛みが消えた事で、激戦の記憶も薄れて行くような気がする。
いかん。
いかんぞ!
ここでソーマ酒を使ったからには更なる戦闘があってくれないと困る。
あるのかな?
期待を込めて周囲を警戒する。
運営アバターは動かないのか?
今の所、動く気配すら無い。
でも期待してていいのかもしれない。
ヴォルフが警戒を全く解いていないからだ。
清姫のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
清姫 白蛇姫Lv90→Lv91(↑1)
器用値 65(-26)
敏捷値 101(-40)
知力値 64(-26)
筋力値 65(↑1)(-26)
生命力 65(↑1)(-26)
精神力 64(-26)
スキル
剣 弓 小盾 噛付き 巻付 回避 受け 夜目
遠視 匂い感知 熱感知 反響定位 気配遮断
魔力遮断 変化 奇襲 精密操作 跳躍 軽業
自己回復[中] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[中] MP吸収[中] 吸血 暗殺術
時空属性 光属性 闇属性 火属性 土属性
溶属性 猛毒 沈黙 魅了 毒耐性 耐魅了
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ルベル』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
倒れ伏した運営アバターが動き出す。
襲って来るか?
だが、その姿は運営アバターのままで立ち上がっただけだ。
マーカーも赤くならない。
黒いままで変化してくれない。
いや、現時点で変化して貰っても困る。
パーティの布陣は変更してからになって欲しい。
でも1体だけなら歓迎だ!
但し、格闘戦向けの相手に限る。
激怒している須佐之男命を寄越せ、とまで贅沢は言わない。
変化するならせめて格闘戦が楽しめる相手になって欲しい!
但し例外もある。
格闘戦になるのだとしても、変態花精は困るぞ?
断固、お断りだ!
ルベルのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。
ルベル フェアリークイーンLv90→Lv91(↑1)
器用値 32(-13)
敏捷値 111(-44)
知力値 112(↑1)(-45)
筋力値 32(-13)
生命力 32(-13)
精神力 112(↑1)(-45)
スキル
飛翔 浮揚 堅守 夜目 空中機動 瞑想
魔力遮断 魔力察知 魔力回収 魔法抵抗[極大]
MP回復増加[大] 時空属性 光属性 闇属性
火属性 風属性 土属性 水属性 氷属性
雷属性 木属性 塵属性 溶属性 灼属性
耐即死 耐石化 耐混乱 耐魅了 共鳴
精霊召喚 精霊門 精霊陣
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『キュアノス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
周辺の様子は?
まだジャングルの効果は持続していて、黄金の木々が放つ光も邪魔にならない。
いや、待て!
光が徐々に弱くなっていないか?
そして運営アバターの中で1体だけ、動く存在がいる。
その姿は変化しつつあるようだ。
一体、何になる?
何になるのかは分からないが、確保してから考えてみたい。
グレイプニルを使おう。
そう、先制で梱包してからゆっくりとどうするか考えたらいい。
余計なリスクを抱えずに済むというものだ!
キュアノスのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
キュアノス ホーライLv90→Lv91(↑1)
器用値 42(-17)
敏捷値 101(-40)
知力値 102(↑1)(-41)
筋力値 42(↑1)(-17)
生命力 42(-17)
精神力 101(-40)
スキル
飛翔 浮揚 回避 水棲 夜目 変化 同化
魔力察知 魔力遮断 物理攻撃透過[大]
魔法抵抗[大] MP回復増加[大] 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 雷属性 木属性 氷属性 魅了
祝福 耐沈黙 耐魅了 耐即死 共鳴
精霊変化
(アポーツ!)
グレイプニルを手にする。
さあ、何になるんだ?
オレの期待に応えてくれ!
使える切り札は限られるけど、構わない。
1対1ならば戦えるだろう。
「ッ!」
一瞬の脱力。
そして駆け出した。
体格は?
普通だ。
殺気を感じないけど、構うか!
ここは先制させて貰うぞ?
『ゲッ!』
「ッ?」
『ま、待て! 敵じゃない!』
確かにマーカーは赤くない。
黒いままだ。
でも敵じゃないかどうかは微妙だろう。
オレは突進こそ止めたが、グレイプニルを手にして身構えたままだ。
他の運営アバターは?
動く個体はいない。
動いているのは目の前でオレを制止する奴だけだ。
いや、違うな。
えっと、名前は何でしたっけ?
咄嗟に思い浮かばなくなっていた。
あの老紳士と一緒に出現していた、研究者のような姿の男。
名前は?
どうにか思い出した!
アルメイダ、だよな?
「敵かどうか、決めるのはあんたじゃないぞ?」
『き、君の戦う様子は何度も見ているがね! 君自身、見た事はあるのか?』
「ああ、ある」
『何も思わないのかい? 人とは思えないよ!』
失敬な。
ちゃんとした人間ですよ?
戦闘中の様子を動画で見ても人にしか見えない。
お前は一体、何を見てそう思うんだ?
『こ、殺されるかと思ったよ』
「本体は運営アバターだろうに」
『そうと分かっていても恐怖を感じる事は同じだよ』
「試してみるか?」
『冗談でも、止せ!』
アルメイダの顔色は蒼白、本気で怖がっているようです。
全く。
どうせ死なないんでしょ?
いい機会だし、臨死体験をしてもいいんじゃないかな?
『そ、その目は止めてくれ! その手付きもだ! 脅しているのか?』
「気のせいだ。それよりも説明してくれないか?」
『説明だって?』
「あんたと一緒にいた、あの老紳士だ。ここで待ち構えていたぞ?」
『私だって全てを把握している訳じゃないんだ! 彼がここにいたのか?』
「知らないのか?」
『ああ。本当に、彼がいたのか?』
オレはグレイプニルを手にしたままアルメイダに迫る。
何を言っている?
こうなったら梱包してから説得した方が良さそうだ。
「事情を知っていながら話そうとしないのは、罪だ。分かるよな?」
『ま、待て! 冷静に! 話すから!』
「分かるように、話せ。まずはあんたからだ。何でここに来た?」
『異常にリソースを喰っているから調べに来ただけだ! 他意は無い!』
「本当に?」
『ああ、だから脅すなって!』
本気で怯えているのか?
一応グレイプニルはいつでも使えるように肩に掛けておくか。
『そうか、彼がいたか』
「あの老紳士の事だな? 名前は?」
『実は私も知らなくてね』
腰の後ろからククリ刀を抜く。
今日はまだ、こいつが活躍していない。
どこか血を吸いたそうな感じがする。
オレもだ。
何故だろう、無性に血が見たい!
『だから、止せ! 本当だって!』
「本当に?」
『か、神に誓って!』
「神、か。悪いけど信じていないんでね」
『ど、どう言えば信じてくれるのかね?』
「さて、それはあんた次第だな」
『全く、君との接触がこんな形になるなんて! 前に会った時とまるで別人じゃないか!』
「そうかな?」
以前であればフィーナさん達も黄金人形もいたからな。
確かに状況は異なる。
でもオレ自身、大きく態度を変えていただろうか?
フィーナさんがいたから自制していた所もあっただろう。
「ゆっくりでいい。話せ」
『あ、ああ。頼むから脅かさないでくれないか?』
「いいとも」
嘘だ。
余りにも舐めた態度を取るようであればその時は梱包だ。
慈悲は無い。
何でこんなに好戦的であるのか?
自分でも分かっている。
戦闘のお替わりにならなかったからだ!
「あの黄金人形とは無関係?」
『ああ、彼は確かに上位の存在だけどね。そう何度も会えていないよ』
「ではあの老紳士の目的は何だ?」
『それこそ私が知りたい所だよ。しかもここまでリソースを投入するなんてね!』
「リソース?」
『このゲーム世界を支えるパワーと言い換えた方がいいかな? 勝手に使われても困るんだよ』
「あの老紳士は警告みたいな事を言っていた。何の事か分かるか?」
『さ、さあ。私には想像もつかないね』
アルメイダの目が僅かに泳いだ。
うん。
こいつ、何かを知っているぞ?
知っているよね?
知っている筈だ!
『こ、腰の後ろに何で手を回すんだ?』
「気になるか?」
『あ、ああ。それに肩に掛けたロープを何に使うつもりかね?』
「予想は出来るだろ? その予想通りだ」
『よ、止せ! 私にも禁則がある! 話せない事だってあるんだ!』
「示唆する事は?」
アルメイダが急に口を噤む。
そうか。
余程、話せない理由があるらしい。
「分かった、無理に話さなくていい。ところでここはこのままになるのか?」
『彼が放置してしまったからね。私が介入して戻すにしてもリソースが足りないよ』
「じゃあ、このままか」
『そうなるね。全く、君が絡むと事態が色々と面倒になってしまうよ!』
「どういう意味だ?」
『偽りの神樹、その先で用意していたイベントも別口で流用したからね』
「流用?」
『天使達だよ。東の地の戦闘で君も参加していただろう? 本当はあそこで投入予定はなかった』
アレか!
確かに名前持ちの天使が全員いたのは覚えている。
でも何で、そんな事に?
『アナザーリンク・サーガ・オンラインに割り振られているリソースがどうも制限されていてね』
「理由は?」
『禁則に触れる。ああ、その顔は止せ! 本当だよ!』
「だったら何か示唆出来る事は? ヒントでもいい」
『一緒だよ、それ!』
ああ、もう焦らすな!
意味が通じない会話が続くとイライラするだけなのだ。
もっと簡潔に、分かり易く話せよ!
『私に言える事なんてそう無いよ』
「本当に?」
『ああ。だがこれならいいかな?』
「言え! 何だ?」
『現実で何かが起きた。多分、だけどね』
アルメイダの姿がいきなり消えた。
何だ?
マーカーも黒いままだが、それも消える。
いや、運営アバターそのものが消えてしまう!
現実で何かが起きた?
それは一体、何だろう?
分からない。
分からないが、調べてみるべきだろう。
でもそれは今じゃない。
ログアウトしたついででいい。
今は変貌を遂げたu4マップのエリアポータル、最果ての地の様子を確認しよう。
メニューは使えそうだし、ここで小休止だな。
時刻は午後6時40分か。
夕食も摂らないといけない。
頭も少し混乱してもいる。
全く、どうかしている。
戦いを満喫出来たかと思ったら、何だか妙な事に巻き込まれてしまったような?
困った事だ。
オレに出来る事なんて些末なものに過ぎない。
一体、どうしろというんだ?
敢えて、忘れよう。
オレの手に余る。
下手の考え休むに似たりと言う。
無駄な事をしている時間は無いのだ。
「これは!」
思わず声に出てしまった。
最果ての地で食事と装備の修復を済ませ、u4マップの外に出てみたのが。
目的は?
天空の様子がどうなっているのか、確かめる為だ。
最果ての地の中は森、しかも光量がやや抑えられたとはいえ黄金に輝いていた。
星空が見えるような環境じゃない。
2つの渦状星雲は?
ある意味、嫌な予感はあったけどその通りになってます。
衝突していた。
クロスして重なっているかのように。
だが、この光景をオレは知っていた。
偽りの神樹。
その樹上では常にこんな光景を目にしていたからだ。
しかも同じに見えるんだけど、気のせいじゃないよな?
だからこそ、次の行き先は決まっていた。
偽りの神樹に行こう。
イベントが中断となって放置されている場所があった。
そこは王国の位であった筈。
思い出せ。
そこにも黄金の樹木がなかったか?
これは一体、何を示唆するのだろう?
確かめねば。
パーティの布陣は?
ヘザー、ラルゴ、タペタム、風花、火輪だ。
あの場所で何が起きるか、それは分からない。
分からないけど、嫌な予感がしていた。
しかもこれ、絶対に当たるぞ?
そんな確信がある。
備えはするけど、多分だが戦闘は無い。
最悪の予感がしています!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv261(↑1)
職業 サモンメンターLv150(召喚魔法導師)(↑1)
ボーナスポイント残 13
セットスキル
小剣Lv209(↑1)剣Lv212(↑1)両手剣Lv210
両手槍Lv208 馬上槍Lv214 棍棒LvLv210
重棍Lv209 小刀Lv209(↑1)刀Lv209 大刀Lv209
手斧Lv210 両手斧Lv210 刺突剣Lv209
捕縄術Lv217(↑1)投槍Lv214 ポールウェポンLv214
杖Lv238 打撃Lv245(↑1)蹴りLv245(↑1)
関節技Lv245(↑1)投げ技Lv245(↑1)
回避Lv256(↑1)受けLv256(↑1)
召喚魔法Lv261(↑1)時空魔法Lv256(↑1)封印術Lv254(↑1)
光魔法Lv252(↑1)風魔法Lv252 土魔法Lv252(↑1)
水魔法Lv252 火魔法Lv252(↑1)闇魔法Lv253(↑1)
氷魔法Lv252 雷魔法Lv253(↑1)木魔法Lv252(↑1)
塵魔法Lv252(↑1)溶魔法Lv252(↑1)灼魔法Lv252
英霊召喚Lv7 禁呪Lv254(↑1)
錬金術Lv215 薬師Lv59 ガラス工Lv55
木工Lv113 連携Lv218(↑1)鑑定Lv169 識別Lv230(↑1)
看破Lv213 保護Lv87 耐寒Lv228(↑1)
掴みLv224(↑1)馬術Lv224 精密操作Lv229
ロープワークLv217(↑1)跳躍Lv229(↑1)軽業Lv234(↑1)
耐暑Lv217 登攀Lv216(↑1)平衡Lv223
二刀流Lv221(↑1)解体Lv167 水泳Lv218
潜水Lv218 投擲Lv224(↑1)
ダッシュLv223(↑1)耐久走Lv223(↑1)追跡Lv223(↑1)
隠蔽Lv220(↑1)気配察知Lv223 気配遮断Lv223
魔力察知Lv223 魔力遮断Lv223 暗殺術Lv224(↑1)
身体強化Lv224(↑1)精神強化Lv224(↑1)高速詠唱Lv240(↑1)
無音詠唱Lv240(↑1)詠唱破棄Lv243(↑1)武技強化Lv233(↑1)
魔法効果拡大Lv225(↑1)魔法範囲拡大Lv225(↑1)
呪文融合Lv225(↑1)
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv129(↑1)
耐混乱Lv80e 耐暗闇Lv231 耐気絶Lv220(↑1)
耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e 耐沈黙Lv218
耐即死Lv130 全耐性Lv164
限界突破Lv122(↑1)獣魔化Lv131(↑1)
基礎ステータス
器用値 91
敏捷値 91
知力値 140
筋力値 91(↑1)
生命力 91(↑1)
精神力 140
召喚モンスター
ヴォルフ 大神Lv92→Lv93(↑1)
器用値 56(-22)
敏捷値 129(-52)
知力値 56(-22)
筋力値 72(↑1)(-29)
生命力 72(↑1)(-29)
精神力 56(-22)
スキル
噛付き 疾駆 跳躍 回避 遠吠え 裂帛 神威
神和 霊能 霊撃 念動 憑代 隠蔽 追跡
夜目 匂い感知 気配遮断 魔力察知 魔力遮断
自己回復[大] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[大] 耐即死 耐魅了 耐暗闇 分身
モジュラス アラクネダッチェスLv90→Lv91(↑1)
器用値 85(-34)
敏捷値 85(-34)
知力値 85(-34)
筋力値 39(↑1)(-16)
生命力 39(↑1)(-16)
精神力 85(-34)
スキル
噛付き 弓 捕縄術 回避 掘削 振動感知
反響定位 熱感知 夜目 気配遮断 魔力遮断
奇襲 追跡 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[極大] MP回復増加[大] MP吸収[中]
出糸 斬糸 罠作成 縫製 吸血 時空属性
光属性 闇属性 風属性 土属性 水属性
氷属性 変化 毒 麻痺 魅了 耐石化
耐魅了
清姫 白蛇姫Lv90→Lv91(↑1)
器用値 65(-26)
敏捷値 101(-40)
知力値 64(-26)
筋力値 65(↑1)(-26)
生命力 65(↑1)(-26)
精神力 64(-26)
スキル
剣 弓 小盾 噛付き 巻付 回避 受け 夜目
遠視 匂い感知 熱感知 反響定位 気配遮断
魔力遮断 変化 奇襲 精密操作 跳躍 軽業
自己回復[中] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[中] MP吸収[中] 吸血 暗殺術
時空属性 光属性 闇属性 火属性 土属性
溶属性 猛毒 沈黙 魅了 毒耐性 耐魅了
ルベル フェアリークイーンLv90→Lv91(↑1)
器用値 32(-13)
敏捷値 111(-44)
知力値 112(↑1)(-45)
筋力値 32(-13)
生命力 32(-13)
精神力 112(↑1)(-45)
スキル
飛翔 浮揚 堅守 夜目 空中機動 瞑想
魔力遮断 魔力察知 魔力回収 魔法抵抗[極大]
MP回復増加[大] 時空属性 光属性 闇属性
火属性 風属性 土属性 水属性 氷属性
雷属性 木属性 塵属性 溶属性 灼属性
耐即死 耐石化 耐混乱 耐魅了 共鳴
精霊召喚 精霊門 精霊陣
キュアノス ホーライLv90→Lv91(↑1)
器用値 42(-17)
敏捷値 101(-40)
知力値 102(↑1)(-41)
筋力値 42(↑1)(-17)
生命力 42(-17)
精神力 101(-40)
スキル
飛翔 浮揚 回避 水棲 夜目 変化 同化
魔力察知 魔力遮断 物理攻撃透過[大]
魔法抵抗[大] MP回復増加[大] 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 雷属性 木属性 氷属性 魅了
祝福 耐沈黙 耐魅了 耐即死 共鳴
精霊変化
ビーコン エルダードラゴンLv6
器用値 63
敏捷値 63
知力値 80
筋力値 63
生命力 63
精神力 80
スキル
噛付き 引裂き 体当たり 飛翔 受け 回避
跳躍 疾駆 夜目 水棲 水中機動 連携
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中]
MP回復増加[中] 捕食吸収 ブレス 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 氷属性 溶属性 毒耐性 耐即死
耐魅了 加護
召魔の森 ポータルガード
ジェリコ、リグ、クーチュリエ、獅子吼、守屋、スーラジ
久重、テフラ、岩鉄、虎斑、蝶丸、網代、スパーク
クラック、オーロ、プラータ、イソシアネート、ムレータ
酒船、コールサック、シュカブラ、シルフラ、葛切
スコヴィル、デミタス、白磁、マラカイト、パティオ
貴船、エジリオ、エルミタージュ、ナーダム
海魔の島 ポータルガード
ナイアス、テイラー、ストランド、ペプチド
ロジット、エルニド、ロッソ、雪白、濡羽
アチザリット、クォーク、アモルファス、明石
オリアナ、ヴェルツァスカ、プリトヴィッチェ
海魔の島に駐留
ビーコン(転生煙晶竜)、長老様、蒼玉竜、黒曜竜
紫晶竜、黄晶竜、他ドラゴン4編隊分




