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 空き瓶分のポーション作成を終えると、古代石の発掘に集中する。

 コツコツと。

 コツコツと。

 何気に楽しいから時間を忘れることができる。


 それに何が中に入っているのか、分からない所もいい。

 最初から宝石の原石を剥げないとか何?と思った事もあったんだけどな。


 最初の2個は琥珀でした。

 どうも琥珀が一番多く出てくるものらしい。

 次に発掘したのがこんな物であった。



【素材アイテム】紅水晶 品質C+ レア度3 重量0+

 赤色の水晶。別名ローズクォーツ。

 透明度が高く粒の大きなものは魔法封印によく使用されている。



 紫水晶と似たようなものか。

 無論、保留である。

 次に行こう。

 我を忘れるかのように発掘を続けていった。




 手持ちの古代石を全て発掘し終えてしまった。

 時刻は午後6時前。

 熱中しすぎたかな?

 まあ色々と収穫はあったし良しとしよう。

 MPバーも6割を超えてきた。

 呪文を使いながらだったし、MPの回復もまあこんなものか。


 古代石から発掘した中で当りと思える宝石は3つであった。

 全部、品質は違っているかも知れないが、一度は見ている宝石だ。



【素材アイテム】モルガナイト 品質B- レア度2 重量0+

 ピンク色のベリル。別名ピンクベリル。

 透明度が高く粒の大きなものは魔法発動用によく使用されている。



【素材アイテム】ブルースピネル 品質C+ レア度3 重量0+

 八面体の結晶を為す半透明鉱物。

 希少価値はさほど高くないが、加工次第で魔法発動の助けになる事で知られている。



【素材アイテム】ツァボライト 品質C+ レア度3 重量0+

 緑色のガーネット。赤色系のガーネットよりも希少価値がやや高い。

 透明度の高いものは魔法発動用に人気があり高額になり易い。



 残りは琥珀でした。

 まあ綺麗だしいいんですが。


 夕方になった事でもあるし、ヘリックスを帰還させて文楽を召喚する。

 パンとラタトゥイユは少し残ってはいるが、一食分とするには足りない。

 そう。

 サーロインの出番である。



 文楽に料理道具と食材を渡すと、オレは荷物の整理を進めておく。

 さほど待たずに料理が出来上がっていた。



【食料アイテム】闘牛のサーロインステーキ 満腹度+25% 品質B- レア度3 重量0+

 闘牛のサーロインをシンプルにステーキにしたもの。

 味付けは塩胡椒のみ。



 うひょー!

 これですよこれ!

 うひょー!


 うひょひょー!

 うめー!

 ビールが欲しいぞ!



 楽しい時間は過ぎ去るのはなぜこんなに速いのか。

 解せぬ。




 片付けを終えると文楽を帰還させる。

 ここからは夜のシフトとしよう。

 さて、どの召喚モンスターにしようか?

 悩ましい。

 だがここは戦力優先にしよう。

 ヴォルフを召喚する。

 夜に果たして何が起きるのか?

 まあ何が起きるにしても、ヴォルフがいたら色々と幅広く対応ができるから安心だ。

 さて。

 様子を見に行こうか。



 広域マップを確認する。

 エリアポータルの名称は『鎮守の樹』となっている。

 中央の樹木を指しているんだろうが、大層な名前になってるよね。


 だがその樹木、さっきと見た目が違うのだ。

 明らかに成長している。

 今やオレの背丈どころか、戦鬼の背丈を越えていた。


 そしてその周囲にも異変が起きている。

 あの妖精?



 フェアリー Lv.4

 半妖精 警戒中



 マーカーは黄色であった。

 祠にいたノッカーやノーム、泉にいたガスクラウドと同じパターンかな?

 まあ害はないし、エリアポータルの番人っぽいし放置で。

 さて。

 準備は出来ている。

 夕刻を過ぎて暗くなりつつある森の中へ探検と行こう。



 目指す方向はどうするか?

 これは東を目指す事にした。

 隣のN1W1マップとの境界線上で何かが起きているのならば、何かおかしな事があるのかもしれない。

 

 移動ではさすがにヴォルフが速い。

 黒曜は言うまでもない。

 オレ、戦鬼、護鬼はフォレスト・ウォークで移動力を上げておく。

 行ける所まで行って、後はリターン・ホームで風霊の村に戻る。

 そんな予定であった。



 夜になると魔物の行動パターンが目に見えて変化した。

 まずはチョウがいなくなった。

 いや、いる事はいるらしい。

 樹上に移動しているのがコール・モンスターで確認できている。

 一応、樹上に登ってみたのだが、どのチョウも翅を畳んでパッシブ状態であった。

 放置で。

 いちいち戦闘を仕掛けて面倒な事を繰り返す事はない。


 だが別の収穫もあった。

 枝に別の魔物がいたのだ。

 こんな奴である。



 スタブクロウラー Lv.5

 魔物 討伐対象 パッシブ



 パッシブなのでやはり放置で。

 昼間は遭遇しなかったが、ずっと樹上にでもいたのだろうか?

 まあ後回しだな。

 名前から想像するにスタブバタフライと関連がありそうな気がする。


 カメもいない。

 いや、元々が川沿いに居るような魔物で、鎮守の樹の近くには居ないだけなのかもしれない。

 まあこれも気にしなくていいだろう。


 ブラウンベアは相変わらず少数で群れを形成しているようである。

 そしてその多くはパッシブのままだ。

 近寄って目視で見られている距離でもアクティブにならない。


 このパターンか。

 間違いなく別の魔物がいるのだろう。

 そうでなければ、このマップではほぼ戦闘せずに動き回れる事になる。

 運営がそんな設定をするだろうか?



 何事もなく進んでいたのだが、黒曜とヴォルフが同時に警戒し始めていた。

 ついに来るか?



 来た。

 魔物の群れだ。

 しかも今までに遭遇した群れの中でも最大だろう。

 かろうじて1匹【識別】出来た。



 バイトラット Lv.4

 魔物 討伐対象 逃走中



 何?

 逃走中?


 確かに逃走中のようだ。

 このネズミの大群は何かから逃げていた。

 オレも逃げたかったです。


 だがその何かは簡単に逃げ切れるような相手ではないようだ。

 その姿はどこかで見たような。

 いや、外見だけは良く見る動物だったりしますが。

 【識別】してみても嫌な予感しかしない。



 火車 Lv.6

 妖怪 討伐対象 アクティブ



 ネコです。

 姿形は確かに猫科の動物ですが。

 明らかに化け物です。

 化け猫です。

 妖怪です。

 何よりもデカいって!


 そいつは真っ先にヴォルフへと襲い掛かってきていた。

 ヴォルフも迎撃する。

 ネコ対イヌの構図にも見えるが、体格が違う。

 この場合はネコの方が遥かに大きい。

 デカい相手にヴォルフだけで戦わせる訳もない。

 全員、動いていた。

 オレも呪文を選択して実行しておいて、魔物に迫っていく。



 異変はあった。

 ヴォルフのMPだ。

 いつのまにか1割ほど、MPバーが削られていたのだ。

 HPバーもやや削られている。


 戦鬼が魔物の胴体に殴りかかる。

 まともに当たったが、魔物も反撃している。

 腕に噛み付かれた戦鬼のMPバーも2割ほどが削られていた。

 その反面、HPバーはさほど減ってはいない。


 こいつ、実体化してはいるが、ホーンテッドミストと同じくMPも削ってくるようだ。

 HPも一緒にダメージを与えてくるらしいが。

 厄介だな。



 護鬼の放った矢が突き刺さる。

 それで隙が出来た。


「グラビティ・バレット!」


 至近距離に接近してから放った。

 まともに喰らった魔物は吹き飛びはしたが、隙は見せない。

 それどころかオレに向かって何かを放ってきた。

 それが何なのかは分からない。

 目眩まし?

 いや、オレのHPバーは確実に減っている。

 1割って所だ。

 状態異常はない。


 だが本命がオレの目の前に来ていた。

 オレを大きく上回る体格の魔物が目の前にいる。

 避け切れない。

 その動きは半ば偶然であっただろう。

 自ら倒れこみ、魔物の顎を避けた。

 そのまま足で胸元を蹴り上げる。

 魔物の勢いを殺さず、投げ飛ばした。

 巴投げだ。


 でも相手は魔物だ。

 しかもネコ科。

 恐らく、ではあるのだが。


 空中で綺麗に回転して体勢を整えて、すかさずオレに向かってくる。

 選択してあった呪文を放つ。

 迷う暇などない。



「スチーム・ショット!」



 大きく開けた魔物の口の中に呪文が放たれた。

 蒸気に口の中を焼かれて魔物が暴れまくる。

 その魔物を戦鬼が捕らえた。

 首に腕を回して体重を掛けている。

 だが押さえ切れていない。

 体重差があるようだ。


「パラライズ!」


 ダメ元で放った呪文だが、効いた。

 ほんの数秒でレジストされたみたいだが。

 だが貴重で大きな隙を生んでくれていたようだ。


 黒曜が魔物の真っ赤な瞳に嘴を突き込んでいた。

 そしてもう片方の瞳には護鬼が放った矢が突き刺さる。

 両目を失った魔物の叫び声は悲しげに聞こえた。


 おっと。

 まだ仕留め切っていない。


 ロッドを手放し、雪豹のバグナグを右拳に握りこむ。

 左拳には雪豹の隠し爪だ。

 同時に呪文を選択して実行する。

 暴れる魔物の前脚に攻撃を加えていく。

 何回目かで状態異常を示すマーカーが魔物の頭上に重なっていった。

 敏捷値の低下が起きている。

 更に呪文で追い撃ちといこう。


「ブランチ・バインド!」


 暴れまわる魔物の前脚に木の枝が絡んで行く。

 頭を戦鬼に押さえられた魔物は上半身の動きが徐々に封じられてしまう。

 ヴォルフが、護鬼が、黒曜が攻撃を頭に集中させていく。

 オレは魔物の腹部を暗器で引き裂いていく。


 既に実行済みだった呪文もついでに叩き込んだ。


「グラビティ・バレット!」


 魔物の巨躯が少しだけ跳ねたようだ。

 与えたダメージを確認すると、既に魔物のHPバーは4割にまで減ってきていた。

 後は集中攻撃で仕留められそうである。

 そこから先は一方的に攻撃を加え続けた。

 戦鬼だけが押さえつける役目で終始していたが。

 暴れたそうにしているのが分かる。

 だから止めは戦鬼にやらせたかったが、戦鬼ですらも魔物の首を極め切れていないのであった。

 押さえるだけで精一杯である。


 仕方がない。

 最後は黒曜が魔物の眉間に嘴で痛撃を与えて終わりとなった。



《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》

《【時空魔法】呪文のクレヤボヤンスを取得しました!》

《【時空魔法】呪文のディメンション・ミラーを取得しました!》

《【時空魔法】呪文のインスタント・ポータルを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》



 何か変な呪文が増えてるような。

 だが先刻のネコみたいな魔物がいるようでは安心できない。

 集中すべきは先ず安全だ。

 ヴォルフと戦鬼が結構ダメージを喰らっている。

 彼らのMPもさっきの魔物の攻撃で半分以下に減らされていた。

 ダーク・ヒールは止めておこう。

 ファイア・ヒールで回復させて行く。

 それでも戦鬼のHPバーは心配だった。

 ポーションも追加して与えておく。

 どうにか先に進めそうだが、ここまでMPバーを削られるとは思わなかった。

 こんなのがいるのか。

 ちょっと怖いです。


 魔物の死体から何か剥げないか、期待してましたが、死体は先に露と消えてました。

 あれ?

 まさか。

 妖怪だから、とか?


 そんなまさか。

 まさか、ねえ。


 これは不運だと思えばいいのかな?



 状況を確認する。

 広域マップではまだそんなに東に進んでいない。

 時刻はまだ午後7時。

 オレのMPは半分を割り込んで4割ほどになっている。

 さっきの魔物、もとい、妖怪にもう一戦は出来そうだ。

 次はもう少し上手く戦えたらMPもそう消費しないだろう。


 もうちょっと、粘ろう。


 粘るに当たり、陣容を変更する事にした。

 探索と警戒を優先しよう。

 護鬼を帰還させてジーンを召喚する。

 さて、先に進んでみよう。



 これが上手くいったようだ。

 ジーンが加わってかなり隙が少なくなっているようである。

 ネズミの群れをいち早く感知して迂回できていた。


 火車は厄介だ。

 いきなり現れてくるらしい。

 ヴォルフと黒曜もこの妖怪の気配を覚えたのか、出現を早めに感知するようになっていた。

 但し、感知できる距離には大きな差があるようだ。

 コール・モンスターで確かめてみる。

 火車は確かに引っ掛かるのであるが、いきなり出現したり消えたりしてました。

 さすが妖怪と言うべきなのか。

 厄介な奴がいるものだ。


 とにかく先に進むのであれば、この火車にいきなり接近遭遇するリスクも負うべきだろう。

 次に遭遇したらどうする?

 警戒をヴォルフ達に任せ、森の中を駆けていく。

 頭の中で火車との対戦をシミュレートしながらであった。



 そんな準備を打ち砕く事態が。

 東に向かいたいのだが、ネズミの群れが前方を塞いでいるようなのだ。

 ジーンが動き回るネズミの動きを感知している。

 ヴォルフと黒曜も音でその存在を感じ取っているようだ。

 群れの数は5つ。

 東方向に分散しているのだが、迂回して進むのは無理にも思えるのだが。


 一戦してみるか?

 そうでなければ中央を突っ切って逃げるか?

 この周辺に他のプレイヤーがいないと確信があれば逃げてもいいだろう。

 闘牛を多数倒してきたあの戦法を使えるか?


 悩んでいても仕方がない。

 いずれは相手にするであろう魔物だ。

 真っ直ぐ、東へ。

 マグネティック・コンパスが指し示す東へ。

 突っ込んでいくように駆けて行く。

 一番機動力が足りないのはオレだ。

 フィジカルエンチャント・ウィンドで敏捷値を底上げしておく。


 さあ、来なさい。


 いや、すぐに逃げる事になるんですけどね。




 バイトラットは改めてみると小さい。

 いや、ネズミにしては非常に大きいが、昨今相手をしている魔物が大きくなっているから小さく感じるだけだ。

 ヴォルフに比べたら体長で半分といった所かな?

 それでも群れて来たら小山が動くような有様なのだ。

 怖いって。


 群れの先頭がオレに肉薄しかかっていた。

 フォレスト・ウォークを使い、敏捷値を強化してあってこれです。

 だがそれも織り込み済みだ。

 既に実行済みだった全体攻撃呪文を使う。


「ファイア・ウォール!」


 直前で展開された火の壁にネズミの群れの先頭が突っ込んできた。

 あっという間にいくつもの赤のマーカーが消えて無くなっていく。

 おお、凄く効果的だ。


 だが後続はそうはいかないようだ。

 火の壁を迂回してネズミの群れが迫ってくる。

 おお、賢い。


 感心してる場合じゃない。

 次の呪文を叩き付ける。


「アクア・スラッシュ!」


 水の圧力であるネズミは吹き飛び、あるネズミは両断されているようだ。

 多くのネズミは踏ん張って耐えているようだが、その甲斐もなく多くが事切れて行く。

 おお、何気に凄いな。

 いかん、次の呪文を実行しておかないと。


 オレの足元に迫っていた勇気あるネズミは黒曜の脚に引っ掛けられて飛ばされていた。

 ナイス。


「ストーム・ウェーブ!」


 今度はネズミがあちこちで派手に吹き飛んだ。

 おお、範囲が広い。

 樹木の合間を風が駆け抜けると、オレに迫っていたネズミが一掃されてしまっていた。

 但し、息絶えているネズミの数は呪文範囲にいた半分といった所か。

 攻撃範囲が広い分、威力が低いからこんなものなのだろう。

 何にせよ時間が稼げたのは大きい。


「グラベル・ブラスト!」


 もう一発、土魔法の全体攻撃呪文を喰らわせると、ネズミはほぼ全滅してました。

 残った10匹ほどは接近戦で片付ける。

 単体で見たら怖い魔物ではないようだ。



 あれほどの数を屠ったのだが、レベルアップは何も無かった。

 まあそんな事もあるだろう。

 だが当面の問題がある。

 ネズミの死体から何が剥げるのか、もあるのだが、死体が散乱し過ぎて全部を剥ぎ取る気になれない事だ。

 とりあえず、近場にある死体に剥ぎ取りナイフを突き刺してみる。

 何も剥げない。

 次へ。

 更に次へ。


 10匹ほど、何も剥げない事を確認したらもう剥ぎ取り作業は止める事にした。

 先に進む事を優先しよう。

 次に大規模な戦闘があれば、オレのMPも危うい。

 そろそろ、戻る事も考えておこう。



 更に東へ。

 次に戦闘を行ったらリターン・ホームで帰ろう。

 そんな心境になっていた。

 時刻は午後9時を回っている。

 もう十分と言えば十分なのだが、どうにも戦い足りない気がする。

 何が足りないのだろう?

 そう、肉弾戦が足りていないのであった。

 今日はここまで、呪文を使う機会が多い。

 それ故にMPバーも減っている訳で。


 いかんな。

 もうパッシブでもいい。

 接近戦向けの相手は来ないかな?



 来た。

 来ました。

 何でこいつがここに?という疑問はこの際無視する。

 願っても無い相手であった。 



 ユキヒョウ Lv.7

 魔物 討伐対象 アクティブ



 こいつはオレの獲物にしよう。

 微妙にレベルが高いが、構うものか。



 高を括ってました。

 ユキヒョウさん、御免なさい。

 強かったです。


 初撃でいきなり腿にダメージ喰らって涙目でした。

 フィジカルエンチャント・ウィンドの効果が切れていたのも微妙に痛かった。

 オレの反撃は何度も空を切っていたからだ。

 慌ててフィジカルエンチャント・ウィンドを掛けて、ようやく魔物とまともに戦えるようになっていた。

 ようやく蹴りが当たった所で冷静になれた、と思う。

 こいつも山から降りて来たと考えるべきなのだろう。


 オレにとって幸運だったのは左腕に装備した雪猿の腕カバーに魔物が噛み付いてくれた事だった。

 最もダメージが通り難い箇所だ。

 それでも痛かったけどな!


 右拳に握りこんだ疾風虎の隠し爪で、魔物の咽喉を突いて同時に引き裂く。

 切り込んだ箇所はそれだけだ。

 だがそれで十分。

 切り込んだ所から空気が漏れる音がしていた。

 そして暫くするとその音も止んだ。

 ユキヒョウはそれで息絶えてしまっていた。



 倒しきったが、腿に喰らったダメージはかなり痛かった。

 文字通りに痛かったのだ。

 痛覚100%は半端ないです。


 ユキヒョウから雪豹の爪と雪豹の皮を剥ぎ取る。

 広域マップでは隣のN1W1マップまではまだ距離がありそうであった。

 だが仕方が無い。

 オレ自身に回復呪文を使った時点でMPバーは2割ほど残ってはいたが、ここで無理はよそう。

 決めてあった事だしな。


「リターン・ホーム!」


 呪文を発動し風霊の村に跳ぶ。

 今日は普段よりも早仕舞いになりそうだ。



 風霊の村に到着。

 夜だし人の気配はない。

 多くのプレイヤーはログアウトしている事だろう。

 少数プレイヤーは夜の狩りをしているかもしれない。


 適当な場所でテントを設営すると、召喚モンスター達を帰還させていく。

 装備を外して毛布に潜り込む。

 あれ?

 何かを忘れているような気がするんだが。


 まあいいや。

 思い出せない、という事は即ち重要じゃないって事だ。

 そういう事にしておこう。


 時刻は午後9時半にもなってない。

 久し振りに早めのログアウトとなった。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv12

職業 サモナー(召喚術師)Lv12

ボーナスポイント残 4


セットスキル

杖Lv10 打撃Lv7 蹴りLv7 関節技Lv7 投げ技Lv7

回避Lv7 受けLv7 召喚魔法Lv12 時空魔法Lv6(↑1)

光魔法Lv6 風魔法Lv7 土魔法Lv7 水魔法Lv7

火魔法Lv6 闇魔法Lv6 氷魔法Lv5 雷魔法Lv5

木魔法Lv5 塵魔法Lv4 溶魔法Lv4 灼魔法Lv4

錬金術Lv6 薬師Lv5 ガラス工Lv3 木工Lv4

連携Lv9 鑑定Lv9 識別Lv9 看破Lv3 耐寒Lv5

掴みLv7 馬術Lv7 精密操作Lv9 跳躍Lv4

耐暑Lv4 登攀Lv4 二刀流Lv6 解体Lv5

身体強化Lv5 精神強化Lv6(↑1)高速詠唱Lv7

魔法効果拡大Lv2 魔法範囲拡大Lv2


装備 カヤのロッド×1 カヤのトンファー×2 怒りのツルハシ+×2

   白銀の首飾り+ 雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2

   雪豹のバグナグ×1

   野生馬の革鎧+ 雪猿の腕カバー 野生馬のブーツ+

   雪猿の革兜 暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 老召喚術師の弟子、森守の紋章 中庸を望む者

   呪文辞書


召喚モンスター

ヴォルフ グレイウルフLv2

残月 ホワイトホースLv1

ヘリックス ホークLv7

黒曜 フクロウLv7

ジーン バットLv7

ジェリコ ウッドゴーレムLv5

護鬼 鬼Lv6

戦鬼 ビーストエイプLv6

リグ スライムLv5

文楽 ウッドパペットLv4

無明 スケルトンLv4

ナインテイル 赤狐Lv3

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健忘症が酷すぎるサモナーさん
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