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「あの、キースさん?」


「うん?」


「この子達のレベルが妙に上がってるの、どうしてかにゃ?」


「ん~?何の事かな?」


 視線を転じると?

 オレを詰問している筈のアデルも春菜も夢心地だ。

 そのまま寝てしまいそうな雰囲気で怒っているように見えない。

 これなら大丈夫かな?

 放っておいてポータルガードの見直しをしておきましょう。

 逢魔、それに火輪を外そうか。



「ああっ!キースさん!」


「何て事を!」


「大丈夫、代わりならいる」


 火輪と交代でポータルガードに配備するのはパティオだ。

 これなら文句は言えないだろう。

 そして逢魔と交代になるのは極夜だ。

 極夜は早速、パティオに覆い被さる形で愛で始める。

 大丈夫かな?

 体躯がかなり違うだけにちょっとだけ心配になってしまう。



「こっちだよ!」


「おいで!」


 パティオだけじゃなく極夜も寄ってしまうがアデルも春菜も気にしない。

 ついでに極夜も愛で始めてます!

 そう、極夜もまたモフモフであるのでした。

 感触が違っているだけです。



「キースさん、対戦は?」


「使ってていいぞ。他にやるべき事があるんでな」


「え?」


「食事はこっちで用意させている。肩慣らしはしておいてくれ」


 そう、まだやるべき事はある。

 ヒョードルくん達がいるのだし、闘技場も空く事はないだろう。

 格闘戦成分は既に十分、装備の修復も終えている。

 ポータルガードの見直しも終えた。

 残るのはマナポーションの補充です。


 オレは重要な事は忘れないだけの自信がある。

 だが、少しでも余裕があると忘れてしまう事だってあるのだ。

 忘れないうちにこういう地味な事は済ませてしまえ!







《これまでの行動経験で【薬師】がレベルアップしました!》

《これまでの行動経験で【鑑定】がレベルアップしました!》


 マナポーションの空き瓶はあるのだが作業は中止だ。

 ポーションの空き瓶も多少残ったけど、当面はこれで大丈夫。

 問題があるとしたらマジックマッシュルームがもう無い事だ。


 どうにかして入手せねばならない。

 伝手はあるけど、それがあのゲルタ婆様って所が痛い。

 しかも今は戦争中であるのだ。

 迫っている敵を放っておいてマナポーション量産とか、何かが違う。


 無くなったらスラー酒だってある。

 だがその思考がいけません。

 油断するとショートして、いずれはスラー酒も無くなっちゃうぞ?


 そんな事を考えている暇は無さそうだ。

 作業場に久重とスーラジが来ている。

 オレだけではなく、皆の分の朝食を作って来た訳だ。

 運んでいたのはバスケット、中身はサンドイッチの筈。

 これは闘技場の観客席で味わおうか。


 さて、今日も掃討戦かな?

 まだ強敵が残っていてくれたらいいんだが。

 期待していいのかね?





「夜の間に動きはそう無かったみたいですね」


「レジアとソルトロックも平穏無事です」


「港町サリナスは沖の堤防が決壊ですが、既に生産職が修復を始めてますね」


「むご」


「あ、キースさんは食事を続けてて下さい」


 ちょっと返事に失敗した。

 いかんな。

 食事を続けましょう。


 要するにだ。

 迎撃中で緊急性のある戦闘は現時点では無いって事になる。

 掲示板情報によれば、広範囲で魔人を見ていないという。

 

 だが、オレの方で気になる事があった。

 広域マップを展開してみると、最も東にある筈のマーカーが無い。

 N4E26マップのエリアポータル、闘争の聖地だ。

 どうも何かが起きた予感がする!

 これは期待したい。

 今日は虚無の沼地から東に行く形がいいな!



「では、移動しようか」


「今日も掃討戦、ですよね?」


「多分な」


 昨日は複数箇所で迎撃する事になった。

 今日はどうなるだろうか?

 虚無の沼地から掃討戦の続きになるのかな? 

 それでもいいけどね。

 肝心なのは強敵の存在だ。

 是非、いて欲しいものです。




「大規模な掃討戦は無しですか?」


「ええ。各所で動きが無いのよ」


「探索がメインになりますか」


「ここの所、激戦続きでしたからね。迎撃するにしても準備が要るわ」


 フィーナさんが言うのであればそうなんだろう。

 でもね。

 比較的小規模のパーティでユニオンを組み、NPCのドラゴンの編隊と共に各マップの探索ですか?

 むしろ獲物が減りそうで遠慮したいのですけど。



「で、私は?」


「東方面の掃討戦、その続きをお願いしたいわ」


「偵察、じゃないんですね?」


「ええ。言うなれば強行偵察。このまま出来る限り東へと打通して欲しいの」


「この面々で、ですか」


「連携面に不安は無いでしょ?」


「確かに」


 ここにいる10名のサモナー系プレイヤーであれば不安は少ない。

 皆無ではないけどね。

 各々には個性がある。

 それは長所でもあるが、裏を返せば短所でもあるのだ。

 お互いの理解があるからフォロー出来ているだけに過ぎない。


 まあオレとしてはこの規模のユニオンであれば都合がいい。

 目が届く限界になる。

 イリーナと此花に全体の指揮を任せていられる立場は楽ではある。

 だが、彼女達の戦力をスポイルしている面も否めない。

 もうちょっと活躍させてやりたい所だ。



「目標は東ですね」


「ええ。一度はN4E26マップのエリアポータルは確認したんでしょ?」


「はい」


「魔人側に再奪取されている可能性、あるわよね?」


「ええ」


「慎重に対処をお願い。必要であれば援軍を出すわ」


 心の中でイエス、マムと叫びつつ思う。

 あのノリも良かったんだけどね。

 今日はお預けみたいです。





『出発準備出来ました!』


『神魔蜂女王を加えてますが、本当に使いますか?』


「ま、念の為だな」


 虚無の沼地に到着してすぐに使ったコール・モンスターの結果は芳しくなかった。

 まるでいない!

 魔人が騎乗馬にしているであろう存在は皆無だ。


 残された可能性はキムクイガード・スレイブのような存在になる。

 そっちは地上付近で探索を行っている別のユニオンに任せたい。

 増援が必要ならお呼びがある筈だ。


 オレの布陣は?

 アイソトープ、ビアンカ、バイヨネット、サンダーチーフ、アードバーク。

 オレとヒョードルくんはアードバークの背中の上で戦う形になる。

 頭上にはヒョードルくん配下の神魔蜂女王。

 周囲を見るとグレータードラゴンに囲まれている!

 全員が最低でも1体召喚していて、アイソトープも含めると14体の大所帯だ!

 移動だけを前提としているのではない。

 神魔蜂女王による誘引を使って掃討を狙ってます


 確認もしたい。

 本当に魔人が率いる戦力はいないのか?

 まだいるのか?

 そこが問題だな。



『では交代!』


『先頭は野々村、よろしく!』


『応ッ!』


 アデル、イリーナ、春菜、此花は全員が騎乗羊だ。

 ゴールドシープは最初から祝福が使える。

 無理にビアンカを布陣に組み込まなくてもいいんだけどね。

 戦力の底上げも必要だ。

 当面はこれで行こう。







《只今の戦闘勝利で【投槍】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐暑】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔力遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ビアンカ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



「やはりN4E24マップにはいない、か」


『N4E25マップにしかいません、よね?』


『テレパスでフィーナさんに連絡します!』


『掲示板に速報で警告も出しておきますね』


「任せるよ」


 さて、どうやら闘争の聖地が陥落しているのは間違いなさそうだ。

 それに魔人の戦力がN4E24マップに近寄ろうとしない理由も何となく分かる。

 NPCのドラゴン達を警戒しているのだろう。

 全く、根性の無い連中だ!

 だが見方を変えたらオレにとっては実に好ましい状況ではある。

 獲物を独占している気分になってますよ?



 ビアンカのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。



 ビアンカ アークエンジェルLv68→Lv69(↑1)

 器用値 37

 敏捷値 92(↑1)

 知力値 92

 筋力値 37

 生命力 37

 精神力 92(↑1)


 スキル

 杖 弓 飛翔 浮揚 変化 神霊 神撃

 祝福 遠視 空中機動 魔力察知 魔力遮断

 連携 精密操作 自己回復[小] 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[大] MP回復増加[大] 時空属性

 光属性 闇属性 風属性 土属性 水属性

 木属性 雷属性 氷属性 賛美歌 呪曲




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『バイヨネット』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



『やはりこのまま、東に進みますか?』


「ああ」


『援軍はどうします?』


『切り札も限られますけど』


「構わん。このまま進んでみよう」


 確かに大規模ユニオンであれば【英霊召喚】や【精霊召喚】を使えるプレイヤーも増える。

 でもね、合流を待つ時間も惜しい。

 誘引も延々と使わせていないから適度な大苦戦になってくれている。

 偶然かも知れないけどね。

 それに時間差で襲ってくれているうちは切り札の投入もせずに済む場合もある。

 最初はちょっと規模が大きくて使ったけどさ。


 徐々に楽になっている感触がある。

 大苦戦の筈なのに!

 いかん、オレも感覚が麻痺しつつあるのかな?



 バイヨネットのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。



 バイヨネット エンジェルナイトLv68→Lv69(↑1)

 器用値 71(↑1)

 敏捷値 71(↑1)

 知力値 80

 筋力値 42

 生命力 42

 精神力 80


 スキル

 剣 杖 弓 小盾 重盾 重鎧 飛翔 浮揚

 神霊 神撃 遠視 夜目 連携 空中機動

 突撃 吶喊 自己回復[大] 物理抵抗[中]

 魔法抵抗[大] MP回復増加[大] 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性

 水属性 木属性 灼属性 呪歌




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『サンダーチーフ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に2ポイントを加算して下さい》



 ここまでセラフィム級は毎回のようにいるのだが。

 問題のセラフィムをスローンに着艦するのを事前に阻止する形にさせて貰っている。

 今日は大規模ユニオンではないからだ。

 今の戦闘では阻止しきれず、着艦を許してしまった。

 結果、ケルビムが多数出現して【英霊召喚】を重ね掛けする事になってます。


 まだ【英霊召喚】は5名分、使える筈だ。

 オレは?

 午後にならないと、無理!

 そこがちょっと心苦しかったりします。



 サンダーチーフのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

 もう2点のステータスアップは敏捷値と生命力を指定しましょう。



 サンダーチーフ ガルーダLv65→Lv66(↑1)

 器用値  44

 敏捷値 101(↑1)

 知力値  44

 筋力値  76(↑1)

 生命力  76(↑1)

 精神力  44


 スキル

 嘴撃 爪撃 飛翔 回避 遠視 広域探査

 強襲 危険察知 空中機動 捕食融合

 捕食吸収 自己回復[小] 物理抵抗[中]

 魔法抵抗[中] MP回復増加[微] ブレス

 火属性 風属性 土属性 雷属性 溶属性

 水耐性 毒無効




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『アードバーク』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に2ポイントを加算して下さい》



「少し早いが小休止だ。降下してくれ!」


『『『『はい!』』』』


『『『『『了解!』』』』』


 時刻は午前8時50分だ。

 移動距離そのものは稼げていない。

 N4E24マップとN4E25マップの境界をウロウロしていたからだ。

 少し慎重に過ぎたかもしれないな。

 小休止を終えたら一気に進んでみるかな?

 空中戦力はかなり削った筈。

 突破するのもそう難しくないと思えます。



 アードバークのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。

 もう2点のステータスアップは知力値と精神力を指定しましょう。



 アードバーク ロック鳥Lv65→Lv66(↑1)

 器用値  35(↑1)

 敏捷値  88

 知力値  35(↑1)

 筋力値  88

 生命力 108

 精神力  35(↑1)


 スキル

 嘴撃 爪撃 飛翔 巡航 遠視 広域探査

 夜目 強襲 危険察知 魔力察知 運搬 掴み

 空中機動 天耳 捕食融合 騎乗者回復[小]

 自己回復[極大] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[小]

 MP回復増加[微] 土属性 火耐性 耐気絶



『キースさん!キムクイガーディアン・スレイブが複数います!』


『こっちも見えました!ネフィリムの末裔も確認!』


「む?」


『距離がまだありますが、まっすぐこっちに向かってます!』


「ほう」


 やはり亀の歩みだ。

 空中戦力とは時間差が生まれるのは仕方ないか。



「時間的にどうだ?」


『小一時間は掛かるかと』


「了解だ。先にインスタント・ポータルを使って小休止をしよう」


 今は急がなくていい。

 獲物は逃げずにこっちに向かっている途上だ。

 問題は当然だけどある。

 結界持ちのキムクイガーディアン・スレイブがいたら?

 ちょっと面倒な対応が必要になる。


 魔人の指輪を装備したらいい。

 それに折威だっている。

 布陣は変更して加えておくとしよう。

 その前に対戦相手も要るかな?



『インスタント・ポータル!』


 最後にアードバークが着陸するとゼータくんがインスタント・ポータルを展開。

 オレは早速だが布陣変更です。

 アイソトープは残し、全員帰還だ。

 召喚するのは?

 まずは逢魔と鞍馬だ。

 この両者は対戦相手になる。

 残る2枠は折威に出水。

 この両者は強行偵察に同行して貰う事が前提だが、対戦に加わって貰ってもいい。

 まあそこは対戦結果次第になるだろう。



『早速、対戦ですか?』


「ああ。もうこれが日課みたいなものでね」


 苦笑されても構わない。

 こうでもしていないと気が済まないのです。






《只今の戦闘で【剣】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘で【小刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘で【二刀流】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『折威』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 1対4はちょっと大変でした。

 対戦に唯一加わっていなかったアイソトープにはどう見えただろうか?

 防御で飽和していたのは確かだ。


 だが、これはいい。

 空中位置の折威と出水を加える事で難易度は急激に上がっている。

 文句は無い。

 負けているけど、これでいい。

 漫然と勝ち続ける方が問題であるのだ。



 折威のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。



 折威 アークデーモンLv68→Lv69(↑1)

 器用値 37(↑1)

 敏捷値 91(↑1)

 知力値 90

 筋力値 36

 生命力 36

 精神力 90


 スキル

 杖 弓 爪撃 飛翔 浮揚 回避 呪詛 堕天

 反響定位 空中機動 魔力遮断 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[極大] 自己回復[中] MP回復増加[極大]

 変化 夜目 時空属性 光属性 闇属性 火属性

 風属性 土属性 水属性 氷属性 雷属性 木属性

 溶属性 灼属性 魅了 耐魅了




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『出水』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



「相変わらず無茶な対戦をしますね」


「そうか?」


 ヒョードルくんはログアウトしてすぐに戻って来ていたのか。

 いや、駿河と野々村もです。

 ふむ。

 いい感じで人数が揃い始めている。


 観戦するだけじゃ面白くないでしょ?

 対戦、するか?



 出水のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

 もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。



 出水 デモンズアポストルLv68→Lv69(↑1)

 器用値  52

 敏捷値 103

 知力値  68

 筋力値  48(↑1)

 生命力  48(↑1)

 精神力  68


 スキル

 噛付き 捕縄術 打撃 蹴り 投げ技 関節技

 飛翔 浮揚 回避 受け 呪詛 空中機動

 水中機動 水棲 広域探査 夜目 反響定位

 魔力遮断 捕食吸収 物理抵抗[大] 魔法抵抗[中]

 自己回復[大] MP回復増加[中] 変化 時空属性

 光属性 闇属性 土属性 水属性 耐混乱

 耐沈黙 呪眼



「待っている間、私と対戦でもどうだ?」


「え、僕がですか?1人じゃ無理ですって!」


「そこの2人も加えていいぞ」


 駿河と野々村の動きが止まる。

 オレに向けられた視線には怯えの色が見えているんだが。

 何を怖がっているんだ?

 確かにナイアスの件は忘れていない。

 厳し目で対応なんてしないって。



「あの、1対3ですか?」


「ダメかな?」


「い、いえ」


「得物は持たないから安心していいぞ」


「あの、そっちの方が怖いんですけど!」


 そうか?

 そうなんだろうか。

 オレとしては加減がし易いから都合がいいんだけど。



「何、やってみたら分かる。全力で来い!」


「「「は、はい!」」」


 1対3か。

 何だったらこれからログインして戻って来た面々も加えてみてもいい。

 最近、直接彼等と対戦するのも久し振りです。

 どれだけ鍛えているのかな?

 実際に戦ってみないと分からない所はどうしてもある。

 少し楽しみです。






「何があったんですか!」


「うん?対戦なんだが」


「それは分かります。この惨状は何事です?」


 イリーナが驚いている意味が分からんな。

 確かに酷い状況ではあるだろう。

 駿河とヒョードルくんは折れ重なり合ってしまい、オレの椅子代わりになっている。

 野々村は肩を極められ、身動き出来ない。

 ゼータくんもヘラクレイオスくんも盾代わりにしている野々村が邪魔で攻撃の手が止まっていた。

 そこは構わず攻撃してもいいのに!


 対戦は結局、1対5にまで進展してます。

 ゼータくんにヘラクレイオスくんまで加わって大変な事に!

 間違いなく、好きに攻撃させたら防御が飽和する数だ。

 それだけに緊張もあったから良かったと思う。


 一応、武技はアリだが呪文は無し、得物も木製で稽古用の縛りがある。

 まあオレは武技すらも使わないのだが。

 最も厳しい立場に思えたヘラクレイオスくんが結構いい味を出してます。

 インテリジェンス・アタックは中々の威力になるからだ。


 距離を置いて駿河と野々村が槍で攻勢に出るのを捌きつつ戦い続けるのは苦労したな。

 同時にそれを楽しめてもいた。

 ヒョードルくん、ゼータくんとの連携もいい。

 でもまだまだ。

 オレがどう動いてくるのか、読めていない。

 いや、虚を衝かれると弱い部分がどうしてもある。



「ギ、ギブです!」


「いや、もっと粘れるでしょ?」


「む、無理です!」


 そうかな?

 下にいるヒョードルくんも駿河もオレの足を狙ってくれていいんだが。

 そうするにはお互いの体が邪魔で身動きが出来ないみたいだ。



「キースさん、全員揃いましたが」


「ふむ、仕方ないな」


 対戦はここで切り上げよう。

 少し惜しい気持ちもあるけどね。



「迫っている亀は掃討するんですよね?」


「勿論。引き続きパーティは空中戦前提だが、地上攻撃を意識してくれ」


「了解です」


 さて、小休止が小休止になっていない気もするが再開だ。

 相手はキムクイガーディアン・スレイブを軸とする地上戦力となる。

 掃討せずに先へと進むのは惜しい。



「大丈夫かな?」


「ど、どうにか」


 ヒョードルくんなどは気息奄々だが、本当に大丈夫かね?

 肩で息をしている。



「連携はいい。だが思い切った決断も要る」


「は、ハイ!」


「数の利点を活かし、私に楽をさせない方法なら必ずある。次に期待するぞ?」


「次ですか?」


 そう、次だ。

 これで終わりではありません。

 特に駿河と野々村!

 忘れてませんからね?

 対戦で拒否権は当分無いものと思って貰いたい。


 では、布陣変更だ。

 折威と出水はレベルアップしているけど、このまま継続で。

 MPバーは全く減っていないしな。

 逢魔と鞍馬はここで帰還です。

 召喚するのはノワールとアリョーシャだ。

 相手は地上戦力がメインではあるが、秩序偽典の存在を忘れてはいけません。



「パーティを組み終えたら出発するぞ!」


「はい!」


「ユニオン申請は全員へ私から出します!」


 さあ、掃討戦だ。

 出来れば秩序偽典持ちの魔人にいて欲しい。

 それも複数、いて欲しい。

 各個に撃破出来るようであれば切り札も温存出来る筈。

 そこにも期待したい所です。







《只今の戦闘勝利で【ポールウェポン】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐寒】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【武技強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ノワール』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



「全方位確認!亀はいるか?」


『現時点で確認出来ません!』


『掃討終了、ですかね?』


 時刻は午前11時20分か。

 いいタイミングで亀の掃討は区切れそうです。


 結界持ちの亀もいたけど、こっちには折威がいた。

 それ故に大苦戦が苦戦に留まる事もあったりする。

 魔人が結界を頼りにしているのは明らかだからだ。

 突っ込んで来る折威に警戒も薄いから簡単に結界も消えてしまう。

 呪禁導師もそこそこにレベル高めなのだろうが、折威の方が明らかに戦力は上。

 排除するのも早い。


 やはり主力は秩序偽典で召喚される魔竜の方だろう。

 そしてある法則に気付いた。

 この秩序偽典で召喚された魔物の場合、アイテムが剥ぎ取れる確率が極端に低いようだ。

 グリフォンロードからは金塊を剥ぎ取れる筈だが、一切確保出来ていない。

 魔竜も同様だ!

 法則を見出したのはいいけど、悲しい結果でしかない所が困る。

 剥ぎ取れる奴っているのかね?

 そこが問題だ。



 ノワールのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

 もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。



 ノワール レッドシールドカーバンクルLv68→Lv69(↑1)

 器用値  40

 敏捷値 100

 知力値  83

 筋力値  40(↑1)

 生命力  40(↑1)

 精神力  83


 スキル

 噛付き 飛翔 浮揚 堅守 掘削 広域探査

 夜目 看破 鑑定 振動感知 危険察知

 精密操作 地脈操作 水脈操作 自己回復[中]

 物理抵抗[小] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]

 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 氷属性 雷属性 溶属性

 塵属性 灼属性 木属性 耐混乱 耐即死



「全員着陸!イリーナ?」


『はい!インスタント・ポータルは私が!』


 今日、このユニオンで行動出来るのは午後3時までだ。

 出来ればそれまでにN4E26マップの中央、闘争の聖地に辿り着きたい所だが。

 誘引を使わなければ行ける。

 それだけの確信があります。



『インスタント・ポータル!』


 全員が着陸したのと同時にインスタント・ポータルが展開される。

 ここで小休止だ。

 今日はお弁当があるから昼食はそれでいい。

 問題になるのは小休止の間の暇な時間だ。

 やる事はもう決まってます。

 対戦だ!



「駿河、それに野々村!」


『は、はい!』


『何でしょう?』


「早めに戻って来てくれよ?」


 両者の表情は?

 平静を装うのに精一杯、といった所かな?

 オレが何を示唆しているのか、十分に理解している事だろう。

 ログアウトしている時間を意図的に長くしちゃダメ!

 それにこれは男同士の付き合いですから。

 拒否権は無い。

 今後も与えるつもりはありませんよ?



「いいよね?」


『『は、はい!』』


 オレも表情を意図的に装う事はしなかった。

 多分、笑顔になっていたのだと思う。

 駿河と野々村の表情がそう伝えてくれています。

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv207

職業 サモンメンターLv96(召喚魔法導師)

ボーナスポイント残 63


セットスキル

小剣Lv162 剣Lv163(↑1)両手剣Lv160 両手槍Lv165

馬上槍Lv172 棍棒Lv166 重棍Lv163 小刀Lv163(↑1)

刀Lv164 大刀Lv162 手斧Lv161 両手斧Lv160

刺突剣Lv157 捕縄術Lv165 投槍Lv172(↑1)

ポールウェポンLv172(↑1)

杖Lv187 打撃Lv192 蹴りLv192 関節技Lv192

投げ技Lv192 回避Lv203 受けLv203

召喚魔法Lv207 時空魔法Lv191 封印術Lv191

光魔法Lv190 風魔法Lv190 土魔法Lv190

水魔法Lv190 火魔法Lv190 闇魔法Lv191(↑1)

氷魔法Lv190 雷魔法Lv191(↑1)木魔法Lv190

塵魔法Lv190 溶魔法Lv190 灼魔法Lv190

英霊召喚Lv6 禁呪Lv191

錬金術Lv168 薬師Lv45(↑2)ガラス工Lv45

木工Lv81 連携Lv177 鑑定Lv143(↑1)識別Lv176

看破Lv151(↑1)保護Lv29 耐寒Lv176(↑1)

掴みLv178 馬術Lv178 精密操作Lv179

ロープワークLv100e 跳躍Lv179 軽業Lv180

耐暑Lv131(↑2)登攀Lv90 平衡Lv179

二刀流Lv175(↑1)解体Lv142 水泳Lv145

潜水Lv145 投擲Lv181

ダッシュLv178 耐久走Lv179 追跡Lv177

隠蔽Lv166 気配察知Lv177 気配遮断Lv177(↑1)

魔力察知Lv177 魔力遮断Lv177(↑1)暗殺術Lv176

身体強化Lv176 精神強化Lv176 高速詠唱Lv50e

無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv179(↑1)

魔法効果拡大Lv175 魔法範囲拡大Lv175

呪文融合Lv175

耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e

耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e

耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e 全耐性Lv115

限界突破Lv64 獣魔化Lv90


召喚モンスター

折威 アークデーモンLv68→Lv69(↑1)

 器用値 37(↑1)

 敏捷値 91(↑1)

 知力値 90

 筋力値 36

 生命力 36

 精神力 90

 スキル

 杖 弓 爪撃 飛翔 浮揚 回避 呪詛 堕天

 反響定位 空中機動 魔力遮断 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[極大] 自己回復[中] MP回復増加[極大]

 変化 夜目 時空属性 光属性 闇属性 火属性

 風属性 土属性 水属性 氷属性 雷属性 木属性

 溶属性 灼属性 魅了 耐魅了


ノワール レッドシールドカーバンクルLv68→Lv69(↑1)

 器用値  40

 敏捷値 100

 知力値  83

 筋力値  40(↑1)

 生命力  40(↑1)

 精神力  83

 スキル

 噛付き 飛翔 浮揚 堅守 掘削 広域探査

 夜目 看破 鑑定 振動感知 危険察知

 精密操作 地脈操作 水脈操作 自己回復[中]

 物理抵抗[小] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]

 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 氷属性 雷属性 溶属性

 塵属性 灼属性 木属性 耐混乱 耐即死


ビアンカ アークエンジェルLv68→Lv69(↑1)

 器用値 37

 敏捷値 92(↑1)

 知力値 92

 筋力値 37

 生命力 37

 精神力 92(↑1)

 スキル

 杖 弓 飛翔 浮揚 変化 神霊 神撃

 祝福 遠視 空中機動 魔力察知 魔力遮断

 連携 精密操作 自己回復[小] 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[大] MP回復増加[大] 時空属性

 光属性 闇属性 風属性 土属性 水属性

 木属性 雷属性 氷属性 賛美歌 呪曲


出水 デモンズアポストルLv68→Lv69(↑1)

 器用値  52

 敏捷値 103

 知力値  68

 筋力値  48(↑1)

 生命力  48(↑1)

 精神力  68

 スキル

 噛付き 捕縄術 打撃 蹴り 投げ技 関節技

 飛翔 浮揚 回避 受け 呪詛 空中機動

 水中機動 水棲 広域探査 夜目 反響定位

 魔力遮断 捕食吸収 物理抵抗[大] 魔法抵抗[中]

 自己回復[大] MP回復増加[中] 変化 時空属性

 光属性 闇属性 土属性 水属性 耐混乱

 耐沈黙 呪眼


バイヨネット エンジェルナイトLv68→Lv69(↑1)

 器用値 71(↑1)

 敏捷値 71(↑1)

 知力値 80

 筋力値 42

 生命力 42

 精神力 80

 スキル

 剣 杖 弓 小盾 重盾 重鎧 飛翔 浮揚

 神霊 神撃 遠視 夜目 連携 空中機動

 突撃 吶喊 自己回復[大] 物理抵抗[中]

 魔法抵抗[大] MP回復増加[大] 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性

 水属性 木属性 灼属性 呪歌


サンダーチーフ ガルーダLv65→Lv66(↑1)

 器用値  44

 敏捷値 101(↑1)

 知力値  44

 筋力値  76(↑1)

 生命力  76(↑1)

 精神力  44

 スキル

 嘴撃 爪撃 飛翔 回避 遠視 広域探査

 強襲 危険察知 空中機動 捕食融合

 捕食吸収 自己回復[小] 物理抵抗[中]

 魔法抵抗[中] MP回復増加[微] ブレス

 火属性 風属性 土属性 雷属性 溶属性

 水耐性 毒無効


アードバーク ロック鳥Lv65→Lv66(↑1)

 器用値  35(↑1)

 敏捷値  88

 知力値  35(↑1)

 筋力値  88

 生命力 108

 精神力  35(↑1)

 スキル

 嘴撃 爪撃 飛翔 巡航 遠視 広域探査

 夜目 強襲 危険察知 魔力察知 運搬 掴み

 空中機動 天耳 捕食融合 騎乗者回復[小]

 自己回復[極大] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[小]

 MP回復増加[微] 土属性 火耐性 耐気絶


召魔の森 ポータルガード

ジェリコ、リグ、クーチュリエ、極夜、守屋、スーラジ

久重、テフラ、岩鉄、虎斑、蝶丸、網代、スパーク

クラック、オーロ、プラータ、イソシアネート、ムレータ

酒船、コールサック、シュカブラ、シルフラ、葛切

スコヴィル、デミタス、白磁、マラカイト、パティオ

十六夜、貴船

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― 新着の感想 ―
サモナーさんの嫁に手を出した罪は重い(笑)
無理に対戦に付き合ってまで、ナイアス一匹いても居なくても変わらんやろ。
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