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『あれですね』
『緑のドーム球場?』
「遠視で見ていると大きさが分からんな」
『それにアレ、マズくないですか?』
マズい。
恐らくはエリアポータルであろう緑のドームだが。
周囲にセンチネルゴーレム弐式。
上空には伍式と陸式。
しかも結構な数が揃っていやがる!
『このまま突っ込むのは危険、ですよね?』
「ああ、そうだな」
『恐らく、撤退している戦力はここに向かっているんでしょう』
『どうします?撤退を邪魔する事も出来ますが』
「ああ、そうだよな」
オレは上の空だった訳じゃない。
あの拠点を攻略出来ないか、それを考えてました。
結界があるとしたら面倒だな。
ああいった所であればこそ、爆撃したくなる。
そしてここに逃げ込もうとしている戦力を削りたくもなっていた。
ああ、ダメ!
両方というのはどう考えても時間が足りなくなりそう!
いや、そもそもあの緑のドームに潜入出来るかどうかが問題だ。
古竜の巣のように結界が敷かれている可能性は高い。
ここは確実に戦力を削るべきだろう。
「撤退している戦力を狙おう。ユニオンを分割した方がいいな」
『2名で組みますか?』
『ちょっと心配!』
『3名、3名、4名で3分割?』
『キースさん、3名のユニオン3つだと戦力が少しは拮抗しますけど』
「何にしても一旦、距離を置こう」
もう時間に余裕が無い。
ログアウト出来る時間で都合のいい組み合わせにするか?
いや、ここは普段から組んでいて連携に心配の無い面々で組むべきだな。
アデル、イリーナ、春菜、此花。
ヒョードルくん、ヘラクレイオスくん、ゼータくん。
そして駿河と野々村。
オレは単独で行動した方が森林戦であれば気が楽ではあるのだが。
駿河と野々村のユニオンに加わろうと思う。
この2人だけだと心配だ。
何がかと言えば、森林戦であるからだ。
元々、海をメインにして活躍してたからな。
森の中であれば、普段から使っている銛も使い難いだろう。
パーティに組み込む配下の召喚モンスターにしても鍛えてあるかどうか。
心配だ。
考えれば考える程、心配の種が続々と出て来る!
やはり付いて行こう。
それがいい。
「時間は短いが、いいか?」
「ええ、何とか」
「じゃあ、お先に出発してますね!」
「おう、頑張れ!」
アデル、イリーナ、春菜、此花はさっさと布陣を確定させたようで出発してしまった。
彼女達はこのN6E20マップのやや東寄りに展開、南下しつつ撤退戦力を削ぐ事になる。
ある意味、落ち武者狩りだな。
センチネルゴーレムを確認したら全力で撤退するように含めてある。
イリーナと此花がいるのだし、任せていいだろう。
ヒョードルくん、ヘラクレイオスくん、ゼータくんも布陣を確定したか。
こっちはN6E20マップのやや西寄りに展開する予定だ。
目礼を残して森の中へと消えて行く。
オレ、それに駿河と野々村はまだインスタント・ポータルから動けない。
布陣が確定していないからだ。
駿河と野々村は一応、確定してはいる。
オレの方が悩ましい事になっていた。
駿河も野々村も手にしている得物は銛。
両肩には投網がセットされている。
彼等の戦闘スタイルは独特、それをこの森の中でも通すつもりらしい。
まあ、いいけどさ。
そこをカバーするのはオレの役目になるだろう。
駿河の布陣は?
ホーライ、青竜、紅竜、白竜、黒竜。
野々村の布陣は?
青竜、鸞、紅竜、白竜、黒竜。
ある意味、潔い選択だな。
配下はその全てが海中に対応可能な面々だ!
どれも鍛えてあるとは言い難い。
少なくともオレの個人的見解だけどね。
より隙を埋める布陣をどうするか?
黒曜、モジュラス、清姫はすぐに決まったんだけどな。
出来れば駿河と野々村を支援する手札を加えておきたい。
ティグリス、出水を加えよう。
ティグリスであれば森の中でも地の利があるし、その体躯で壁にもなってくれる。
出水を加えておくのは、保険だ。
拘束能力のある面々が揃ってはいるものの、安心は出来ない。
出水はグレイプニルが使える。
それだけで安心感が違うのだ。
「じゃあ、行こうか」
『『応ッ!』』
懸念すべき事がもう1つあったな。
オレにいい所を見せたいようで、かなり意気込んでいる。
悪くはない。
悪くはないのだが、冷静さを見失っているようにも思える。
いい方向に作用して欲しいものだ。
《只今の戦闘勝利で【手斧】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔力遮断】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
「法騎士はいたか?」
『いえ、確認出来ませんでした』
『こっちもです』
うーむ。
ダメか。
たまに法騎士がいたりするんだが、秩序法典を所持している奴がここまでいない。
それ故にセンチネルゴーレムがおらず、余りにも物足りない!
傭兵らしき連中の方がまだいい。
いや、遙かにいい。
今の相手は中々の力量だった。
モジュラスと清姫による頭上からの奇襲を察知し、避けて見せたのだから。
それだけにオレ自身で相手が出来なかったのが惜しかったな。
ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
ティグリス 白虎Lv65→Lv66(↑1)
器用値 36
敏捷値 109(↑1)
知力値 36(↑1)
筋力値 82
生命力 82
精神力 36
スキル
噛付き 引裂き 回避 疾駆 跳躍 追跡
裂帛 霊能 天啓 強襲 隠蔽 夜目 気配遮断
魔力遮断 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 風属性
共振波 高周波 耐混乱 耐石化 耐即死
風伯変
「そろそろ時間じゃないかな?」
『ええ、そうなんですが』
時刻はもうすぐ午後4時になる。
駿河と野々村はここまでだと聞いていたんだが。
まだ何か心残りがあるらしい。
それが何であるのかはもう承知していた。
「ま、ご褒美は戦争が終わってからだな」
『えっと、それって』
『本当ですか?』
「今、配備したら睡蓮洞から出てこなくなりそうだからね。すぐにはダメだ」
『あ、そうか!』
『それもそうですね』
認めるのかよ!
でもね、スライム系と併せてナイアスを配備するのは無しだ。
そこまで許すつもりは無い。
今日はかなり頑張ってましたからね。
ご褒美はあっていいと思う。
今すぐじゃないのは当然です。
だってまだ戦争中であるのだ。
『済みません。時間が時間なので』
『キースさんはこのまま続けるんですか?』
「ああ。もう少し粘ってみるさ」
もうヒョードルくん達もアデル達もログアウトしている筈だ。
そして明日も改めてここに来る事になりそうです。
オレはどうする?
あのエリアポータルらしき場所への潜入が出来ないか、確かめてみたい。
それに撤退している連中を削る事も継続だ。
そこに妥協はしません。
単独であってもやるべきなのです。
ユニオンを抜けた駿河と野々村を見送る。
さて、ここからが本番だ。
布陣は?
このままでいい。
得物は?
ここまでオリハルコンラブランデスを使ってみたが、意外な弱点があるようです。
結構、戦闘中は目立つようなのだ。
普段は目立たないんだが、魔力を通すような使い方になるともうダメだ!
黄金に輝いてみたり、虹色に輝いてみたり、もう目立つ事!
これはマズい。
使い勝手がいいだけに惜しいですよ?
ここは無難に暗殺者スタイルにしましょう。
グレイプニルを肩に掛け、黒のローブを纏う。
メインで使うのは怒炎蛇竜神の小剣。
いざともなれば神鋼鳥のククリ刀もある。
これで十分、戦えるだろう。
「ゲヘッ?」
出水が奇矯な声でオレの様子を窺っている。
おい。
今は静かに行動してくれよ?
出来れば撤退している戦力の中枢に迫りたいのだ。
秩序法典を所持する法騎士がいる筈。
センチネルゴーレムを使わせる前に仕留めてしまえば脅威は大幅に減るだろう。
まあ本音を言えば昼間にセンチネルゴーレムを撃破したいんだけどね。
経験値稼ぎを考慮したらその方が断然いい。
暗殺者スタイルで屠る場合、経験値稼ぎにはならない。
その代わりに秩序法典を得る確率は高まるだろう。
レールガンを使うような場面は無いだろうしな。
派手な仕留め方になる可能性は低い。
その筈だ。
では、挑んでみましょう。
目標は飽くまでも、遊撃。
ある意味でテロ行為、破壊工作にもなる。
その本質は嫌がらせに近い。
単純な破壊工作なら適当でもいいけどね。
嫌がらせともなれば手は抜けない。
戦闘とはまた別の配慮が必要だ。
オレとしては同じ隠密行動ではあるけど、偵察よりも向いている気がする。
これなら大丈夫かな?
《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐久走】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『モジュラス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
「秩序法典が多いのは粗製濫造していると?」
「あ、ああ。法騎士も最近になって増えてる」
目の前にいる奴には法騎士の肩書きがあった。
だからこそ、モジュラスが捕獲したのに仕留めもせずに説得を行っているのだが。
面白くないな。
魅了されてしまっていてペラペラとよく喋る。
しかもこいつ、つい最近まで正規兵であったとはいえ一介の弓兵であったそうな。
法騎士は一気に増員されたようだが、その質の維持が出来ているとは思えない。
いや、以前から力量的に大いに疑問符が付く奴もいたけどさ。
目の前の男は貴族ではないらしいが、力量的には相応に高かった。
HPバーは残り1割。
そろそろ、潮時かな?
長々と世間話をしていていいとも思えません。
モジュラスのステータス値で既に上昇しているのは精神力でした。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
モジュラス アラクネダッチェスLv65→Lv66(↑1)
器用値 75
敏捷値 74
知力値 75(↑1)
筋力値 35
生命力 35
精神力 74(↑1)
スキル
噛付き 弓 捕縄術 回避 掘削 振動感知
反響定位 熱感知 夜目 気配遮断 魔力遮断
奇襲 追跡 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[極大] MP回復増加[大] MP吸収[中]
出糸 罠作成 縫製 吸血 時空属性 光属性
闇属性 風属性 土属性 水属性 氷属性
変化 毒 麻痺 魅了 耐石化 耐魅了
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『清姫』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
目の前の男がモジュラスと清姫のどっちに魅了されているのか?
それは分からない。
分かりたくもないのだが。
大した事は聞き出せなかったし、もういいかな?
モジュラスと清姫に目で合図する。
男は喉元と延髄に噛付かれ、血を吸い上げられていた。
MPバーが一気に枯渇し、HPバーも遅れてゼロになる。
相変わらずホラーだ。
怖いって!
だが、これがあるからこそこの両者は高い継続戦闘能力を維持出来るのだ。
文句は言えませんね。
清姫のステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。
清姫 白蛇姫Lv65→Lv66(↑1)
器用値 58(↑1)
敏捷値 87
知力値 58(↑1)
筋力値 57
生命力 57
精神力 57
スキル
剣 弓 小盾 噛付き 巻付 回避 受け 夜目
遠視 匂い感知 熱感知 反響定位 気配遮断
魔力遮断 変化 奇襲 跳躍 軽業 自己回復[中]
物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[中]
MP吸収[中] 吸血 暗殺術 時空属性 光属性
闇属性 火属性 土属性 溶属性 猛毒 沈黙
魅了 耐魅了
最後に男を縛り上げていたグレイプニルを出水が外している。
死体を小突いて事切れているのを確認していた。
どうも奇矯な行動が目に付く出水だが、死体を蹴るような真似はしない方がいいぞ?
それにまだまだ、戦力を削ぎに行くのだ。
それは死体を量産する行為に他ならない。
死体を蹴っている暇など無いのです。
《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【ダッシュ】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔力遮断】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『出水』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
暗闇の中、目の前に大きな何かが横たわっているように見えた。
それが何であるのかはもう分かっている。
あの緑のドームだ。
警護役であろうセンチネルゴーレム弐式が4体、森の中からでも見える。
しまったな。
撤退していた戦力は続々とドームの中へと吸い込まれて行く。
迂回してみた所でセンチネルゴーレム弐式が警護しているだろう。
結界の有無は?
分からない。
出来れば結界の有無だけでも探りたいものだが。
可能であるようなら潜入まで出来れば最上だろう。
時刻は午後8時50分だ。
バレて戦闘になったとしても、いいよね?
森の中に潜みつつ、追撃して来る戦力を削る。
それで済む話だ。
出水のステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。
出水 デモンズアポストルLv65→Lv66(↑1)
器用値 52
敏捷値 103
知力値 67(↑1)
筋力値 46
生命力 46
精神力 67(↑1)
スキル
噛付き 捕縄術 打撃 蹴り 投げ技 関節技
飛翔 浮揚 回避 受け 呪詛 空中機動
水中機動 水棲 広域探査 夜目 反響定位
魔力遮断 捕食吸収 物理抵抗[大] 魔法抵抗[中]
自己回復[大] MP回復増加[中] 変化 時空属性
光属性 闇属性 土属性 水属性 耐混乱
耐沈黙 呪眼
問題なのは?
センチネルゴーレム弐式がいる事だな。
壱式をも相手にするかもしれない。
まあそれは今更であるんだが。
夜というのが問題だ。
どうにかなるのか?
いや、見方を変えよう。
この場合は森という地形がこっちにとって有利に働く。
そこに期待していいだろう。
では。
インビジブル・ブラインドを使って潜入を試みよう。
布陣も変更だな。
ティグリスを残して全員帰還だ。
ヴォルフ、ナインテイル、ストランド、逢魔を召喚しました。
ある意味、結界を抜けられずに発見される事が前提ですが何か?
森の中で駆け回るとしよう。
さあ、覚悟しよう。
相手は巨躯揃いだ。
弐式は壱式よりも小さいが、そんな事は些末に思える差になる。
オレに攻撃が直撃したら軽く死ねるだろう。
壱式だと攻撃が掠っただけでも死ねそうだ。
それに法騎士がセンチネルゴーレムを追加する可能性もある。
法騎士は一気に増え、秩序法典も数多くが与えられていると聞く。
これは期待していい。
そう。
オレは追撃される事を望んでいるのでした!
ある意味、結界が敷かれておらず難なく通過したら失望してしまうだろう。
その場合は、どうする?
見付けて貰うのもいいな。
いや。
内部に潜入出来ればそれはそれで総大将の首が狙える事だろう。
どっちにしても楽しめそうな予感しかしません!
((((((フォース・フィールド!))))))
((((((インスタント・テクトニクス!))))))
((((((リィクアファクション!))))))
(((((ジャングル!)))))
(((((メイズ・フォレスト!)))))
(((((スウォーム!)))))
(ミラーリング!)
森の中、逃げ回っているのか?
それは正鵠を得ていない。
かと言って、攻めているのか?
それもどうかと思う。
結界は通れませんでした。
そして当然のように護衛役の戦力に追撃されてます。
ある意味、順調です!
心苦しい事がある。
まだ撤退している残存兵力に迷惑だって事だ!
センチネルゴーレム弐式は果たしてどれだけの味方を踏み潰しているだろうか?
分からない。
分かる筈もない。
分かりたくなかった。
いつ、オレもああなるか?
それを思うと他人事じゃない。
それにしてもこのセンチネルゴーレム弐式はいいな!
オレの位置をある程度感知しているようだ。
追い掛けて来る!
それを利用している訳じゃないが、撤退している戦力を潰す事に繋がっていた。
メイズ・フォレストの影響だ!
でもね、これが途切れるとセンチネルゴーレム弐式に簡単に捕捉されてしまう!
どうにか1体、仕留めたのはいい。
そこまでの手順がもう面倒!
弐式の肩口へとショート・ジャンプで跳ぶには目視していないといけない。
ナインテイルとストランドの目を借りて確認しても助けにはなるが確実じゃない。
実際に樹上へとよじ登り、相対距離を確認しないといけなかった。
近過ぎてもダメ。
遠過ぎてもダメだ!
夜、しかも森林戦ではこっちに有利な点が多い。
唯一、これだけがいけない。
もうね、面倒!
(ショート・ジャンプ!)
樹上から一気に跳ぶ!
同時に弐式が手にした槍をこっちに突き出しているのが見えた。
残念、遅かったな!
(レールガン!)
(ミラーリング!)
頭部に撃ち込むが、それだけで終わらない。
一気に首元の辺りに駆け寄り、接触する。
((((((エナジードレイン!))))))
((((((フォースド・メルト!))))))
((((((カーボニゼーション!))))))
(((((フォースド・エバポレーション!)))))
(((((サーマル・ニュートロン!)))))
(((((コラプト!)))))
(ミラーリング!)
接触型攻撃呪文を撃ち込む。
この弐式、壱式と異なるのがこれです。
頭部の大部分を吹き飛ばせば内部にいる法騎士を露出させる事が可能なのだ!
壱式では数発喰らわせても難しいが、弐式では容易になる。
「ハッ!」
コラプトの呪文の影響を受けたのか、声も無く悶絶していた法騎士に蹴りを放つ。
直接攻撃が出来る時間は限られる。
この弐式の自己修復能力は壱式程じゃないけど高い。
長居しているとセンチネルゴーレムの中に取り込まれちゃうぞ?
「ッ?」
「シャッ!」
続けて放った拳には老蠍獅子神の隠し爪が握り込まれている。
痛い思いは長く味わいたくないだろう?
安心していい。
今、死ね。
眉間を老蠍獅子神の隠し爪は貫通、即死だろう。
手にした秩序法典を預かると、そのまま後退。
いずれこのセンチネルゴーレム弐式も消えるだろう。
これで弐式は残り2体か。
壱式はオレを見失ったのかな?
1体、いた筈なんだが。
いや、もう少し増えてくれてもいい。
ペースも上がっている。
何だったら結界があったあの緑のドームに行くのもいいな。
まだ戦闘が終わっていないのにそんなアイデアが脳裏に浮かぶ。
もっと敵がいるのは確実なのだ。
いやはや、本当に楽しい状況だな!
そしてこんな状況に陥った事を感謝せねばいけません!
《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【蹴り】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【受け】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【禁呪】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【跳躍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【平衡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【投擲】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【気配察知】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔力察知】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔力遮断】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【暗殺術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【武技強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔法効果拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔法範囲拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で職業レベルがアップしました!》
《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》
幾つか重大な失敗はあったけど、どうやら戦闘は終息したようだ。
時刻は?
午後11時10分です。
このまま撤収してもいいんだが。
嫌がらせが楽しくなっている。
このまま徹夜で続行してしまおう。
そうしましょう!
基礎ステータス
器用値 74(↑1)(-59)
敏捷値 74(↑1)(-59)
知力値 110(-88)
筋力値 73(-58)
生命力 73(-58)
精神力 110(-88)
《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で34ポイントになりました》
最後の奴の秩序法典は?
残らなかったようだ。
奪うのに失敗した訳じゃない。
接触型攻撃呪文が効き過ぎた!
一緒に消失している!
惜しい。
でもね壱式相手に加減するなんて無理ですから!
こっちが死に戻るって!
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナインテイル』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ソーマ酒を服用、そのまま身を潜める。
そして少しだけ考え込む。
どうやらあのセンチネルゴーレム弐式だが、魔力を感知しているだけじゃない。
オレ配下の召喚モンスター達だって魔力を発する瞬間は皆無じゃない。
それを考慮したとしても、感知が早過ぎる!
他の手段も併用し、こっちを捕捉している可能性も考慮すべきだろう。
音か?
匂いか?
熱だろうか。
それとも反響定位のような何か?
そこまでは分からない。
今は確実に身を隠す手段は無さそうだと認識するだけでいい。
そして弐式に比べ壱式は探知能力で劣るようだ。
ナインテイルの作り出した幻影にも簡単に引っ掛かっている。
ならば迷う事は無いな。
あの緑のドームを警護するセンチネルゴーレムを削ろう。
追加で増える可能性もあるかもだが、そこはそれ。
削れるだけ、削ってしまおうか!
ナインテイルのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。
ナインテイル 白狐Lv66→Lv67(↑1)
器用値 41(↑1)
敏捷値 96(↑1)
知力値 85
筋力値 40
生命力 40
精神力 85
スキル
噛付き 回避 天駆 空中機動 天啓 霊能
霊撃 夜目 MP回復増加[極大] 魔法抵抗[大]
物理抵抗[中] 自己回復[小] 時空属性
光属性 闇属性 風属性 水属性 土属性
氷属性 木属性 耐即死 耐混乱 耐魅了
陽炎
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
例の緑のドームとの距離は?
そんなに離れていない。
既に厳重な警戒がされているだろうけどね。
そこはそれ、好都合だ。
出来るだけオレを追い掛けて欲しいものです。
センチネルゴーレムだけじゃなくても構わない。
但し、センチネルゴーレム込みじゃないとダメだな。
苦戦にすらならない可能性は高い。
その場合はどうする?
決まっている。
こっちから攻め込んでくれよう!
結界があっても知った事じゃないな!
ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
ティグリス 白虎Lv66→Lv67(↑1)
器用値 36
敏捷値 109
知力値 36
筋力値 83(↑1)
生命力 83(↑1)
精神力 36
スキル
噛付き 引裂き 回避 疾駆 跳躍 追跡
裂帛 霊能 天啓 強襲 隠蔽 夜目 気配遮断
魔力遮断 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 風属性
共振波 高周波 耐混乱 耐石化 耐即死
風伯変
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ストランド』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
さて、布陣はどうするか?
ヴォルフはレベルアップしていない。
センチネルゴーレム弐式相手に牽制攻撃を繰り返し、MPバーの消耗は相応にある。
でもこのまま連れて行こう。
念動でセンチネルゴーレム弐式を転がす事も出来るしな。
但し壱式は無理だったみたいだ。
そこは考慮すべきだろう。
ティグリスはかなりMPバーが消耗している。
長く風伯変を使っていた事が影響していた。
それはストランドも同様だ。
鬼竜変でセンチネルゴーレムを削り続けていたのだから当然だ!
ナインテイルと逢魔は交代させるのに微妙な所だけどね。
ここは安全策を採ろうかね?
ストランドのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1ポイント分のステータスアップは器用値を指定しましょう。
ストランド 青竜Lv66→Lv67(↑1)
器用値 40(↑1)
敏捷値 80
知力値 39
筋力値 80
生命力 98(↑1)
精神力 39
スキル
噛付き 巻付 受け 回避 空中機動 水中機動
水棲 飛翔 物理抵抗[大] 魔法抵抗[中]
自己回復[中] MP回復増加[中] 霊能 熱感知
気配遮断 魔力遮断 猛毒 時空属性 光属性
闇属性 土属性 水属性 木属性 耐即死
毒無効 鬼竜変
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『逢魔』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
やはり逢魔もレベルアップしたか。
ある意味、センチネルゴーレムは狙い目だ。
夜だから集られるような心配も少ない。
壱式は少々タフに過ぎるが、そう時間を掛けずに仕留められる。
それだけの実績がある。
弐式も連携されたら問題があるけど、元々が巨躯で動きは鈍い。
各個に撃破出来る。
ある意味で、釣りだな。
撒き餌に反応してくれたら疑似針に引っ掛かってくれるのと一緒だ。
こっちに襲い掛かってくれる事に期待しよう。
逢魔のステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
逢魔 闇鬼狼Lv66→Lv67(↑1)
器用値 50(↑1)
敏捷値 104
知力値 65
筋力値 49
生命力 50(↑1)
精神力 49
スキル
打撃 蹴り 回避 受け 投げ技 関節技
噛付き 疾駆 跳躍 軽業 裂帛 呪詛
反響定位 隠蔽 追跡 夜目 精密操作
気配遮断 魔力遮断 自己回復[中]
物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
変身 時空属性 光属性 闇属性 火属性
風属性 土属性 水属性 雷属性 溶属性
暗闇 沈黙 耐暗闇
では、夜通しで戦力を削ぎに行こう。
布陣はどうする?
ヴォルフを残して全員帰還だ。
ノワール、ロッソ、雪白、濡羽を召喚しましょう。
緑のドームには残存兵力が集結している筈だ。
眠れると思うなよ?
少なくとも朝まで、付き合って貰います!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv196(↑1)
職業 サモンメンターLv85(召喚魔法導師)(↑1)
ボーナスポイント残 34
セットスキル
小剣Lv157(↑2)剣Lv155 両手剣Lv154 両手槍Lv156
馬上槍Lv161 棍棒Lv156 重棍Lv156 小刀Lv156
刀Lv160 大刀Lv161 手斧Lv154(↑1)両手斧Lv154
刺突剣Lv157 捕縄術Lv158(↑1)投槍Lv162
ポールウェポンLv162
杖Lv177 打撃Lv186(↑1)蹴りLv186(↑1)関節技Lv185
投げ技Lv185 回避Lv194(↑1)受けLv194(↑1)
召喚魔法Lv196(↑1)時空魔法Lv181 封印術Lv180
光魔法Lv179 風魔法Lv179 土魔法Lv179
水魔法Lv179 火魔法Lv179 闇魔法Lv180(↑1)
氷魔法Lv179 雷魔法Lv180(↑1)木魔法Lv179
塵魔法Lv179 溶魔法Lv179 灼魔法Lv179
英霊召喚Lv6 禁呪Lv181(↑1)
錬金術Lv161 薬師Lv43 ガラス工Lv45
木工Lv81 連携Lv169(↑1)鑑定Lv139 識別Lv162(↑1)
看破Lv134(↑1)保護Lv20 耐寒Lv156
掴みLv170 馬術Lv169 精密操作Lv170
ロープワークLv100e 跳躍Lv171(↑1)軽業Lv172
耐暑Lv80e 登攀Lv76(↑12)平衡Lv172(↑1)
二刀流Lv166 解体Lv139 水泳Lv132
潜水Lv132 投擲Lv171(↑1)
ダッシュLv169(↑1)耐久走Lv169(↑1)追跡Lv166(↑3)
隠蔽Lv153(↑3)気配察知Lv169(↑1)気配遮断Lv168(↑1)
魔力察知Lv169(↑1)魔力遮断Lv163(↑3)暗殺術Lv170(↑1)
身体強化Lv167 精神強化Lv167 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv170(↑1)
魔法効果拡大Lv166(↑1)魔法範囲拡大Lv166(↑1)
呪文融合Lv166
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e 全耐性Lv108
限界突破Lv56 獣魔化Lv83
基礎ステータス
器用値 74(↑1)
敏捷値 74(↑1)
知力値 110
筋力値 73
生命力 73
精神力 110
召喚モンスター
ナインテイル 白狐Lv66→Lv67(↑1)
器用値 41(↑1)
敏捷値 96(↑1)
知力値 85
筋力値 40
生命力 40
精神力 85
スキル
噛付き 回避 天駆 空中機動 天啓 霊能
霊撃 夜目 MP回復増加[極大] 魔法抵抗[大]
物理抵抗[中] 自己回復[小] 時空属性
光属性 闇属性 風属性 水属性 土属性
氷属性 木属性 耐即死 耐混乱 耐魅了
陽炎
ティグリス 白虎Lv66→Lv67(↑1)
器用値 36
敏捷値 109
知力値 36
筋力値 83(↑1)
生命力 83(↑1)
精神力 36
スキル
噛付き 引裂き 回避 疾駆 跳躍 追跡
裂帛 霊能 天啓 強襲 隠蔽 夜目 気配遮断
魔力遮断 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 風属性
共振波 高周波 耐混乱 耐石化 耐即死
風伯変
ストランド 青竜Lv66→Lv67(↑1)
器用値 40(↑1)
敏捷値 80
知力値 39
筋力値 80
生命力 98(↑1)
精神力 39
スキル
噛付き 巻付 受け 回避 空中機動 水中機動
水棲 飛翔 物理抵抗[大] 魔法抵抗[中]
自己回復[中] MP回復増加[中] 霊能 熱感知
気配遮断 魔力遮断 猛毒 時空属性 光属性
闇属性 土属性 水属性 木属性 耐即死
毒無効 鬼竜変
逢魔 闇鬼狼Lv66→Lv67(↑1)
器用値 50(↑1)
敏捷値 104
知力値 65
筋力値 49
生命力 50(↑1)
精神力 49
スキル
打撃 蹴り 回避 受け 投げ技 関節技
噛付き 疾駆 跳躍 軽業 裂帛 呪詛
反響定位 隠蔽 追跡 夜目 精密操作
気配遮断 魔力遮断 自己回復[中]
物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
変身 時空属性 光属性 闇属性 火属性
風属性 土属性 水属性 雷属性 溶属性
暗闇 沈黙 耐暗闇
モジュラス アラクネダッチェスLv65→Lv66(↑1)
器用値 75
敏捷値 74
知力値 75(↑1)
筋力値 35
生命力 35
精神力 74(↑1)
スキル
噛付き 弓 捕縄術 回避 掘削 振動感知
反響定位 熱感知 夜目 気配遮断 魔力遮断
奇襲 追跡 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[極大] MP回復増加[大] MP吸収[中]
出糸 罠作成 縫製 吸血 時空属性 光属性
闇属性 風属性 土属性 水属性 氷属性
変化 毒 麻痺 魅了 耐石化 耐魅了
清姫 白蛇姫Lv65→Lv66(↑1)
器用値 58(↑1)
敏捷値 87
知力値 58(↑1)
筋力値 57
生命力 57
精神力 57
スキル
剣 弓 小盾 噛付き 巻付 回避 受け 夜目
遠視 匂い感知 熱感知 反響定位 気配遮断
魔力遮断 変化 奇襲 跳躍 軽業 自己回復[中]
物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[中]
MP吸収[中] 吸血 暗殺術 時空属性 光属性
闇属性 火属性 土属性 溶属性 猛毒 沈黙
魅了 耐魅了
出水 デモンズアポストルLv65→Lv66(↑1)
器用値 52
敏捷値 103
知力値 67(↑1)
筋力値 46
生命力 46
精神力 67(↑1)
スキル
噛付き 捕縄術 打撃 蹴り 投げ技 関節技
飛翔 浮揚 回避 受け 呪詛 空中機動
水中機動 水棲 広域探査 夜目 反響定位
魔力遮断 捕食吸収 物理抵抗[大] 魔法抵抗[中]
自己回復[大] MP回復増加[中] 変化 時空属性
光属性 闇属性 土属性 水属性 耐混乱
耐沈黙 呪眼
召魔の森 ポータルガード
ジェリコ、リグ、クーチュリエ、極夜、雷文、守屋、スーラジ
久重、テフラ、岩鉄、虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック
オーロ、プラータ、タペタム、風花、ムレータ、酒船、コールサック
シュカブラ、シルフラ、葛切、スコヴィル、デミタス、白磁
マラカイト、パティオ
睡蓮洞 ポータルガード
ロジット、エルニド、魂振、セノーテ、呼子、明石




