2 すごすぎる世界
担任との話が終わり、それに授業も終わっていた。
本当に50分間話しっぱなしだったようだ。
俺でもびっくりだ。
俺は、教室へ戻る。そして、自分が学ぶ学問の教室へと行く準備をしていると、明石がやってきた。
「どうしたの? 授業に参加してなかったからびっくりしたよ」
「ちょっと担任と話していてな」
「それで何の話をしていたの?」
明石は気になるという顔でこちらを見ている。
さすがに言わないのはまずいので、すべてを話した。
そうすると、明石は、
「それって本当の話だよな。凄いな。おれたち選ばれたということだろ。それに時空を超えてだと―――」
その件に関しては、俺もびっくりだ。
最初聞いたときは、さすがに理解できなかったが、今思うと、ものすごいことなのかもしれない。たぶん。
だけど、それが吉と出るか凶と出るかは自分次第だろう。
それこそが、試練。
それに、選ばれたということは危険があるということ。ゲーム内でたとえると、あり得る光景。
選ばれた奴ほど狙われるのが、普通の考え方。だから、俺らは警戒をしていなければいけない。
この学園町が案勢とも言い切れないからだ。
それにいつ、攻めてくるかどうかも分からない状態で、落ち着いてはいられない。
その部署に配属になるのだから、何かしらやるべきことがあるはずだ。
それが普通のことなのだから。だけど、その辺はよくわからない。
だけど、そのような気がした。
明石は、それを誇りに思ったみたいだ。
だけど、俺は警告した。あまり明かすなと……。
午前の授業が終わり、昼になった。
この学校には学食とコンビニがある分、困ることはない。それに、ジュースでおなかがいっぱいになるものが存在する。
それは、500ml入っているが、それをすべて飲むと脳が刺激されて、満腹と感じるらしい。だから、太らないというもの。それにすぐに補給できるということで、人気だ。
俺はこれをとるために毎日頑張っている。
この飲み物はすぐに完売してしまう。
それだけ、この時代でも高性能だということだ。
それに比べて、俺の時代はこの時代とは比べ物にならないくらい、技術が進んでいないように感じるが、それ時代があるからこそ、今がある。
バカな俺でもわかること。それに、本当はバカじゃないのかもと思うときもあるが、それはこの時代で半年は過ごさないとわからないだろう。
それで俺はこのジュースを買うことはなく、弁当を食べていると、なんか不思議な気分になった。
弁当は普通は手作りなのだが、この時代になると冷凍食品を超えたものがある。
それは普通の料理を弁当として持って行けることだ。
それはどういう意味かと言うと、弁当箱にはタイマーが付いていて、食事の時間をセットしておくと、その時間に本場の料理を食べることができるということ。
だが、専用の食品だが、普通に食べているようにおいしい。
俺がここにきて、よかったと思った瞬間だった。
昼休みが終わり、午後の授業がすべて終わって、終礼後の放課後。
何か俺が見たことがないものがあった。
それは空中に浮いている。
何かと思うと、インターネットを開いていた。
――これがこの時代のパソコンなのか。凄すぎだろ。
俺は驚きを隠せなかった。それに、どうやって作られているのかが気になった。
だけど、それを聞く勇気は俺にはなかった。
俺は、教室へ出て、玄関で靴に履きかえて、タイムカードを下駄箱にかざして、校門へと来た。ここからバスに乗って寮に帰るわけだが、さすがに何か女の友達を作りたいななんて思ってしまった。
だけど、そんな簡単にできないと思った時だ。
俺は見覚えがある女がいた。それは、どう見ても中学にいた七草由美香じゃないかと思ったが、ここは2050年ともあり、俺と同じ展開はないかと思って訪ねる。
「ねぇ、そこの君。君って七草由美香?」
女は少しためらいながら、
「そうですけど、どちら様?」
「俺だよ、高崎とおる」
由美香は頭をかしげた。
「誰でしたっけ。私は見覚えがないのですが……」
俺はおかしいと思った。
2050年に同じ名前でいるのかと。
だけど、こんな話を聞いたことがある。
世界には、同じ名前の人間ですべていっしょが3人はいるということらしいのだが、本当かどうかまではわからない。
だから、この人物が俺の年代の人なのかはわからない。
すると、後ろからなんかやってきた。
「高崎とおる君。ちょっと来てくれる」
「なんですか」
俺はびっくりだった。見たことある人物が目の前に存在しているからだ。
こいつも同じ中学だったのだが、俺よりも年上になっている。
それに、美人だ。
男なら惹かれてしまうだろう。
俺はそんなことを思ってはダメだと正気に戻した。
「ちょっと来てほしいところがあるのだけど、大丈夫かしら」
「大丈夫ですよ」
俺は即答した。
そんなわけで、その七草はどうなのかはわからないが、いつか明らかになるだろう。
と言うことで、俺はその美人についていくことにしたのだった。




