吾輩はこうして名古屋にきたのである
吾輩は豆柴である。
名前は律である。
ネーミングセンスのない姉上殿と、新生活満喫中なのである。
そろそろ、なぜ吾輩が主殿と離れ、名古屋に引っ越してきたのか?についてお話したいと思うのである。
吾輩の主殿は、姉上殿の妹君である。
主殿は結婚を前提にお付き合い、同棲していた男がいたのであるが、なんとそやつ、浮気していたのである!
しかも5股!
「仕事が忙しくてなかなか家に帰れない…」なんて言っておきながら、女のところを渡り歩いていたのである。
なんとも許しがたき悪行!
浮気がばれて見苦しく言い訳する男に対し、「そんな男、こっちからお断りよ!」と啖呵を切って即日家から叩き出したのである。
わが主ながら天晴、である。
そして、そんな家に長く住むのも辛いと引っ越しを決意。
これまでは男が家賃を半分負担していたので、ペット可の物件でも問題がなかったのである。
しかし、都内で一人暮らしかつペット可の物件というのは、家賃も初期費用もなかなか高いもので…。
主殿は吾輩を実家に預けることにしたのである。
「ひよちゃんともお別れなのは寂しいけど、国家試験も迫ってるし…」
主殿は看護師を目指されているのである。
人を助ける尊い仕事ゆえ、吾輩も涙を飲んで主殿との別れを決意したのである。