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吾輩、ストーキングされているようである。
吾輩は豆柴である。
名前は律である。
母上殿ほどはじゃれてくれないが、それなりに遊んでくれる姉上殿と、新生活満喫中である。
どうも吾輩、ストーキングされているようである。
振り向けば奴がいる!というやつなのである。
保護色のつもりなのか知らないが、吾輩と同じ毛色をしているのである。
そんなことをしても吾輩にはバレバレなので、まったく意味はないがな!
今日こそは"がぶり"とやってやる!
と思うのであるが、なかなかうまくいかないのである。
奴め、逃げ足が速いというか、吾輩が"がぶり"といけないギリギリの距離を保つのである。
なんて小賢しい!
そんなこんなで、うがうがやっていたら姉上殿からこんな声がかかったのである。
「律、自分のしっぽに向かって何してるの?」
恥ずかしさをごまかす為に、思わず姉上殿にじゃれついてしまったのは、ここだけの秘密なのである。
犬って自分のしっぽに向かってじゃれつきません?
あれ、分かっててやってるんでしょうかねぇ。