第1章 二人の赤ん坊
これは 実質はプロローグみたいな物です。
まだまだ未熟なので、おかしいところがあると思いますが多目にみてください。
変な所は評価で指摘して貰えると嬉しいです。
出来る限りは直していきます。
暗い夜道を男は走っている。
手には二人の赤ん坊を抱き抱えている。
男は走り続ける。
しかし何時までも走り続けられる筈もなく息を切らして立ち止まってしまう。
男は焦っていた。
足音がだんだん近付いて来る。
何処か隠れる所はないのか辺りを見回す。
あった。
後ろを見る。
追ってはまだこっちを見つけてはいない。
悩んでいる暇はなかった。
男は荒れ果てたボロ小屋に飛込んだ。
予想外にも女がいた。
暗く顔は良く見えない。
男の顔がこわばる。
声を上げられたらバレてしまう。
しかし女はそうしなかった。
女が静かに問いかけてくる。
「あなたは何故焦っているのですか?」
その声は何故か男を安心させた。
「追われているからです。」
男は返事をした。
男は久しぶりに声を出した気がした。
「何故 追われているのですか?」
女の声は男の緊張をほぐしていった。
男は話した。
何故追われているかを男がなにをしたかを。
女は黙って聞いていた。
知らぬ間に夜が明けていた。
女は美しかった。
女の髪は細く小麦色で陽光を反射して光っていた。
眼は大きく、髪と同じ色をし男を見つめていた。
男は暫し見とれていた。
我に帰った男は赤ん坊達を差し出した。
「この子達を預かってはくれまいか?
この子達は我々の希望なんだ。
奴らに奪われる訳にはいかない。」
何故か男はこの女に任せれば大丈夫だと思った。
女が静かに頷くのを確認すると男は微笑んで去っていった。
残された女の腕の中では髪の色が銀と赤の同じ顔をした二人の赤ん坊が眠っていた。