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僕と街と怪しい2人 その②



食事の後、案内がてら今居る建物を案内してもらう。



さっき迄いたところが2階で、1階はエントランスくらいしか見る所がなく、省略。


階段で上へと上がっていく。



一応、エレベーターもあるが腹ごなしついで、と、階段での移動だ。



因みに2階はスギさんのスペースで待合室、診療室、簡易的な手術室、プライベートルーム(給湯室あり)、他は物置になっている。



3階は、入院者用の大部屋が2部屋と、個室が2部屋、共同トイレ、シャワールーム(故障中)、物置部屋(リネン室)となっていて、ついでに此処で清潔なタオルとシーツ、毛布を拝借した。



4階は昔、個人事務所が入っていたそうだが、今は使われていないとの事。

(3〜4階は普段使われていない為、電源を落としてるそうだ)



そして、5階が全部ダイチさんのプライベートスペースになってるらしい。


とは、言っても実際に使っているのはフロアの半分だけで、大きめの部屋を2つぶち抜いて、バスルームを後から追加したんそうだ。



部屋に入ると、壁紙は全体的にくすんだブルーグレーで、良く見ると薄くストライプのラインが入っていて落ち着いた雰囲気。


天井は黒かと思ったら濃紺で、入口の照明は何故か裸電球だった。


入ってすぐ正面にバスルームがあり、『ぶち抜いた』と言ってた部屋へと続く。


部屋の中ほどに大きな焦げ茶のソファーが窓を向くように鎮座しており、そのすぐ側にアンティークの小さなサイドテーブルとライトが置かれている。


左側にはコンパクトなバーカウンター、更に奥が1段高くなっており、段差上の奥に衝立とベッド。



ぱっと見た感じ、家具が少ないせいか散らかってる印象は無いが、綺麗でもない。


バーカウンターの上に乱雑に置かれた酒瓶とグラス、そこかしこにあるホコリ、衝立から垂れ下がるタオル・・・


コンクリートの打ちっ放しだと思っていた床も、良く見たら大理石っぽいと、さっき気付いた。


僕が物珍しさから部屋をアチコチ見ているうちに、バスルームから湯船にお湯を入れる『ザアザア』いう音が聞こえてきた。




「とりあえず先に風呂入って来い!」



とタオルを渡される。



「ぁ〜っと、そうだ・・・着替えは?スウェットくらいならあるぞ?」



「確かリュックにTシャツなら入って・・・あった!」



「じゃあ、スウェット貸してやっから、んで湯の調整はここ、シャワーはここ、脱いだ服とかタオルは脱衣場の・・・このカゴに入れとけ、明日、朝イチで洗っとく」



ダイチさんは使い方を一通り説明すると、部屋を出て行った。

どこかへスウェットを取りに行ったんだろうか?僕はありがたく、お風呂を堪能させて貰うことにした。


砂埃で全身ザリザリな僕は、隅々まで洗いまくってユックリ湯船に浸かった。

風呂を出ると濃いグレーのスウェット上下がちゃんと準備されてた。


下は裾を太めに5回ほど巻き、紐を結んで何とか履けたが、上は大きすぎたので自分のTシャツの上から羽織る様に、たすき掛けの要領で袖を前で結んでみた。


左腕と背中が隠れて温かい、右腕は丸出しだから多少肌寒いが、動きやすくて中々良い感じだ。



「お風呂ありがとう御座いました。」



ダイチさんは丁度バーカウンターでお酒をグラスに注いでるところだった。



「おぉ、やっぱそれ大きかったか?(笑)お前はベッドに寝ろ、俺は此処に寝るから」



そう言うと、グラスを持ったまま器用にソファーに寝転がる。



「いえ!僕ソファーで大丈夫です!ダイチさんはベッド使って下さい!」



「でもお前、無理してないか?つい数時間前まで意識無くしてたんだぞ?」



「目が覚めてスグは頭痛かったけど、ご飯食べたら治ったし、今はどこも痛くないし!」




ヨイセッ!と軽く勢いをつけ、身体を起こし僕を疑わしげにジッと見つめてくる。




「今夜一晩だけだし、ほんとに大丈夫です!」




「・・・分かった、だけど何かオカシイと思ったら必ず声かけろよ?」



「はい!!」



良い人だ、この人、本当に・・・。それにスゴい!



アバラ2本折れてるんだよ?右上腕にヒビも入ってて、右太腿もかなり大きな打撲があるって・・・実はスギさんがコッソリ教えてくれてた。

スギさん曰く、『ダイチはカッコつけたいお年頃』らしい。




そうゆうのは良く分からないけど、気付かないフリしてあげるのが暗黙のルールなんだって・・・。




僕にはまだそうゆうのホント分からないな?




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