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僕とツバキの冒険? その①


基本ツバキはあまり喋らない。

しかし根気強く教えた結果。僕の事は【トシキにいに】ダイチは【ダイにいに】と呼ぶようになった。


少し離れた所でそれを羨ましげに見つめるオッサンもといスギさん、何だかウザいくらいに目をキラキラさせ仲間になりたそうにコッチを見ている。


僕は気付かないフリをした、ダイにいにはそれを見守っている。

見守って無いで助けて欲しい。


僕が目で訴えると仕方ないなとばかりに溜め息をつき、


「ツバキ、アッチのあの人の事も呼んでやれ〜。お前のことスッゴク心配してずっと看病してたんだぞ〜?」


ダイにいに、そっち方面のフォローは要らなかった・・・・・・。

絶対に面倒な事になる僕はそう確信した。


途端にスギさんがパアッと明るい顔つきになり僕達の方へジリジリと近づいてくる。


「ほ、ほらぁ、ここ怖くないよおう【スギにいに】って言ってみなさ〜い?」


オッサンが何か言っている。なんかハアハアしてるし同じ男の僕でも怖い完全に通報案件である。

スギさんが近づいて来る分僕はツバキを抱っこしたまま後ずさる。


「気持ち悪いので来ないで下さい!」「ヤーのッッ!」と僕とツバキのダブルコンボが炸裂する。


「ぎゃははははは!!【スギにいに】とか無理あるだろ!!!」ダイチがトドメを刺した。オーバーキルである。


そこじゃないよダイにいに・・・。僕は心の中でツッコミを入れた。

床に倒れシクシク泣くスギさんは可哀想には思うがあの行動はアウトである。僕でも恐怖を感じたのにまだ幼い(?)ツバキにはトラウマ物だ。


スギさんには悪いが常に半径2メートルほど離れて貰う事にした。


そうこうするうちに日が傾いてきた。

部屋の明りを付け僕は夕飯の支度をしようと立ち上がりダイチにツバキを預ける。


しかしスギさんは「食欲無いから夕飯いらない・・・」と診察室に引きこもりダイチはこの後出掛ける事にしたらしい夕飯も外で済ませてくると言い立ち上がる。

正直僕もそんなにお腹は空いてない。後から空くかもだけど今じゃなくて良い感じだったので助かった。


「また留守番させて悪いけど頼むな。」


一度は抱っこしたツバキを僕の背中に預け直すとそのまま出掛けようと部屋の出口へ向かうがピタリと立ち止まり


「そう言えば掃除用具が外にあったけど?」そう言われ思い出す。


「そうだった!掃除しようと思ってたんだけど・・暗くなったし明日にするよ」


「そっか、ならついでに中に入れとく」そう言って今度こそ本当にダイチは出掛けて行った。






************


僕とツバキはその後、休憩室で暫く遊んで(遊ばれて?)たんだけどどうにもツバキから匂う青臭い香りが気になりツバキをお風呂に入れる事にした。


僕の部屋にはお風呂が無いのでいつもダイチのを借りている。


一応スギさんに伝えてからダイチの部屋へ向かう。相変わらずツバキは僕の身体を這い回っているが慣れてきた僕はそのまま移動・・・顔の前に這ってきた時は一時停止し転ばないように気をつけた。


ダイチの部屋は相変わらず鍵は掛けて無くて出入り自由だ。


知らない場所に連れて来られたら警戒するかと思っていたツバキはそうでもなく虫っぽい動きを一時中断し部屋を見回している。


「ツバキここはダイにいにの部屋だよ。」そう言うとツバキは「ダイにいに?」と聞き返してきた。


「うんそうだよ。危ない物があるかもだから勝手にアチコチ触らないように気をつけようね?」


僕がそう言うとツバキはコクリと頷いた。


初めての場所だから安心させるために軽く部屋の中をぐるっとひと回りまわって見てからそのままお風呂場に向かう。


連れて来たもののお湯に入って大丈夫なのか?植物の性質に近いなら危険かも・・・そう考えた僕は洗面器にぬるめのお湯を溜めそれに僕が手を入れ反応を見てみる。不思議そうな顔をしているが興味ありげだ。


「ツバキちょこっとこのお湯にさわれるかな?熱かったら冷たくも出来るから教えてね?」


僕がそう言うとツバキは指先を水面に付けた。


「あちゅい・・」ちょっと涙目だ。


「あぁっゴメンネもっと冷たい方が良いんだね?」


僕は焦りつつかなり多めに水を足した、ツバキは恐る恐る指を付けると今度は一転ニコニコと嬉しそうにしている。


「おみじゅきもちーねー?」とはしゃぐ、僕はそれを見てホッと胸を撫で下ろした。


蛇口から出る水よりは若干温かい程度の温度がツバキの適温のようだ。一緒に入るのは無理そうだ。


僕は長袖とズボンをまくり上げ湯船の中ほどまで水を張り少しのお湯を足し、そこに恐る恐るツバキの足から入らせてみる。


「どうかな?大丈夫?」「・・・・きもちー・・・」


ツバキはよほど気持ち良いのか仰向けになり湯船に寝そべって顔だけ出して浮かんでいる。


僕はツバキの顔が沈んでしまわないように片手で首の後ろを支えもう一方の手でタオルを使い髪を撫でるように濡らしていく。ズルリ・・・何かが【抜けた】感じがした。


一瞬、髪が抜けたかとヒヤリとしたが違った。


髪だと思っていたその表面が【()けた】ようだ。糸状の深緑の何かがタオルで撫でる度に取れて水に浮かぶ。撫でるだけでは取り切れない事を悟った僕は一度ツバキを湯船から出して洗うことにした。


お風呂の椅子に座らせシャワーで流していく。もちろん温度は調整済みだ。

シャワーの水流だけでは全部取り切れず少し迷ったけどブラッシングしてからシャンプーを水で薄めて髪になじませシャワーで流してみたら上手く行った。


そのまま身体も洗いツバキはその間ずっとご機嫌だった。


四苦八苦しながらもツバキの入浴を終えタオルドライしていると


「まだ居るか〜?」ダイチが帰ってきた。


ここに居る事をスギさんに聞いて来たんだろうその手には風呂敷の包みがあり。中身は幼児向けの下着や服だった。




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