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僕の知りたいダイチの秘密 その③


2人はやや暫く話をしていたけど、そのうちにダイチさんが立ち上がった。


湯呑みを給湯室へ片付けに行くようだ。


そろそろ出掛けるのかも?

そう思った僕は1階まで静かに降りると外に出る。


1階は隠れる所がほとんど無い。

なので一度外に出るが外もあまり隠れる所が無い。


しかし少し離れた所に放置された粗大ごみ置き場がある。

いつもと同じならそっち方面に向かうはずなので隠れるならココしか無いだろう。


僕は急いでそこまでダッシュ、扇風機や椅子ボロボロの布団、引き出しの無いタンスの成れの果てだったりとにかくバリエーションが豊かなゴミ、何故か業務用らしき冷蔵庫まである。


一人で畑に行く途中に隠れ場所として目星をつけていた場所だ。


僕は迷わず壊れた鏡台の後ろに向かう。


隣に置かれたタンスがうまい具合に死角になり反対側には洗濯機が横倒しになっている。そこに大人には無理だけど僕なら難なく隠れる事が出来る隙間がある。


今夜はやけに月が明るいが僕が隠れて息を整えているうちに薄雲が月にかかり、うまい具合に闇に紛れることが出来ていたと思う。


割れた姿見の下その下にある隙間からそっと覗き見る。


余裕で間に合ったようだ。ビルの入口にダイチさんの姿はまだ見えない。


しゃがんで隙間から除くこの体勢はけっこうキツい。

長い時間待つのは避けたい・・・・。


「まだかな〜」


そんな思いから独り言が口から漏れる。

しかしそんな心配は必要ないようだ。さほど待たないうちに見慣れた人影がビルの入口から出てくるのに気が付いた。


ダイチだ。


急ぐでもなくポケットに手を突っ込んで歩いてくる傍から見た感じ散歩でもしている風だ。


僕は息を潜めてダイチが通り過ぎるのを待つ。


隙間から見える様子に変化は無い。


そのまま僕がいるゴミ置き場の前を通り過ぎるのを待った。


ダイチがピタッと足を止めた、僕の居る所から僅か1メートルほどしか無い。

ダイチがこちらを見る。



(バレた?!)



僕は生唾を飲み込む。

嫌な汗も出てきた。

心臓もバクバクと脈打ってるのが分かる。


こちら側へ一歩踏み出したダイチはポケットから両手を出すと髪をかき上げそのまま後ろに撫で付ける。

しかし少しぱさついた髪は思うようにならないようで更に何度か撫で付け、顔の角度を変えてこちらを見る。そのうち諦めたのか軽くため息をつくとまた両手をポケットに入れ歩きはじめた。


その後ろ姿が離れて行くそしてポツポツある住宅の何軒か先その角を曲がったのが見えた。


僕はホッと息をついた。


(バレたのかと思った!ただ割れた姿見で髪整えただけか!紛らわしい!)心の中で叫ぶ。


しかし、こうしては居られない。

すぐに後を追わなければ見失ってしまう。


急いでダイチが曲がった角へと向かうと、その路地の先を確認する為に一度足を止め電柱に隠れて様子を伺った。


居ない、何処かでまた路地を曲がったようだ。


更にその先の路地へと急ぎ探す巻かれたかと思い焦るけどその心配は無かった。2本先の路地を少し入った先に自販機があり何か買ってるようだった。


ダイチは買った箱の中身を取り出し口に咥えジャンパーのポケットから出したライターで火を着ける。

深く吸い込み白い煙を吐き出すとタバコの箱とライターをポケットに突っ込む。そしてもう一口吸い込むと、口に咥えたままタバコをふかしまた歩き始める。


ダイチがタバコを吸ってる所を初めて見た。


よほど前から吸っているのは手慣れた仕草から分かるがビルの中にも外にもタバコの気配は無く、吸わない人なんだと思い込んでいた。


その後も僕は物陰に隠れつつ後を付けた。






************

暫く後を付けたけど目的がある様には見えなかった。


(ただの散歩だったのかな?)


そう思い始めた時、不意に足を止めしゃがみ込んで何かを調べ出した。そして立ち上がると調べた跡を足で何度か払いまた歩き出す。


何か目的が出来たのかさっきより幾らか足取りが早い、足で払ったのが何なのか気になる所だが、ゆっくりとそれを調べる時間は無いようだ。


僕は払った足の跡を気にしつつダイチを追う。


所々で足を止めるダイチその度に足で何かを払っているようだ。


(何なんだろう?)


何か意味があるのか、全く分からず困惑する僕。そうするうちに見覚えのある場所に辿り着いていた。





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