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祭囃子と勇者。そして狼

「俺たちも混ぜてもらうぜ?」


「三度目の勝負だ!レイドボスさん!!」


「揃ったね・・・負けないよ」


「勇者」の横に立ち、話をしているサンラクを横目に俺は走り、レイドボスさんに突撃する。

今回は前までとは違いイベント報酬「餓狼惨牙」を使う。

膂力の向上と刀の耐久性から刀で攻撃を防ぐことができるようになるため、戦闘がやりやすくなる。


「レイドボスさんよ、今回は良い刀使うんでね、楽しもうぜ!」


横一閃。振るわれる「斬星竿」を走りながら身を屈め避ける。

勢いに任せ、首を目掛け突きを繰り出す、それを半身になり避けるレイドボスさん。

すかさず追撃で横へ刀を振るう。しかしレイドボスさんの刀がそれを弾く。

両者、共に距離を取る・・・刀は壊れてないな、流石はイベント報酬だ。

・・・ホントに当たりどころで初期の刀は「斬星竿」に一撃で壊されるからなぁ。


「良いね」


「一騎討ちやりたいんだが、今回は討滅戦なんでね」


レイドボスさんの背後を「勇者」とサンラクが斬りかかる。

瞬時に後ろを振り返り二人の攻撃を防ぐレイドボスさん。

チャンス。こちらに背中を見せたレイドボスさんへ走り、斬りかか


「・・・ッ!?」


刀を振り払うように体を回し、俺の顎を狙った後ろ回し蹴り。

瞬時に転がるように避けなければ、間違いなく顎を蹴り抜いていただろう。

・・・油断禁物だな。

振り抜いた足を地面に叩きつけ、遠心力によって威力を増した逆の足で、「勇者」へ回し蹴りを放つ。

刀を弾かれ、ガラ空きになっていた横腹へ食い込むように当たり、吹っ飛んでいく。

両足が地面につくと同時にサンラクへ一閃。

それを避けるとサンラクは、吹き飛ばされた「勇者」と参戦する機会を逃し様子を見ていた「吹雪狩」の居る方へ距離を取る。


「・・・どうしたもんかな」


レイドボスさんへの対処法を悩む中、レイドボスさんへ十本の針が投げられる。

針は全て刀で防がれたが、レイドボスさんの標的は、針を投げた「針千本」へと移り変わった。

次の針を投げようとする「針千本」は一瞬で距離を詰められる。

そのまま首を飛ばされ、「針千本」脱落。

・・・ランキング上位だろうが散るのは一瞬らしい。

未だ致命傷なしのレイドボスさん。

やるかしかない。

もし負けたら・・・後は任せたサンラク達。


「レイドボスさん。一騎討ち、しようぜ?」


頬が吊り上がるレイドボスさん。

今回も短期決戦で天誅しに行くぜ。

一瞬で距離を詰め、横へ振るわれる刀を屈んで避ける。そして足下へ刀を横に振るう。

それを跳んで避けるレイドボスさんへ、すかさず蹴りを放つ。

当たった蹴りはレイドボスさんを少し吹き飛ばす程度だ。


「・・・やるね」


「大したダメージ入ってないんだろ?」


初見殺ししか、レイドボスさんには通用しないことは前から分かっている。

技の量には自信があるんでね、今回も初見殺しを使っていこうか。

一歩、前に踏み込む。

レイドボスさんは未だ動かず、こちらの動きを見ている。

距離は次の一歩で「斬星竿」の届く距離になる。

二歩、「斬星竿」が閃く。

俺の首を狙って横へ振るわれる剣筋は空を斬る。

レイドボスさんは下へ視線を落とし以前の居合を警戒。

しかし、そこには灰狼の姿は無い。


「後ろがガラ空きだぜ?」


「っ!」


「天誅!!」


縮地により背後に回り込み、体を下から上へ斬り上げ真っ二つに。

する筈が、瞬時に横へ避けられたため、剣筋は左腕を断ち切る。


「腕一本のみ、か」


「惜しかったね・・・天誅」


右手で振るわれる「斬星竿」に首を飛ばされる。「灰狼」脱落。

一騎討ちでの討伐はまだ無理かぁ。

後は頼んだぜ、サンラク達。討滅戦を成功させてくれよ?






リスポーンした少し後、通りすがりの「銭鳴」ハルに出会った。

どうやら、サンラクと「勇者」によってレイドボスさんは天誅され、討滅戦は成功したようだ。

他のランカーはというと、「吹雪狩」は天誅され脱落。

「狂犬」は右手が使えないため終始観戦し、討滅戦後にサンラク達に天誅されたらしい。

「銭鳴」ハルは討滅戦の話を終えた後に雑談を少しし、その後無事に天誅されました。

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✕星斬竿 ○斬星竿
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