07話
「お前の部屋の隣が俺だからだよ!
ついでに言うと、
お前の部屋の向かいは
リオで、リオの隣がレオだ!
残りのメンバーは1つ下の
3階にそれぞれ部屋がある」
グレンがそう説明してくれた。
「えっ?そうなの?」
確かに、4階は私の部屋と
テラス以外に残り3部屋は
あった気がするけど....。
そう、1人で考えていると
「んだよ?もしかして
おれが、ロアンみたいな事
言うとでも思ったかー?」
不満そうに聞くグレン。
「いっいやー
そういう訳じゃないケド....」
私が目を逸らして言うと
「俺は、あいつほどの
女好きじゃねーよ!」
グレンは、やっぱり不満そうだ。
「ごめん。ロアンの後に
言うものだから、てっきり....
同じ事を言うのかと....」
私がそういうと
「んなわけあるかっ!
それになー俺にだって
選ぶ権利くらいあるだろ?」
そうグレンは、笑いながら
私をからかった。
「何それ?めっちゃ失礼っ!!
もう、1人で部屋に戻るから!」
私がそう怒っていると
「冗談だって!そんなに
怒んなよ!
ほら、まてって!」
そういって、結局
2人で部屋の前まで来てしまった。
「あしたな!おやすみ」
なんだかんだ、
優しく声をかけてくれるグレンに
さっきまで怒っていた事を
忘れてしまいそうになる。
「うん。おやすみ。」
そう、私が部屋のドアを閉めようとすると
ドアの隙間に手が
「何かあったり、困った事があれば
いつでも呼べよ!
とりあえず、今日はゆっくり休めな!」
それだけを言ってグレンは
自分の部屋へ向かった。
やっぱり、なんだかんだ
優しい人だと思った。
「ありがとう。おやすみグレン。」
ドアを閉めベッドのある寝室へ向かった。
さっきまでなかった
ネグリジェと手紙が1通添えてあった。
《姫華様へ
今日は、とてもお疲れかと思い
お風呂の準備をしてあります。
ドアのすぐ横の扉が姫華様専用の
お風呂となっております。
魔法でお風呂を温めてあるので
姫華様がお風呂を出られる時まで
一定の温度が保たれます。
どうぞ、ゆっくり疲れをおとりに
なってください。
後ほど、私達も後片付け後に
また、お部屋へお伺いします
アンナ エイミー》
そう、添えてあった。
確かに、今日は少し疲れた気がする。
とりあえず
お風呂に入ろうと重い
お風呂の扉を開けると
すごくいい香りがする。
湯船?と読んでいいのか
わからないほど大きい浴槽に
少し戸惑うが、せっかくなので
入ることに。
ゆっくり、疲れをとり
お風呂からでて、部屋にもどると
ちょうど、部屋のドアが
ノックされる。
“トントン”
「姫華様、遅くなってしまって
申し訳ありません。」
アンナが申し訳なさそうに言う。
「大変!姫華様、風邪をひいて
しまいます。早く髪を
乾かさなくては!
お部屋に入りますね!」
エイミーはすぐに部屋へ入ってきた。
「今、魔法で乾かしますね」
そういうと、エイミーとアンナは
魔法で髪を乾かしてくれた。
その後は、エイミーとアンナと
少し会話をして、ようやく就寝する事に
「おやすみなさいませ。姫華様。
新しいお召し物は、明日また
お持ちしますね。」
そういうと、アンナとエイミーは
速やかに部屋を出た。
私に気をつかって
くれたのだろう。
おかげで、あっという間に
眠りにつけた。
その日は、九条組の夢をみた。
翌日
目が覚めた。
「ふぁーーーぁー。」
あくびがでる。
寝室を見渡して
やはり、夢ではないんだと
再確認した。
いつまでもベッドにいても
仕方ないので起き上がり、
寝室を出た。
私の部屋は広く
1人だから余計に心細く
いろいろ考えてしまう。
九条組の夢を見たからか
みんなは、今どうしているか?
心配や迷惑をかけてしまって
いるに違いないと考えていると
“トントン”
部屋ドアのノックだ。
こんな朝から誰だろ?
そう、思いながらも
ドアを開けてみると....。