59話
「まったく、油断も隙もねーな!
だいたいお前も、隙がありすぎんだよ!
いい加減、自覚しろよ!
本当に、無防備すぎだからな!?」
グレンは、そう言い私に怒った。
「そんな事言われても...
仕方ないじゃない!!
それに、隙なんか作ったつもりないから!
今のは、たまたまビックリして
ロアンを、突き放せなかっただけで
別に、グレンに助けて貰わなくても
自分で、どうにかできたよ!!」
私は、怒られた事で
グレンに、少し強めに言い返してしまった。
「ふーん...なら、突き放してみろよ。」
グレンは、そう言い
私の手を引き、抱き寄せて、顔を近づけた。
「ちょっ!ちょっと!
いきなり何してんの?!」
いきなりすぎて、ビックリしていると
「突き放せるんだろ?やってみろよ!」
グレンはそう言い
さっきより顔を、近づけてきた。
このままだったら、
キスしてしまう距離だったので
私は、顔を下に向け、
必死に、突き放そうとするけど
ビクともしない。
「バーカ!これで分っただろ?
お前は、隙があるし
男の力は、簡単にどうにかなんて
出来ねーんだよ!!」
グレンは、そう言い私を離してくれた。
「...ごめん。」
私が、そうグレンに謝ると
グレンは、優しく微笑んで
頭を撫でてきた。
“バン”
仮眠室の扉が、勢いよく開く。
「姫華様!こちらに居らしたんですね!
姿が見えなかったので、心配しましたよ!」
エイミーがそう言い、
アンナと2人で、仮眠室へ入ってきた。
「ごめんね、昨日の夜
結局寝れなくて、ジーク先生の
手伝いをしていたんだけど
途中で、寝てしまって
私が、寝てしまったせいで
エイミーとアンナのいる部屋を
無断で、開ける訳にも行かなくて
ここに、運んでくれたみたいで
私も、さっき起きたから
隣の部屋へ行こうと思ってた所だったの!」
私は、そうアンナとエイミーに伝えた。
ジーク先生が隣で寝てた事、
ロアンと、グレンが悪ふざけをした事は
エイミーなら、ともかく
アンナは絶対に怒ると思うので
黙っておく事にした。
「そうだったのですね?
でも、夜は、ジーク先生と
二人っきりだったのですか?
それから、姫華様が寝ている間
皆様も、寝ていたのですか?」
アンナは心配なのか質問をし続けている。
「二人っきりじゃねーぞ!
俺もいたし、後からロアンも来たからな!」
グレンは、そう言い
私の顔をみて、軽く頷いた。
アンナが、私を心配するのが
分ったらしく、そう誤魔化してくれた。
「姫ちゃんや、みんなが寝ている間
僕が、ずっと起きて見張ってたから
アンナが心配するような事は
一切ないと思うよ!」
ロアンも、あえて
ジーク先生が横に寝てた事などは
触れずに、アンナに話してくれた。
「そうですか!それなら安心です!」
アンナは、そう言い納得してくれた。
私達が、一安心していると
「ん?今何時た?」
そう言って起きて来たのは、ジーク先生だ。
「おはようございます!
昨日は、先に寝てしまってごめんなさい!」
私がそう、ジーク先生に言うと
「ふぁーーー!
いいって!別に気にすんなよ!
むしろ、あの時間まで手伝いありがとな!
さて、そろそろ帰る支度して
邸に、帰るかっ!」
ジーク先生のその一言で
みんな帰る支度を始めた。
私も、その間に帰る支度と
軽く仮眠室の片付けをした。
「あっ!そういえば、今日帰るなら
サラに、一通手紙を書きたいんだけど
いいかな?」
私が、そう言うと
「姫華様の準備は終わりましたから
手紙を書いてていいですよ!」
アンナが、そう言ってくれたので
私は、サラに手紙を書いた。
邸に帰る事と、また、病院に来る際は
声を掛けに行く!と、書き
今度、街に出る時は
お揃いのワンピースを着て
街を案内してほしい!と、書いた。
「帰る準備、終わったよ!」
そう、ロアンが言い
グレンと2人で荷物も持っていた。
「よし!なら帰るか!」
ジーク先生がそう言い
みんなで、馬車がある所まで行き
馬車に乗り、邸の方へ向かった。
途中、サラの家の前に寄ってもらい
私は、先程書いた手紙を
郵便受けの中に入れた。




