56話
私は、グレンと顔を見合わせた。
「悪いが、俺から言わせてもらうぜ!
事情は、知らねーが
さっきから聞いていれば
あんたさ、自分の事しか考えてないだろ?
本気で好きなら、相手の気持ちも
尊重すべきじゃねーのかよ?
それとも、あんたの好きは
相手の気持ちを無視してまで
自分の気持ちを押し付ける事なのか?」
怒ってはいるが、どこか冷静なグレンが
そう彼女へ言うと
「なっ!!別にそんなつもりはないわよ...。
ただ、私の気持ちも
分かって貰いたくて...。」
彼女は、そうグレンに言い返していたが
ジーク先生と言い争っていた時の勢いは
無くなっていた。
「あのー...1ついいですか?
あなたが、ジーク先生を
好きな気持ちは、分かりました。
でも、ジーク先生の気持ちも
聞いてあげてもらえませんか?
内容は、詳しく分かりませんが
どんなに、傷ついても
あなたと友達に戻る事を
ジーク先生は、選んだんですよね?
その、ジーク先生の優しさに
あなたは、気づかなかったんですか?
今は別れていても、すべてが
嫌な思い出だけでは無かったから、
友達に戻って、同じ職場で
働いてきたんじゃないでしょうか?」
私が、彼女へそう言うと
「あんたまで何なの?
あんた達には、関係ないじゃないッ!
これは、私達二人の問題よ!」
グレンの時とは、違い
私が言った事で、彼女は逆ギレをしてきた。
「確かに、お二人の問題なのに
出過ぎた真似をすみません。
でも、気づきませんでしたか?
あなたが、自分の気持ちだけを
押し付けている間、ジーク先生は
すごく悲しそうな顔をしていましたよ?
あなたへ、本気で縁を切ると
言っていた時だって
すごく辛そうな顔をしていましたよ?
ジーク先生が、あなたの一言一言で
嫌な事を、思い出したりしていた
かもしれないし...
本気で縁をきると、言いたく無かった
かもしれませんし...
どんな気持ちで
あなたの話を聞いていたか、
なんで、あんな顔をしていたのかは
ジーク先生にしか、分からない事です!
だから、ジーク先生の話も、気持ちも
聞いてあげてください!
好きなら、あんな辛そうな顔を
させないでください!
あなたは、好きな人の笑顔より
辛そうな顔や、悲しい顔を見たいですか?」
私が、そう彼女へ言うと
彼女は、黙ったまま、立ち尽くしていた。
「......ごめんなさい、ジーク」
彼女は、少し涙を流しながら
ジーク先生へ謝ってくれた。
「悪いけど、カミラと
少し、外で話してくる。
後、グレンも、姫華もありがとな!」
ジーク先生は、そう言って
私達二人の、頭を撫で
彼女と診察室から出て行った。
「全く世話がやけるぜ!
それに、もう目が覚めたから
完全に眠れねーじゃねーか!」
グレンは、そう言い
ジーク先生のイスに座った。
「そんな事言わないの!
どんな答えを選んでも
ジーク先生が、笑顔でいられる
答えならいいね!」
私は、そう言いながら
グレンの横にある、イスに座った。
「...そうだな。」
グレンは、ボソッと小声で
そう言っていた。
「フフっ、こんな時は素直なんだー?
勝手に、不仲なのかな?って思ってたけど
なんだかんだ、仲がいいんだね!」
私がそうグレンに言うと
「うるせー!別にそんなんじゃねーよ!
俺はただ、あの女がムカついたから
文句を言っただけだし、
辛気臭い顔を見るくらいなら
笑ってる方がいいと思っただけだ!」
グレンは、ジーク先生の事になると
急に、リオのように、
ツンデレぽくなるみたいだ。
“トントン”
診察室の扉が開く。
「グレンいないし、なんか声すると思ったら
2人だけで起きていたの?」
そう言って、診察室に
入ってきたのは、ロアンだ!




