49話
「少し、ここで休みながら話すか?」
ジーク先生は、そう言い
病院内の中庭のベンチに腰を下ろした。
私達も、ジーク先生について行き
ベンチに腰を下ろした。
「治癒魔法はな、体内に
魔力が流れていくものなんだ...。
例えば、風船に元々ある程度
空気が入っているとして、
その風船に、更に空気を入れ続けると
破裂するだろ?
それと同じで、体内に元々ある魔力に
さらに、魔力が入る事になるから
ニーナや、子供達、その他の
軽傷者や、症状が軽い人には
身体への負担が大きすぎるんだよ!
その点、重傷者や、症状の重たい人は
体力を、奪われている事が多いから
その分、魔力も少なくなっている事が
ほとんどなんだ...
だから、治癒魔法で体内に魔力が入っても
体の負担には、なりにくい。
だから、重たいと判断した人のみに
治癒魔法を使ったんだ!」
ジーク先生は、分かりやすく
説明をしてくれた。
「だから重傷者や、症状が重い人だけに
治癒魔法を使っていたんですね...。
あっ!そういえば!
聞きたかったい事があって
クリスに、治癒魔法を使った時は
ジーク先生のサポート有りでも
あんなに魔力を消耗したのに
症状が重い人や、重傷者の人達に
治癒魔法を使った時は
サポートが有りでも、無しでも
魔力の消耗が
あまり無いように感じました。
その理由が知りたくて...
ごめんなさい、なんか質問ばかりで...」
私がそう言うと
「そんなの気にするな!
分からない事は、どんな些細な事でも
聞いてくれた方がいいからな!
そうだな...魔法が原因での
ケガや、病気があるとするだろ?
それを、普通の治療法だと治りが遅いし
症状や、傷の具合によっては
助からない場合だってある。
それくらい、魔法道具や、魔力で出来た
傷や、病気は、治すのが
難しいと言われている。
だから、その分の魔力の消耗も
激しいんだ!」
ジーク先生にそう言われた私は
「そういえば、この間、似たような事を
レオが、説明してくれました。(30話)」
私がそう言うと
「そうそう!あの時に
1度だけ、軽く説明はしたけど
よく覚えていたね?」
話の流れで、軽く説明をした事を
私が覚えていたので、
レオは、ビックリしていた。
「とりあえず、魔力の消耗が
違ったのは、そういう事だからだ!」
ジーク先生は、そう言って
話を強引に、まとめていた。
「だから、急患で
ジーク先生の診察室に来る方は
魔力や、魔法、魔法道具が
原因の患者さん達って事ですよね?」
私がそう言うと
「まぁー基本は、そうだが
たまに、こっちから出向く事もあるけどな!」
ジーク先生は、そう言い
その後も、みんなやジーク先生と
他愛もない話をしていると
「ジーク先生ー!カミラ先生が
ナースステーションの方へ
来るように言ってましたよ!」
そう言って、中庭に来た男性は、
白衣を着ているし、多分、医師だろう。
「あっ!!わるい、忘れてた...。
病院内の案内とか、話していたら
すっかり忘れていたわ!
ドクター全員に、来月の予定を聞いて
調整しながら、軽くミーティングする
って言ってたな!確か...」
ジーク先生は、予定を忘れて
しまっていたらしい。
多分私が原因だと、思った私は
「ごめんなさい!私が色々聞きながら
歩いていたから、案内するのも
時間かかりましたよね?
ここに来てからも、質問ばかりで
本当にすみません。
もう行ってください!!」
私は、そう言い
全然、急ごうとしない
ジーク先生の背中を押した。
「君たちも、一緒に来たら?
ナースステーションの近くには
イスもあるし、それに
病院の案内をしていたんでしょ?
ナースステーションの横には、
病院内の見取り図あるしさ!」
ジーク先生を、迎えに来た
医師の方が、そう言うと
ジーク先生が、その意見に賛同したので
みんなでナースステーションの方まで
行く事になった。
“キャーー”
ナースステーションが見えて来るなり
黄色い声援が聞こえてきた。
「キャー!マフィアの人達よ!」
「ジーク先生も、久々に
ここまで来てくれてるー!」
「私、メイク直してくる」
看護婦さん達が、はしゃいでいる間に
ナースステーションの前に着くと
「ねぇー見てあの子!」
「あの噂、本当だったのかな?」
「えーショックなんだけど!」
何名かの看護婦さん達が
私を見てヒソヒソし始めた。
みんな、人気って聞いてただけに
視線がすごく痛い。
「こっちに来いよ!」
グレンは、そう言い私を抱き寄せた。
いきなりの出来事でビックリしていたら
“イヤー”“キャー”
ナースステーションから
悲鳴のような叫びが、次々聞こえてくる。
「小娘のくせに、離れなさいよ!!
一体、なんなの!あんた!」
そう言って私とグレンの前に来たのは、
入口で、会った看護婦さんだ。
「入口で、言ったよな?俺らのお気に入りって」
リオが、キレながら私達の前に立つ。
「やっぱ噂は、本当だったって事?」
「嫌だわ!ありえない!」
「全員のお気に入りって何?」
「あの子なんなわけ?」
「ただの、尻軽女でしょ?どーせ!」
「みんなに気に入られてるって
どんだけ寝たんだろうねー?」
小声だが、数名の看護婦さんが
クスクスと笑いながら、私を馬鹿にする声や
文句を言っている声が聞こえてくる。
それに、気づいたみんなが....




