47話
「そろそろ、話は済んだか?
今の所、副作用は、無いみたいだが
何かあれば、直ぐに病院に来るように!」
ジーク先生が、クリスにそう言い
「わかりました!何かあれば
受診しにきますね!」
クリスが、そう返事をすると
「って事で、元気になった患者は
診察室から出て、さっさと帰れ!
レオお前は、こいつを見送りながら
これを受付に渡してこい!」
ジーク先生は、そう言い
1枚の紙をレオに渡した。
「先生は、いつも俺に頼むよね?
たまには、リオに頼めばいいのに!」
レオが、ジーク先生に言うと
「しょうがねーだろ?リオは
愛想ねーし、何でもかんでも
ストレートに言いすぎるから
一部の看護婦から避けられてんだよっ!
その点、お前は愛想はいいし
看護婦達にも人気だからな!
頼んだぞ!レオ!」
そう言い、ジーク先生は
レオとクリスを診察室から追い出した。
「いいのかな?
あんな無理に追い出して?」
私が、そう言うと
「いいんだよ!レオはっ!!
あんな言い方していても
先生の手伝いを、
好きでやっているから!」
リオが、そう言ってきた。
「残った2人にも、手伝いがあるぞー!
次の患者が、来るかもしれねーから
魔法道具や、診察台を綺麗にするのを
手伝ってくれ!」
ジーク先生に、そう言われ、
3人係で、1つ1つ綺麗にしていった。
「そういえば、この世界は
魔法が使えるのに、治療以外の事は
魔法を使わないんだね?
担架で運んできた時だって
魔法で、運んだ方が楽そうだし
こうして、準備するのだって
魔法でやったほうが、早そうなのに!」
私がそう言うと、
「そりゃーそうする病院のほうが
ほとんどだろうし、このやり方は
俺が、決めた方針だから
ここの病院だけだろうな!
確かに、魔法は便利だけどな...
人の命を助ける仕事だから
手間暇かけてでも、丁寧にやりたいし
治癒魔法は、特別って言われてるけど
この魔法は、どんなにすごくても
俺たちは、神でもなんでもない。
世界中の人を、皆助けられる訳でもねー
それなら、緊急事態じゃない限り
目で見て、手で触れて
患者一人一人と、きちんと接したいと
俺は思ってるから、
こういうやり方なんだ。」
ジーク先生の言葉に、素直にすごいと思った。
いつも、いい加減な人に見えているだけで
実は、すごく誠実で、
優しい人なのかもしれない。
「カッコイイです!魔法のある世界なのに
そういう考え方って
とても、素敵だと思います!
神様になれなくても
世界中の人を助ける気で頑張りましょう!
私も、早く治癒魔法を完璧に使いこなして
ジーク先生のように
たくさんの人を助けたいです!」
私が、そう言うとジーク先生は
私の手を取り、強く抱き締めた。
「えっ?ちょっと!ジーク先生?」
私がそう言うと
「ありがとう。」
ジーク先生が、今にも
泣きそうな声でそう言うと
“バン”
「姫ちゃん、練習は進んだ?」
そう言って診察室に入ってきたのは
ロアンとグレンだ!
「おい!何してんだよ?
てめーは、また懲りずに」
グレンが、そう言いかけた途端
リオが、私達とグレン達の間に入り
今にも、殴りかかりそうなグレンを止めた。
「リオ、姫ちゃんをあの変態から
守るようにお願いしたよね?」
ロアンまで、すごく怒っている。
「安心しろ!先生は、あいつに
危害を加えてはいない。
訳は、後で説明する。」
リオが、ロアンにそう言うと
「どこからどう見ても、
危害を加えているけど?」
ロアンが、そうリオに言い返していたので
「まって!私別に何もされてないよ!」
私が、ロアンとグレンにそう言うと
「いや、今も抱きつかれたままじゃねーか!」
グレンが、そう怒って言うと
ジーク先生は、抱きしめるのをやめた。
「2人とも、庇ってくれてありがとな!
少し、廊下で頭冷やしてくるわ!」
ジーク先生は、そう言い
廊下へ出て行ってしまった。
その時、グレンとロアンも
いつものジーク先生では無い事に
気づいたようで、
2人で顔を見合わせていた。
その後、リオは2人に状況を
説明していた。
そして、私の所に来て
「あんたに、言われた事が
すごく、嬉しかったんだろうな!
ましてや、自分と同じ様に
人を助けたいって言ってもらえて
嬉しすぎて、抱きしめたんだと思う。
先生の方針に従う人間がいても
みんな、どっかで魔法に
頼ればいいと思っているし
魔法を使っても、使わなくても
人を助ける事には、変わらないと
思ってる奴もたくさんいる
方針だから、仕方なく
付き合ってるような奴しか居なかったから
先生は、あんたの言葉に
救われたんだと思う。」
リオは、そう言い
ジーク先生の話をしてくれた。
それを聞いた、グレンとロアンは
廊下へ出て行った。
私も、様子を見に行こうと
思ったが、リオに止められてしまった。




