04話
「お前の、それは
なんかの衣装なのか?」
私の着ている制服が
ずっと気になっていたらしい。
「制服だよ!この世界には制服がないの?」
そう私が、聞くと
「はぁ?!制服だと?!
俺らの世界にも制服はあるけど
こんな制服は見た事ねーよ!」
びっくりした表情でグレンは言った。
「俺達マフィアが着る制服も
王族の兵隊達の制服も
学校に来ていく制服も、全然違うぞ!
それに、お前達世界の制服は
動きづらそうじゃねーか!
その足に履いている
白いものは重そーだしよ」
グレンにとって、ルーズソックスは
珍しく見えるのだろう。
「そもそも、女がそんな生足だして
誘ってんのか?」
そう言うと、グレンは私の手を引いて
顔を近づけた。
「ちょ!? ちょっと!?」
「さっ 誘ってるわけないでしょ?」
あまりの近さにびっくりした。
「この白い物はルーズソックスって言って
靴下だよ!それに、重くないし、
私の世界では、女の子達がオシャレで
履いている事が、多いの!!
それに、スカートだって
これくらいの短さ普通なの!!」
私がちょっと怒りながら言うとグレンは
「はぁ?!こんなのが靴下なのか?
変わってんな!」
少しバカにしたような顔で私に言う。
「それに、やっぱりこんな
生足だしてりゃー、男の俺としては
ラッキーだな!」
グレンは、笑いながら言った。
「はぁー?!変態! グレンって実は
女の子めっちゃくちゃ好きそうだもね?」
私の、足ばかり見るグレンに
嫌味を言ってみた。
それに、私との距離感も近いから
女性慣れは、かなりしていると
思っていたからだ。
「そりゃー好きに決まってんだろ!
なんなら、いつでも相手してやるケド?」
微笑みながら私の、腰に手を回すグレン。
「ご遠慮します!」
そして、私はその手をどかし
少し距離をとった。
そんな、他愛もない話を
グレンとしていると
“トントン”
「グレン様、姫華様
お食事のご用意ができました。」
2人の綺麗なメイドさん?が部屋へきた。
「おう!そうだったな!
腹減ってるだろ?早く食いに行こーぜ!」
そういうグレンに戸惑っている私をみて
「はじめまして。姫華様
アンナ・グランと申します。」
「姫華様
私は、エイミー・レーミラ申します!
私達2人が本日から、
姫華様の侍女をさせていただきますね。」
2人の綺麗なメイドさんが丁寧に
ご挨拶をしてくれた。
「わるい!言い忘れてたな。
何かあれば、いつでも
アンナとエイミーにいえばいい!」
本来は、グレンが
先に話をしとく予定だったらしいが
忘れていたみたいだ。
もしくは、私が泣いたり、寝てたりで
話すタイミングが
無かったのかもしれない。
「アンナさん、エイミーさん
はじめまして。九条姫華です。
まだまだ、分からない事が多いので
いろいろ教えていただけると
助かります。
これから、よろしくお願いします。」
元々、九条組の時もお世話係はいたが
組の人だから、もちろん男の人なわけで
2人とも女性だなんて、
私としては、すごく嬉しい!と思い
ニコニコしていたら
「姫華様は、可愛らしいお方ですね。
私達のような侍女にも
こんなに笑顔を向けてくれるのですね。
それに、アンナさんはではなく
アンナでよいのですよ?」
「そうですよー!私達は
姫華様の侍女なんですから
エイミーさんではなく
エイミーって呼んでください!」
アンナさんは、少しお姉さん的な雰囲気で
エイミーさんは、可愛いらしい雰囲気の方だ。
どちらも、すごく優しい人達だと思う。
「そーだぞ!こいつに
“さん”づけなんかしていたら
こいつらが、メイド長に叱られるぞ!」
そう言う、グレンはどこか
ふざけているように見える。
もしかしたら、私が気を使わないように
言っているのかもそれないし、
本当かもしれないし....。
「....。
分かりました。では
アンナとエイミーと呼ばせていただきます!
侍女という立場かもしれませんが
いろいろ分からない身なので
私が1人の時だけでも
できれば、姉妹のように
接していただけたら嬉しいです」
考えてみれば、九条組のときも
お世話係の人が似たような事で
怒られていたのを思い出したので
アンナ、エイミーと呼ぶ事にした。