02話
「それはだな....。
この世界の古くからの
言い伝えが関係しているんだ!」
少し真面目な顔で話を始めるグレン。
「この世界は、4つの国に分かれている。
各国のマフィア組織は、
国の王に命じられて
100年に1度の魔力の持ち主を
召喚させるんだ。」
「えっ!まってまって。100年に1度の魔力?
私に魔力なんてある訳ないよ。
何かの手違いじゃない?」
慌てて否定する私にグレンはこう言った。
「いや、お前で間違いないよ!
魔法陣で召喚する場所は
間違えてしまったが、
召喚する魔法陣じたいは
間違えていないからな。」
グレン達の言う魔法陣とは
召喚の魔法陣を魔力で出し
それを囲うように召喚する場所の
魔法陣を魔力で出すらしい。
召喚の魔法陣や、
召喚する場所の魔法陣は
あらかじめ魔法で書き
手に着けている魔法道具に
インプットしているようで
今回も、魔法道具の中に
いくつか召喚場所を
インプットしてあったらしく
それが原因で、
間違えて海に召喚されたようだ。
砂に絵を描きながら
丁寧に説明をしてくれた。
グレンの説明は、
なんとなく理解できても
やっぱり私には、
魔力なんてあるわけがない。
そう思った私は
「でも、それなら召喚魔法も
間違いだったかも?」
私がそう言うとグレンは
少し笑いながら答えてくれた。
「それこそ、ありえねーな。
こういった特殊な召喚魔法は
1度使うと消えるからな!」
「....。」
無言で不安そうにしていた私に
グレンは優しく
微笑み頭を撫でてくれた。
「100年に1度、
各国に目覚めし力の持ち主を
魔法陣で召喚し国の平和を保つ!
これが、この世界にある
古くからの言い伝えだ
そして100年前も、その前も
お前たちの世界から
目覚めし力の持ち主が
この世界に召喚されてきた。」
不安そうな私のためか、真面目に
話をしてくれた。
「でも、それならどうして?
私達世界では、
その情報が一切ないの?
その話だって聞いた事ないよ。」
グレンの言うように、
本当に召喚されたとして
どうしてこちらの
世界の人は知っていて
私たち世界の人は
何も知らないのか
不思議に思った私は、
グレンに聞いてみた。
「お前達の世界と俺達の世界は
普段では絶対に、
交わらない空間にあって
いわば、パラレルワールド
みたいなものだな!」
「パラレルワールド?」
私がそういうと、グレンは頷きながら
会話をすすめた。
「あぁ!まー例えだけどな。
本来なら、
俺達の世界とお前達の世界は
交わる事は絶対にない!
ただ、俺達世界には魔法がある!
俺達世界は、
4つの国の王達の魔力で
世界全体が魔力で包まれている。
だから、空間のゆがみが
起きないようになっているし
お前達の世界に支障がないように
召喚魔法で呼び出しているから
お前達は何も知らなくて当然だ。」
何となくではあるけど納得はできた。
でも、私に力などある訳もないし
疑問は積もるばかりだ。
九条組のみんなに会いたい。
混乱や不安からか、
みんなの顔が頭の中でよぎる。
そんな私にグレンは...