偶発的覚醒
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「嘘だろ・・・笑」
何も、魔法陣どころか、煙すら出なかった。
フェンリルの前足はすでに地面を離れている。突き出された牙が俺の体に到達するのも時間の問題だろう
走馬灯が流れた。周りの景色は0.25倍速のように見える。だが、自分の体は思うように動かない。
フッと、自分の薄幸さを嘲笑した。
そうだ、どうせなら最後に、夢だったあの魔法を試してみよう。
さようなら、人生。もう一度生まれ変わったら、竜になりたいな。笑
「ウィ〇ガーディアム・レビオーサ」
俺は半ばあきらめながら唱えた。眼をつぶって、覚悟を決めて。
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いつまでたっても来ない衝撃を疑問に思い、目を開いた。
そこには
「キャウン!」
宙に浮いて手足をバタバタさせているそいつがいた。豆鉄砲を食らった鳩みたいな顔をして。
「へ?」
俺はというと、助かったという安堵よりも、混乱していた。
意味が分からない。なんで発動した?
森の出口まではあと40キロ、今から全力で走ったら何とかならなくもない。
だが、この魔法がどのくらい持続するか不明の今、もし次追いつかれたら流石に命はない。
そう考えた俺は、この哀れな宙吊り狼の前で魔法を練習することにした。
先ほどの浮遊魔法、守護霊出すやつ、使っただけで監獄にぶち込まれる殺人魔法などを試してみるが、今度は何も起きなかった。一回きりの特別サービスみたいなものだろうか?
この世界の魔法も試してみたがダメ。
なら日本語ならどうかと思い、陰陽師っぽい呪文を口にするが、勝手にシナト語に変換されてしまった。
ここで俺は思った。もしかして、これすらもチュートリアルなんじゃね?と。
あたかもイレギュラーが起きた的な状況だけど、俺がこの世界の魔法を使えないことを教えたかったのではないだろうか?
つまり、俺が使うべき言語は英語、それもオリジナル魔法でなければならないのだ。
そう気づいたとき、手元の荘厳な魔導書が眩く輝きを放った。閃光に堪え切れず、顔を背けた。やっと収まったと思い、手元に目をやると、そこには俺の慣れ親しんだ「パス単一級」があった。
当然俺はこう叫んだよ
「ふざけんなぁああああああああああああああ!」
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