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神殺しと呼ばれた男  作者: 鳴神
『《リヴァ》騒乱編』
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残留者2

一度、場に沈黙が流れた。


「ルー」


宿主が口を開いた。


「なんじゃ?」


全員の視線が宿主に注がれる。


「シフトから今回、この仕事の令が下されたみたいだが今ヨルダが言ったことは言っていたか?」


「いや、聞いておらん。ここに赴いてヴァンパイアを討伐しろとだけ言っておった。今となっては解せぬが、な」


「…いや、わざと《リヴァ》のこと伏せて俺らを試しただけだろう」


またか、というような態度で宿主が答えるとルーもまたやはりかと呟いた。


「わざと、ですか?」


なんのことかと言いたげにヨルダが我らに問いかける。


「ヨルダ殿、気にしないで下さい。

シフト卿はイースにとって父や師みたいなものでしてたまに嫌がらせのように任務を押し付けたり、必要な情報も与えずに放り投げてくるのです。

一応、修行らしいです。

…たぶん、個人的な嫌がらせなので気にしないで下さい」


ロイが宥めるかのように言っているが顔が笑っているように見える。


隠そうとしているが絶対笑っている。


「はぁ…」


そんなものかと、ヨルダは答えた。


「とりあえず一度戻ってシフト卿に報告しては、いかがですか?」


ロイはそこで一旦言葉をきった。


「ガルの…」


「話の途中すまない」


そこでくぐもった声が会話を止めた。


我らのいる部屋の隣部屋からガルが扉を開いて出てきた。


「どうした?」


宿主がガルの様子に眉をひそめながら口を開いた。


「俺の槍についているヴァンパイア、ギバザルトの血を調べた。

奴らの血を調べるとどの程度吸血していたか、どの種族を主に吸血していたのがわかるんだがどうやら《ロスト》も吸血していたことがわかった」


沈黙が流れ、宿主が最初に問いかけた。


「それは異常なのか?」


「俺が知る限り…聞いたこともない。

ヴァーリ族の本国でも恐らく知っているものがいるかどうかくらいの稀有な事例だ。

吸血できるのにしなかったか奴がなにか理由があってやったかはさだかではないが《ロスト》の血を体内に入れて、いくらあいつらでも異常をきたすはずだ。

それくらい《ロスト》と我らでは体の作りが違い過ぎる」


「シフト卿への報告が多くなりましたね…ガル。

このまま我らはシャインに戻りシフト卿へ報告に戻ります。

ヨルダ殿、報告後恐らく我らとは別に軍の派兵が予想されますのでご安心下さい」


「…重ね重ねてありがとうございます」


そう言ってヨルダは再度頭を下げ、ガルは無言で首肯した。


ギバザルトもあの傷ではすぐに動くことはないだろう。




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