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神殺しと呼ばれた男  作者: 鳴神
『《リヴァ》騒乱編』
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『始祖2』



タロンはグヴェン山脈に沿って西はマンテス海、東に長く伸びている領土。


前大戦では魔族達の重要拠点でもあったタロンは人口の九割を魔族で占められている。


西部は古くから港町として栄え、現在では数多くの商業で成り立っておりヴァンパイアハンターのギルド支部もある。


さらに前大戦で魔族と他種族の間で締結された多国間不可侵条約、『ザイード条約』が結ばれているがタロン南方と東方の国境付近にはシャインの軍が一部駐留している。


それでもタロンの西部地域はそれら東部、南部地域に比べれば平和そのものだった。


しかし、現在のタロン西部地域シルベリアはそれまで夜も眠ることの無かった街が今ではヴァンパイアの畏怖と嫌悪感に包まれていた。


数ヶ月前から干からびた変死体が発見され、ヴァンパイアの仕業とわかったためだ。


「シルベリアがここまでとはな」


ヴァーリ族であり、特務に所属するガル=イブ=ファーストが宿主達とともにタロンに足を踏み入れたのは日も落ち、闇が支配する刻限になってからだ。


ヴァンパイアの所業によってシルベリアには人影すら見えなかった。


ギルドの連中はどうしたのだろうか?


「どうじゃ?感じるか?」


ふと、ルーがガルへ質問を投げ掛けた。


「…近くにはいないが確かに奴らの気配がする」


ヴァーリ族であるガルの力は限りなく最下級に近いがそれでもほかの種族の数十倍はヴァンパイアを感じとる嗅覚は鋭い。


「ルー。現状で奴ら何体確認されている?」


今度はガルが彼女へ質問した。


「上からは一体と言っておったが…」


「数?」


宿主がそこで口を開いた。


おそらくその生態に精通していないせいであろう。


「そうじゃな…一体につき一日の吸血は人間の成人ならば一人。女ならば二人ほどじゃ。しかしの上からの情報ならば一日に十人ほど餌食にされていると聞いておる」


「そこから予想すると上では飢えているヴァンパイアだと思っているみたいだが実際のところは飢えていても数ヶ月もそれほど喰らうことはない。別のところに要因があ―――――!?」


唐突に会話が中断される。


奴が現れたようだ。






次回から、ヴァンパイアが登場します

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