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神殺しと呼ばれた男  作者: 鳴神
『《リヴァ》騒乱編』
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前衛部隊、進軍

「さぁ、そろそろ行こうか」、


《ロスト》後方に佇む少年が呟いた。


彼の眼前には約十万の下級 《ロスト》と中級 《ロスト》。


彼の号令で三段構えの前衛の右翼、中央、左翼が動く。


中衛と後衛は待機のようだ。


比較的前衛のほうが下級の《ロスト》が多いように見受けられる。


叫び声と進軍の足音が次第に大きくなり、大地を響かせる。


《ロスト》は基本的に遠距離攻撃はない。


中級くらいになってようやく中距離攻撃ができる個体が出てくるが基本的にはない。


圧倒的な身体能力で多少の距離から一気に肉薄してくるので詠唱途中でダメージを与えられることがよくある。


故にある程度の実力者以外の近距離や中距離の攻撃手段がない者は後方支援にまわるしかないので魔法師と呼ばれる魔法に特化したクラスは正直少ない。


マナと精霊に呼びかけるのが魔法の発現なので致し方ない。


一応、極一部のスキルで無詠唱は可能だがそのスキルの発現自体が稀だ。


「来るぞ!

魔銃部隊構え!」


最前線の堀の前の部隊指揮官が口々に令を下す。


「ウリエル様」


「見えている。

魔砲部隊、発射準備!」


城門前に整然と並ぶ魔砲の数はおよそ、数十に及ぶ。


一つに対して五人が側に控え、それぞれが魔砲にマナを注ぎ込む。


魔砲は魔銃と違い発射に必要とするマナの量が莫大になるため通常、数人がかりでないと打ち込めない。


射程が魔銃よりはるかに大きい。


命中精度については既存の銃や大砲と対して変わらない。


だが、半物理、半魔法の特化させてしまったのでそこは今後の課題ということらしいが弾丸は物理、魔法障壁は貫通するという反則じみた特性を持つ。


「魔砲、放て!」


ウリエルの号令とともに魔砲が放たれた。


一斉に放たれた魔砲弾に発射音ない。


マナを注ぎ、放たれため無音で放物線を描く。


そして、進軍してきた前衛の《ロスト》の軍勢に文字通り炸裂(・・)した。


地面や《ロスト》に直撃した砲弾は付与された各属性が猛威を振るう。


火は爆裂し、水は圧縮された水が体を貫き、土や氷は無数の槍となり水と同様に体を貫く、雷は周囲に雷を振りまく。


これが多種族でなければ、収拾がつかない程の大混乱になっていることだがいかんせん相手は《ロスト》だ。


怯むことを知らない。


ただ、目の前の獲物に食らいつこうとする。


次々と放たれる魔砲から抜け出した《ロスト》がこちらの前衛まであと少しの距離まで肉薄してきた。


「来たぞ!

ギリギリまで引きつけろ!

魔銃、構え!」


堀まであと数メートル程の距離でついに上下二段で構えていた兵たちによる魔銃が一斉に放たれた。


弾丸は《ロスト》の肉に食い込み、血潮を撒き散らし、次の瞬間体内から爆砕する。


絶え間なく、降り注ぐ砲弾と銃弾。


それによって、先駆けの《ロスト》前衛軍はほぼ、壊滅した。


「魔銃隊、下がれ!

歩兵隊!残敵掃討せよ!」


前衛指揮官の令で魔銃隊が下がり、歩兵たちが堀を飛び越えて《ロスト》の残兵を掃討する。


残りは対して残っておらず、掃討するまで対した時間はかからなかった。











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