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神殺しと呼ばれた男  作者: 鳴神
『《リヴァ》騒乱編』
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シャイン

レイド大陸東部の最北に位置する、多種族国家シャイン。


遥か昔、シャインは剣聖と謳われたジェクト=オルバルとその師弟達が打ち立てたと言われている。


建国神話もその当時の記録も失われて久しいがジェクトの名と青地に赤い玉を持つ龍の軍旗のみ語り継がれ、その軍旗はシャインの国旗となっていた。


ジェクトとその師弟らの建国時の役職もまた数少ない当時の名残だ。


即ち、王と同意義である聖卿。


軍事全般の長を司る、軍務卿。


内政全般の長を司る、内務卿。


外交、諜報の長を司る、外務卿。


司法、行政の長を司る、司法卿。


シャインを動かす聖卿と大臣たちは現在、守護されているかのように雄々しく置かれているジェクトの銅像がある中核都市ハートレヴァンの一角にある一室にいた。


「キャッスルノート襲撃は卿たちも聞き及んでいると思う」


ザイル聖卿はまず、口火を切った。


「元魔族院種族ブラウエルが突如現れ、城門と城壁を破壊しウリエル卿と交戦後取り逃がした」


「失態ですな」


と、内務卿。


「しかし、相手が元とはいえ魔族院でも中堅の実力に位置するブラウエルが相手では致し方ないのでは?」


「司法卿の言う通りだ。

ウリエルは一時、ブラウエルに師事していたはずだ」


軍務卿の地位にあるシフト卿が司法卿に補足を加える。


「同時に現魔族院のアグザエルがブラウエルと同調し、両名共に姿を消したとのことだ。

狙いは不明だ」


ザイル卿の言葉に全員が口を結び険しい表情を示した。


「ギバザルトの次はブラウエルか。

内輪揉め程度なら静観するところだが、中枢にいた者が中枢を狙う。

ただの対岸の火事で済むはずはない。

さて軍務卿、軍としてはどのような動きを考えている?」


内務卿の発言に続けてシフト卿が明瞭に声を紡いだ。


敵視しているというわけではないがシフト卿は他の大臣より一回り近く歳が下のためか特にこの内務卿は目の敵にしている節がある。


嘲りとも取れるが文臣と軍人とはそういうものだし、時折そのやりとり自体を互いに楽しんでいるようにも見られる。


別段、仲がいいというわけではないが。


「まず、ギバザルトの難が去ったとはいえ、未だ未確認の《リヴァ》らしき者がこれからどう動くかそれとも元々そのような者はいないのではないか?ということ。

いない者の影に我らは戦々恐々していることになりますがしかし、ギバザルトは早々に討たれました」


「確かにな。

《リヴァ》らしき者の姿を偽り、何らかの思惑で我らに一点に戦力を集中させないのか本当に《リヴァ》がいるのか…

前者ならば杞憂で済むが後者なら…」


「はい。

由々しき自体です。

ですが、偽る策ならば腑に落ちない点があります」


「特務隊、特にガルか」


ザイル卿の言葉にシフト卿は首肯し、言葉を続ける。


「奴はシルベリアで領主とギルドの殲滅には成功しましたが特務隊との交戦で手傷を負わせられました。

策があると仮定した際待ち伏せし、天敵のヴァーリ族のガルと再び挑むとは考え難いと考えます。

自身が負ける可能性があるというのになにかを仕掛けたにしては浅はか過ぎます。

事実、ものの見事に討ち取られ、物言わぬ肉塊になりましたので確認は不可能ですが行動に不可解な点があり過ぎます。

また、イースらの報告にありました《ロスト》らのことから考えますと私は《リヴァ》かそれに準じる者が背後にいると思います」



ギバザルトに関して言えば良く言えばガルに固執したが故に敗北といえなくはないが一つの街の領主とギルドを壊滅させれば軍やギルド以上の上位の者たちが派遣されるのは目に見えている。


殺して下さいと言っているような行動だった。


ガルが思っていた以上の力があったと言えばそれまでだが今となってはシフト卿の言う通り、不可解だ。


「魔族に関しても意図が不明な現在、ここも狙われる可能性も視野にいれては?」


「国境に散っている星座隊の隊長たちを呼びましょう」


司法卿の問いにシフト卿が軍務卿としての決断を下した。











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