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神殺しと呼ばれた男  作者: 鳴神
『《リヴァ》騒乱編』
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『始祖』

大昔、エデン戦役という世界大戦があった。


人間の首都ラカードで行なわれた神を恐れぬ実験を知った当時の魔族の首都グレッシェルとその隣国で多種族国家シャインは魔族達と同盟を結んだ。


かなりの大昔の話のため今ではほぼ、風化し神話程度の話となっている。


そのラカードの首脳部は多種族国家と呼ばれるシャインが人間が多数を占めることを理由に近年内政干渉してきた。


そもそも、多種族が集うシャインは魔族と同盟を結んではいるものの種族間の争いには中立を保っていたため情報や貿易やらで富を築いてきた。


そこに目をつけられ、利権やらなにやらが絡みついには20年前、ラカードは大軍を派遣し一方的に占領しようという暴挙に出た。


当初、兵力で勝るラカード側であったがシャイン側に魔族やエルフが続々と参戦し、ラカードの優勢は崩れた。


それが前大戦と呼ばれるヘイト戦役である。



「ヴォルフ。先日の報酬だ」


ルーが札束を黒檀の机の上に放り投げた。


「ずいぶんな額だな……」


「シフト卿からの伝言じゃ。《ロスト》討伐の報酬と仕事をせよ…とのことじゃ」


宿主は顔をしかめた。


宿主とルー嬢はシャイン軍の特務隊に所属している。


構成人は宿主とルーの他三名…計五名で構成されている。


シフト卿とはシャイン軍の総帥だ。


その上にはシャインを治めるザイル聖卿がいらっしゃる。


「で?任務の内容は?」


「ヴァンパイア狩りだそうだ」


「……いや」


「愚か者」


宿主が言うより先にルーが言葉を遮った。



しかし、問題がある。


本来は各地のヴァンパイアハンターとも言われる民間機関俗に———ギルドと言われる組織やヴァンパイア狩りを本分としているヴァーリ族という種族が行なうの普通。


それを軍が行なうのは稀有だ。


ヴァンパイアは国を跨いで行動するので軍属の者が許可もなしに国境を超えれば国際問題に成りかねないので通常はギルドやヴァーリ族が行うのが普通だ。


「なぜ、引き受けた?」


「暇つぶしじゃ」


「……あぁ、そう。ガルは今どこにいる?」


「こちらに向かってると聞いておる」


特務隊の一人、ガル=イブ=ファースト。


ヴァーリ族の下級眷属であるらしいがあきらかに上級眷属でしか扱えないような槍を持つ謎の男だ。


今は確かグヴェン山脈で鍛錬の一環で《ロスト》狩りに行っていたはずだ。


「それでヴァンバイアはどこにいる?」


「タロンじゃ」


宿主は額に手をやり視線を落とした。




最初はヴァンパイアの話からです

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