とりあえず異世界の住人を召喚するぞ
「さあ!始めるぞ皆!」
とある奥地にある大魔術師の塔で、謎の儀式が始められる。
ここは異世界、そう皆が住んでいるこの世の中よりもずっと
退屈で不愉快な世界・・・らしい。そんな世界で今、異世界の
住人を召喚する儀式が行われる。
「異世界の住人ってどんな人なんでしょうか?」
彼女の名はルキア・サーゼント。タメ口はほとんど使わない。
立派な剣士であるが最近は戦っていなく、手にした称号は
ほとんど過去の栄光と言っても良い。
「まあこの儀式が成功するとも限りませんがね。なにせ
レイナ様がこういう儀式をするのは百年ぶりですからね」
彼はハルバルド。大魔術師の執事であり、大魔術師よりも
前から生きている。ほとんど大魔術師の言われるがままに
動いているが、大魔術師を心の内から主人と思っているかは
謎である。
「うるさいぞハルバルド!私の儀式は完璧なはずだ!」
そして最後、偉大なる大魔術師にして完全なる引きこもり
であり、自分の祖先が築き上げてきた栄光を即座にぶち壊し、
我が道を進みまくって偉大な大魔術師の一族である自分の
一族の評判をごっそり削り落としたとんでもない野郎である
彼女の名前は「レイナ・レイレナード」。誰もが一回は間違
えそうな名前である。
「異世界の住人だからいろんな事が考えれますよね。例えば
腕が六本ある悪魔とかも考えれますし」
「ルキア、私はいかにも人をなぶり殺しにするような大悪魔や
口と股間から火を噴くような気持ち悪い生物を望んでいるわけ
じゃない」
「レイナ様、ではどのような住人をお望みで?」
「いや、普通に私たちみたいな同じ普通の人間だ」
「レイナ様。失礼かもしれませんがそれではこの塔に厄介な
住人が一人増えるだけかと思われます」
「ハルバルド。別にいいじゃないか。そもそもこの儀式は私が
やっているのだ。私のやりたいようにやる!それが私のやり方だ!」
「私はこの塔が賑やかになるからいいかな」
「承知いたしました」
「では始めるとしよう!召喚の儀式を!」
こうしてこのとある奥地の塔で、召喚の儀式が始まった。そして
現代に住むとある男が巻き込まれたのだった。