8話 彼、リオルの場合
「おいおいおいおい……冗談じゃねえって…なんでこんなことに…みんな面白いって言うから買ってみたのによお……。ついてねえ…。」
はあ、と溜め息とともに彼、リオルは愚痴の呟きを放った。彼は始めたばかりの初心者で己の不運さを呪っているところだった。
ほんとタイミング悪いよねって言いたいけど、いつやったって一緒だし彼にはご愁傷様としか言えないなあ(笑)
そして彼は暫く宙を見て何か考え込んでると唐突に受け付けに寄っていく。
「あのー、SSになるまでにってどれくらい時間がかかりますかね…?」
「一般的には1~2年くらいになります。1日に依頼を2~3個クリアしていく、と仮定した場合になりますが。」
「い、1年っ!?も、もっと早くなる方法はないんですか!?」
「他は……イベント上位に入り続ければもう少し早くなると思います…。期間は不明になりますが……。」
「そうですか……解りました。ありがとうございます。」
頭を下げてそう言うとリオルは受付から離れるとまた宙を見ながら思考する。
「普通にすれば最短で1年か……うーん…もう少し早くしたいんだけどなあ……。」
あ、と声を漏らしリオルはまた受け付けに寄っていく。 なんか思い付いたのかな?
「あの……今SSの人が何人くらいいるかとか教えてもらえますかね?」
「はい、お名前は公開できませんが今現在SSランクの方は二人です。」
「二人……そうですか…。解りました。ありがとうございます。」
またぺこりと頭を下げると受付から離れていく。忙しい子だなあ…
「二人か……クリアしてくれるのを待つのもいいけど……クリアした人しか帰れないってなったら困るしなあ…こつこつやっていくしかないのか……。」
はあ、と溜め息とともに落ち気味に呟くリオル。
彼は万が一の事も考えて自分のランクを上げておくことにしたみたいだね(笑)
──まあ、それは間違いじゃないんだけどね。
え?意味が気になるって?それは今ここで言うわけにはいかないよー(笑)楽しくなくなっちゃうからねっ(笑)お楽しみってことで(笑)
…彼はそのあと少し性格が変わったりするんだけど……それはその時のお楽しみ(笑)
え?僕が何者なのか気になるって?
ほら、前にも言ったじゃん僕は監視者だって(笑)
何を知ってるかっていうのは答えられないなあー(笑)
まあ、そのうち全部解るって(笑)それまでの楽しみにしてようよ?(笑)