14話 武闘大会3『緑狼』VS『銀嵐』
休みが増えて投稿話数増えるかなとか思ったけどごめんなさい、休みが増えたら堕落の日々でした。
何も進んでません(白目)
2ヶ月滞らせたので数少ないストックで数話一気に投稿致します……。数話入れたら今までと同じく1週間に1話くらいのペースを保ちたい……です。何卒ご容赦を…。
(一気に投稿が同時とは言っていない)
レイアスとリオルの勝負が終わった後の2戦目となる試合。
先の試合よりも昂った観客達が待つ中出場者が姿を現す…。
先に入ってきたのは緑色の髪の人物だった。
少し長めのボサボサの髪で後ろは乱雑にまとめられている。黄色の瞳は若干つり目がちで目つきが鋭い印象を与える。灰色を基調とし緑色のラインが入った服は胸の辺りに狼をモチーフにした刺繍が施されている。その上に黒いコートを着ている。
「さあ!先に登場したのは『緑狼』ことウルガ・グリンティアだ!称号の由来は彼の武器によるものだ!鉤爪を主な武器とし高速で動き回り敵を葬っていくスタイルはまさに狼の如し!その実力はいかに!?期待は高まる!!」
司会者がウルガの説明を終えて少ししてからもう1人が姿を現す。休憩室にいた銀髪の青年だ。
「もう1人も遂に登場だ!彼が本気を出せば地形が変わると言われる程で嵐が通った後のような状態になることから付いた名前が『銀嵐』!!一番最初にSSランクに到達した強豪でもあるエルフィア・テレストだ!!勝利はどちらの手に渡るのか!?期待の一戦だぁ!」
「なあ……あんたさっき出てた『剣王』とどういう関係なんだ?」
司会者の紹介が終わるとウルガがエルフィアに問いかける。
それに対しエルフィアは暫くウルガを見つめ首をかしげた。
「なんだよその反応。知らないはずはないだろう?ここに来る時一緒に来ていただろ。」
そう返すウルガに対しエルフィアは変わらず首を傾げたままの無表情だ。
「……おい。なぜ喋らない?話したくないってことか?」
ずっと無言&無表情のエルフィアにウルガが苛立ってきている。険悪な雰囲気になりかけたが──
「あっ…ちょっと!だめですよ!」
係員のそんな声が聞こえて来たかと思うとエルフィアが入ってきた所からレイアスが出てくる。そしてそのままエルフィアに駆け寄ると頭を叩く。
エルフィアは変わらずの無表情だが…
「おいエルこのバカが。お前紙とかはどうしたんだよお前が喋らないっての知らねーから向こうが苛立ってるだろが。なんで叩くだと?お前が何も準備してないからだろうが!
それ、俺以外にはあまり使えないんだろ?」
レイアスから注意され(怒られ)て若干エルフィアの雰囲気が暗くなる。
レイアスはそのままウルガに向き直ると
「悪いな。こいつほとんど喋らないからさ。話したくないって訳じゃないんだよ。解ってやってくれ。」
と声をかける。ウルガはまだ少し不機嫌気味だが…少し苛立ちが収まってはいるようだ。
「…じゃあ、さっきのもそいつなりに答えてたってことか?なんて言ってたんだ?」
「ああ……最初のやつは"いきなりなんだ?何故そんなことを聞く?"だな。」
レイアスが答える中隣でエルフィアも頷いている。
「……まあ、そういうことならいい。で、なんでそんなことを聞くかだと?
かの無敗の剣王と最初のSSランク到達者、初代の強者と言われる銀嵐…関係は気になるだろ?」
それにたいしエルフィア(喋るのはレイアス)は
「"答える必要があるのか?"だとさ」
それにたいしウルガは楽しそうに返す。
「確かに必要があるかといえば無いな!その通りだ!興味程度で聞いたが聞けなくても問題は無い(笑)あまり客を待たせるのも悪いし始めようか?(笑)」
ニヤッと笑い僅かに雰囲気が変わるウルガ。それを見るとレイアスは観客席まで跳躍して離れる。
そうして2人だけになった後暫く佇む2人だったが……先に仕掛けたのはウルガだった。タンっ!と軽い音を立てるとほぼ同時にエルフィアの前に移動し胴部分目掛けて回し蹴りを叩き込む。
エルフィアはその場で軽く跳び回避する。それに対しウルガは地面に手を付くと反対の足で空中のエルフィアを狙い追撃する。
エルフィアは迫ってくるウルガの脚に自分の足を合わせウルガの力を利用し後ろに飛ぶ事で回避。
お互いにまだ武器は使わないみたいだね…
次の先手はエルフィアが取った。コロシアムの地面をドガァン!と足踏みで砕き上がった大きめの破片を蹴り砕いて即席の礫としてウルガに飛ばす。
ウルガはそれを手や脚で受け流したり蹴り飛ばしたり砕いたりで防ぎきるがその時にはエルフィアの姿が消えていた。
周囲を警戒するウルガに対しエルフィアは空から急降下し脳天をかち割るような勢いでウルガに足を振り下ろす。ウルガはそれを見た訳では無いが何かを感じたのか前方に跳び回避する。
標的を失ったエルフィアは数回転し勢いを完全に殺し音も無くウルガのいた位置に着地する。
そんな感じのやりとりが状況がどちらかに傾くということもなく暫く続いていたが…状況は一転する。
「良いねぇ……良いぜ!やっぱり最低でもこれぐらいやれないとな!
だが…このままじゃ埒があかねぇ…そうだろ?そろそろ本気で行こうぜ?『銀嵐』さんよぉ…。」
ウルガが言いながら両手を軽く振ると両刃の先が少し曲がっている獣の爪を象った鉤爪が出てくる。
どうやら本気を出すみたいだね…。
それに対しエルフィアはまだ武器をとらない。様子見でもするつもりかな?
それが気に入らなかったのかウルガは軽く舌打ちすると素早くエルフィアの元に辿り着くと同時に胸元あたりに向けて両腕をクロスして振り抜く。
エルフィアは上体を反らして回避しながら地面を蹴りその場で回し蹴りでカウンターを狙う。
ウルガは腕でガードするが僅かに押されてそのまま後ろに飛ぶ。ウルガが着地するのに合わせてエルフィアが一瞬で懐まで迫り先程までより明らかに速くなった回し蹴りを放つ。咄嗟に腕を出しガードしようとするウルガだったが力を流しきれずにぐっ、と呻き声を零しながら軽く吹っ飛ばされる。
体制を立て直そうとするウルガだったがいつの間にか上空に移動していたエルフィアの高度からの蹴りが入りドガァン!と音を立てながら地面に叩き付けられ、脚一つで抑えつけられる。
まともに高所からの蹴りを喰らったウルガはガハッと軽く吐血する。同時に内心では…
( あー……こりや骨が数本いっちまったかぁ…?武器を抜かせられなかったのはつまらんが…俺がまだ弱かったってだけか…。…いつかは武器をとらせて膝付かせてやるさ )
エルフィアがウルガを抑えつけてから数秒後、ウルガからの降参でエルフィアの勝ちとなった。
「しょ…勝者はエルフィア・テレスト!!見応えのある戦いでした!次は30分時間を空けて決勝戦だ!!」
やっぱりあの2人が戦うのかあ……。さて…お互いどれくらい強くなってるのかなあ?楽しみだなあ(笑)
相変わらず拙い戦闘ですねごめんなさい()