0話「road-道-」制作過程
ちょっと後から思って付け足しの1話。
ここだけ語り手はいつもの子じゃないです
────とある会社内部の1室────
「ねえねえ!あれがもうすぐ完成ってほんとっ!?」
バタン!と音を立ててドアを開け放ち急ぎ気味に話し始める子供みたいな見た目をした人物……Aということにしておこう。それに返すのは高校生ぐらいの見た目の人物……Bとしよう。
「騒がしいぞ-----。まあ、もうすぐ完成ともなればはしゃぐのも仕方ないが…。」
「お、やっと来たか----。そうだぞ今完成間近だ。あとはイベントとかを決めたら終わりだぞ。」
そこに更に違う人物から声がかけられる……Cとしよう。
それにAが笑顔になってはしゃいでいる
「やったあ!イベント内容とかはもう決まってるの?」
「いや、まだだ。今それぞれが案を出して絞ってるとこだ。」
「そうだ、----はどれがいいと思う?間違いなく大会と討伐は外せないだろ!」
Aの疑問にBとCからそれぞれ返答が来る。
「えっと……なになに?ふむふむ………んー、そうだね!確かに大会はあった方がいいと思うけど、武闘オンリーはつまんないから魔法だけの大会も入れようよ!あと、討伐入れるならアイテム作りとして採取系もかかせないよね!あとは……他には何がいるんだろう?」
うーん……と考え込むA。
「ああ、確かに魔法だけの大会もいいな!大会が二つと討伐か……それならなにか戦い系とは別の何かも用意した方がいいのか?採取系もいれるとしてそれ以外にもう一つか二つくらい……」
「……それならあの童話みたく城を用意してそこで宴会かなにかをやればいいのではないか?」
と考え込むCにたいしてBから声がかかる。
「宴会とかそんなものでいいのか……?受けがいいならそれでいいんだが……」
あまり乗り気でないCにたいしAは……
「宴会!じゃあお城ならいっそのこと舞踏会とかにしようよ!楽しめる場所があったら面白そうだし!」
「----が言うならあった方がいいんだろうな……じゃあ舞踏会も採用…っと。」
「大体イベントはこんなものでいいだろう。じゃあ次は魔法についてだが……大方決めてあるから-----、確認しといてくれ」
と、資料的なのをAに渡すB。
Aはそれを読んでいく。
「んー…属性は多すぎてもややこしいからこれでいいと思うな!でも詠唱は個別にするよりある程度まで区切って元のは同じにしない?」
「……例えば?」
「んーと、例えばこの炎魔法ならアローからウォールまでを初級って感じにして、使いたいやつをファイアーなんとかって唱えて、ストームとハリケーンを上級って形にして唱える時にバーニングなんとか、にするとか。その方が簡単じゃない?」
「なるほどな。確かに複雑すぎても俺も覚えられないしなあ…その方が楽だな」
「……ではそこを改良して使うことにしよう。」
Aが案を出しBとCが考える、そういうのが数回やり取りされていく。
そして気が付けば時刻は昼前だったのに夕方になっていた。そしてその頃話の内容は……
「タイトルは前から決めてたとおり、頭文字を取るってのでいいんだよね?」
「そうだな。ただ、どう並べて作るかはまだ決めてないけどな」
「……単語を検索してそこから探そう。」
Bが色々リストアップしたものをAとCが見ていく。
「うーん……いいのがないなあ………………あ!ねえねえ、これいいんじゃない?」
ふとAが目にし2人に声をかけた。2人も同じものを見る。
「これか?在り来りのようなタイトルにならねえか?」
「いや……案外こういうシンプルなのもいいのでは?それに自分の道を歩んでいくようなゲームだし意外とタイトルと合うかもしれんぞ。それに……単語的に順番もあうしな……」
「あ……ほんとだ。じゃあ一応これにしてあとは-------に確認とろうぜ?」
「楽しみだねっ!」
決まったのか3人は部屋を出て違う所に向かう…。
そしてそれは数ヵ月後に最新のヴァーチャルゲームとして売り出されていくのだった……。
そのゲームは「road-道-」。一年もする頃には絶大な人気を誇りゲームランキングトップに君臨するゲームだった。人口の8割は普通に持っているというほどまでに人気になったゲーム。
それがある日一つの騒動を起こすのだが…………それは後の話。