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tremendous love  作者: yion
3/4

act.3

 



 日曜日


 やっぱり五分前には着いとかないとね!


 ○○駅に到着。


 格好変じゃないかな…




「城ヶ崎…さん?」



「!」



 振り返るとあの日のあのお方が!


 近くで見るとモデルみたいだった


 スッとした顔立ちと体。


 長い黒髪は先は少し巻いていてお姉さんぽい感じで


 清楚な格好のいいお姉さん、そんな印象を受ける



 に比べて私は


 赤と黒で全体をまとめたコーデで

 完璧亜子の趣味だった

 黒のキャミソールに赤の肩だしの上着を合わせて


 ジーンズ生地のとても短いショートパンツに

 ヒール高めの靴を合わせてきた




 …ヒールは高めにしたんだけど


 天音さんはとても大きかった



「あ、こんにちは!私、城ヶ崎優愛って言います!3-Aです!」


「よろしく、天音って呼んでくれたらいいから」


 よく聞いたらハスキー気味な声もよかった



「私のことも優愛って呼んでください!」


「うん!優愛ちゃん。」



 すごく綺麗な笑顔でドキドキする



「じゃあ、○○遊園地いこっか?」


「はい!」



 天音さんいい人だ〜!



 何でも気づかってくれて!



 遊園地に着いて

 入園するとわたがしが売ってあった


「おいしそ〜…って!ご、ごめんなさい、まだ着いたばっかりなのに!」


「全然いいのに。待ってて」


「?」


 天音さんはわたがしのところに走って行き


 わたがしを手に持って帰ってきた


「はい」



 天音さんがわたがしを差し出す



「はい…?えっ?!」



「どうぞ?食べて」


「わ、悪いですよ!」


「んー…でも、わたがし食べれないんだよねー。私。このままだと捨てないといけないのか…」


「…もらいます。」


「よかったあ」



 天音さんのペースでわたがしを食べることになった


 天音さんは嬉しそうにわたがしを

 頬張る私をずーっと見ていて


 なんとなく食べにくかった





 一通りアトラクションを楽しんだところに


 お化け屋敷があらわれた



 私はグロいのは無理だけどこーゆうのは好きだ



「天音さん!あれ行こ!お化け屋敷!」


「お、ばけやしき?」


「?」


 天音さん苦手なのかな…


「あ、あの苦手なら全然いいですよ?!」


「ううん!全然!お化けなんて怖くないから!」


「え、でも」


「さ、いこいこ!」



 と言って入ったものの

 天音さんはずっとだまってずんずん歩いていく




 優愛はさっきから同じところをぐるぐる回ってることに気がついた。

 お化け屋敷迷路だったな…


「天音さん」


「…こわくない(小声)…何もいない…」


 天音さんは何かブツブツ言って聞いてない




 んー、なら天音さんのために抜け道でも見つけないと…


 と、私は周りを探り始めた


 棺桶とかもとりあえず開けてみた


 中から何か飛び出したりして

 面白かった


 鉄鋼柵が横にスライドできるようになっていて

 そこから道が続いていた


「天音さん、抜け道ありま…」


 天音さんがいない


「ここ怪しくない?」


「ほんと怪しいわ…って、女の子?かわいい!」



 男…


「さっきあった女の子かわいいのに怖かったよなw」


「そうそう、なんかブツブツ言ってたし!」


「君、一人?名前教えてよ」




「一人じゃないですし、、さよなら」


 腕を掴まれる


「!?」


「ねえねえ、話そうよ」


 チャラい…

 よく見たら全員金髪じゃないの!



「い、い、急いでるんで!」


「震えてるじゃん?怖いんだろ?お化け。一緒にいてあげるって〜♪」



 一人男が不敵に笑った


「てかさ…ここなら、何してもばれないよな」



 !



 他の男もニヤリと笑った



「お前足抑えろ」


「こんなところでこんなかわいい子と会えたのも何かの縁ということで」




 やばいと思った


「やだっ!!!助けて!!!!」





「口抑えとけ!」



 服が半分ほど脱がされたところで

 一気に視界が真っ暗になる

 もともと暗かったんだけど

 何か…目隠し?



 もうどうにでもなれと思った瞬間


 私を触る手が消えた


 その代わり彼らのうめき声と


 私を抱き上げる暖かい感触



 目隠しをとってもらうと


 そこには大汗かいた

 天音さんがいた



「あ、天音さん?」


「ごめん!」



「天音さん?え?あの?」


「とりあえず服なおして、早く出よう」


「あ、はい…」



 お姫様抱っこしてくれたのは、天音さんなの?




 お化け屋敷を出て

 天音さんは観覧車へと私を引っ張って行った





「…ごめん」



 天音さんは観覧車に乗って向かいに座ったあと

 そう言って頭を下げてきた



「あ、あの、何もされてないので!」



「ほんとに、守れなくてごめん」


 天音さんは顔をあげてくれなかった




「…天音さん…。本当のことを言うと、私、初めてじゃないんです。」


「…?」


 天音さんが顔をあげた



「高校一年生の時に、私、性格悪いから、女の子を傷つけちゃって、それに怒った人達が…あはは。」


「え…ってことは?」


「その人達に初めても奪われてるんです。子供も堕してます。だから、そこまでして守るものもないんです」



 天音さんが下を向いた


 …引くよね。こんな話。



「私、こんなんだから、その噂も広まって、友達いなくて。でも、天音さんと今日遊べて楽しかったです」




 私は泣いていた


 別に過去なんてどうでもいい


 ただ、あんなことのせいで

 恋も友達も何もかも私から離れていくのが悲しかった




「優愛ちゃん…。私ね、優愛ちゃんのこと一年生の時から知ってたの。ずっと優愛ちゃんを見てきたけど…私は優愛ちゃんのこと、好きだよ」



 涙が止まらなかった



 亜子は事実を知ってるから

 私を分かってくれる

 本当は斎藤だって味方なのもわかってる



 天音さんが、私を抱きしめて



「優愛ちゃんには、私みたいな味方がたくさんいるはずだから、がんばって。ううん、私達とがんばろう?」



 観覧車を降りるときの私は

 泣きじゃくっていて

 係の人が心配していた


 家まで私を送ってくれた天音さんは


「はい、記念のキーホルダー」


 緑の石だ




 なんか友情の色が緑っぽくて


 嬉しかった



 天音さんが見えなくなるまで外で見送って


 家に入り、明日の準備をして眠りについた



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