長い冬
道を歩いていると
欺きを売り付けようと
偽りの薬売りが
集まり跡を絶たないが
対価を払えば助けてやろうと
空しい言葉を吐いてこようと
決して信用してはいけない
断じて信頼してはいけない
頼れば痛い目見せずにおかない
それがこの苦界の習い
焼けた鉄をつかむように
火に寄り掛かるように
身を焼かずにはいられない
いや、捨てていくにしくはない
長い冬の始まってより十年
痛み分けを得てより五年
お前は苦しい目に遭って当然と
耳元で囁く声が延々と
全く悪魔は公然の敵よと
語られたのは当然の出来事
良いことの一つもあったなら
悪魔と呼ばれなかっただろうから
いや全く不倶戴天の敵である
そこには永遠の敵意がある