五節
ゴブリンとゴブリンと、たまにスライムを倒し続けて1時間ほど。
俺のレベルは4に到達した。
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キャラクターネーム:チリアクタ
LV:4
HP:35/35
MP:25/25
攻撃能力:8
防御能力:8+15
魔法能力:8
信仰能力:8
抵抗能力:8
速度能力:8
アビリティ:テイムLV1
ジョブ:なし
スキル:なし
パッシブ:なし
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【アビリティ名:テイム】
観測者:■■■■■
支配可能階層:A
館に記録された存在数:5
ゴブリンLV2
ゴブリンLV2
ゴブリンLV1
ゴブリンLV1
ゴブリンLV1
警告:
失われた魂
戻る事あたわず
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スライムは弱かったので解雇した。もはやゴブリン軍団である。経験値は、戦闘に参加していないゴブリンにも共有されるようだ。
最初に捕まえた二匹はレベルが上がった。戦闘スタイルも固まってきた。
ゴブリンを前衛に。
敵を引き付け、俺が不意打ち。
そうなると俺自身の育成方針も定まる。一度街に戻り、準備を整える事にした。
*****
まずは冒険者ギルドへ。
ここでジョブを設定できる。不意打ちに特化した戦い方を身につけるのが目的だ。
西部劇のような扉を開いて中へ入ると、想像通りの内装が広がっていた。
「ケケッ。またルーキーが来やがったぜぇ……」
「いつまで保つかなぁ」
おい、全年齢対象。仕事しろよ。厳つい見た目の冒険者達が、コチラを見て酒をあおっていた。アレは無視だ。そうと相場が決まっている。
受付カウンターへと歩いていく。制服を着た20代くらいの女性が立っていた。
「冒険者ギルドへようこそ!
こちらのご利用は初めてですか?」
「あ、ハイ」
「ではジョブ登録と登録手数料500Gをいただきます。
コチラのボードの必要項目を入力してください」
「あ、ハイ」
このゲーム、女の人もめっちゃリアルだ。緊張しちゃう。本当に辞めてほしい。ゴブリンでええやん。若干声を裏返しながらボードを受け取る。
ジョブの項目を見つけた瞬間。ネットで調べた知識が、緊張で全部飛んだ。
「どうかなさいましたか?」
「え、いや……あの……不意打ちで、戦う感じの……」
「それならレンジャーがオススメです!
敵を罠にはめるか、不意打ちからの強撃! クラスを上げていけばより強力な技を習得できます」
「じゃ、それで……」
「ジョブはレンジャーで登録されました!」
手続き完了。ふぅ……最大の難所は乗り越えた。
俺のコミュニケーション能力が高くて泣けてくる。
*****
次は装備屋へ。
レンジャーが使えるのは短剣・弓・鞭の3種類。とりあえず全部購入。ファーストダガー。ファーストボウ。ファーストウィップ。
どの武器種が手に馴染むか分からないからな。投資は大切である。まあ武器にお金は使い切ってしまったので、防具はまた今度だが。
ファーストダガーを装備し、コボルトが出るトマリの森へ向かう。森に入った途端、丁度いいゴブリンを発見した。
「実験台、発見」
ゴブリンの後ろへテイム済みゴブリンを召喚。後ろからの急襲だ。
「ウギャ!」
「ウギャ!?」
最初の一撃を皮切りに、揉み合いのような先頭が始まった。棍棒による撃ち合いの応酬。
「ウギャ!」
「ウギャ!」
見た目は同じだが、ウチの子の方が優勢……かな?
レベルの差だろうか。
ただ、眺めていても暇だ。気配を殺し、野良ゴブリンへと近寄る。
そしてその背中へ、短剣を突き立てた。
「そーい」
「ウギャアア!!」
完全不意打ちの一撃を浴びたゴブリンは、一瞬にしてポリゴンへと変わる。完全勝利である。
「お疲れさん。帰っていいぞ」
「ウギャ」
返事をしたゴブリンが、光の中に消えていく。改めてステータスを確認する。
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キャラクターネーム:チリアクタ
LV:4
HP:35/35
MP:23/25
攻撃能力:8+15
防御能力:8+15
魔法能力:8
信仰能力:8
抵抗能力:8
速度能力:8+1
装備品
頭:なし
胴:革鎧
手:革鎧
靴:革鎧
武器:ファーストダガー
盾:なし
アビリティ:テイムLV1
ジョブ:レンジャー NEW!!
スキル:気配遮断LV1 NEW!!
罠作成 NEW
不意の一撃LV1 NEW!!
パッシブ:なし
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ジョブによるステータス補正は微々たる物。その本領はスキルの獲得である。気配遮断で敵に気付かれにくくなり、不意の一撃で背後からの攻撃に強力な補正が入る。
ゴブリンをタンクにして俺が不意打ち。この戦術と完璧に噛み合っている。
完璧だ。完璧過ぎる。
「よし、蹂躙しちゃうぞ」
気合いを入れて森へと入る。
*****
程なくして、茂みの中から新手が姿を現した。
「「ワンワン!」」
頭は犬、鳴き声も犬、手にはショートダガー。間違いない。
これがコボルトだ。犬種は柴犬……だと思う。
「北欧神話の世界観だろ。なんで柴犬なんだ?」
まあいい。いったん置いておく。数は2。こちらの方が多い。
「サモン、ゴブリン×4!!」
コボルトの背後に一斉召喚。
「ワン!?」
戸惑うコボルト。ゴブリンの棍棒が、顔側面を捉える。
コボルト達は体勢を崩し、その場に倒れ込んだ。
「ウギャ……」
ゴブリン達は下卑た笑みを浮かべる。
その後はゴブリンによる一方的な攻撃。タコ殴りにされたコボルトは、身を屈めて頭を守る事しか出来ない。
コボルトにテイムアイコンが出て来たところで、ゴブリン達はコチラに向き直す。
「ウギャーギャ?」
どうしやすか、オヤビン? そう言っているのだろう。
「野郎ども。よくやった」
俺はゴブリンを労いつつ、コボルトの方へと歩み寄る。
コボルトは俺を見上げてくる。
「クゥーン……」
瞳は潤んでおり、助けてほしいと言わんばかりの表情だ。可愛いけど……。
「もうテイム枠埋まってるんだよなー。
これまでの経験値もあるし、やっちまうか」
「「ウギャ」」
ゴブリン達は、即座にコボルトを光の粒子へと変えた。
【コボルト×2を倒しました】
【経験値4を獲得】
【ドロップアイテム:ショートダガー×2】
リザルト画面の表示。それと同時にアビリティから通知が届いた。アビリティの画面を開く。
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【アビリティ名:テイム】
観測者:■■■■■
支配可能階層:A
館に記録された存在数:5
ゴブリンLV3 Level up!!
ゴブリンLV3 Level up!!
ゴブリンLV2 Level up!!
ゴブリンLV2 Level up!!
ゴブリンLV2 Level up!!
警告:
失われた魂
戻る事あたわず
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どうやら手持ちのゴブリンのレベルが上がったようだ。
敵が複数な分、経験値が美味しい。
「このゲーム楽しいぃ」
「「ウギャァ」」
ゴブリンも呼応してニタニタ笑っている。コメント欄も騒ぎ始めた。
『戦い方グロw』
『圧倒的悪』
『これ地上波じゃ流せんな』
そんなコメントを見つつ、俺はゴブリンに話しかける。
「お前ら、装備とか持てるの?」
試しにコボルトのドロップ品、ショートダガーを手渡してみる。
「ウギャーギャ」
ゴブリンはそれを受け取り、腰に差した。
【テイム済みゴブリンがショートダガーを装備しました】
「おお、凄いなぁ」
レベルアップも装備も出来る。
ゆくゆくはスキルまで習得させられるかもしれない。
「よーし! この調子で強くなるぞぉ!」
俺は探索を再開するのだった。
【視聴者:3】




