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AI棒(あいぼう)と行くVRMMO配信 ~外道プレイヤーの邪道攻略~  作者: ジッロ
一章 【配信事故】初心者配信者、ドラゴンを強奪してしまう
3/20

二節

先刻の事を思い出す。


二十秒は落ちた。

どう考えても、無傷で済む高さでは無かった。


書き変わったアビリティに、唐突な落下。

RFOにこんなバグがあったとは。

しかし、バグなのか演出なのか判別できない。


「そもそも、ここゲームの世界なのか?

 すっげーリアルなんだけど」


手のひらに触れる土の感触。

湿った匂い。風が葉を揺らす音。

どれもが妙に鮮明で、現実と区別がつかない。


しかし、視界に現れた情報がゲームだと確信させた。

チュートリアルが始まったのだ。


【はじめまして勇者の御霊】

【この世界にようこそ】

【まずは始まりの街、トマリを目指しましょう】


ゲームの中で間違い無さそうだ。

とにかく、確認から始める事にする。


「ステータス表示」


そう呟くと、小さなウィンドウが俺のステータスが表示した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キャラクターネーム:チリアクタ

LV:1

HP:20/20

MP:10/10

攻撃能力:5

防御能力:5

魔法能力:5

信仰能力:5

抵抗能力:5

速度能力:5


アビリティ:テイムLV1

ジョブ:なし

スキル:なし

パッシブ:なし

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【アビリティ:テイム】

この世界に存在する魂を従える。

対象のHPを10%まで減らし、屈服させる事で発動可能。

テイム数には上限があり、アビリティLV×5体まで従えられる。

テイム状態の生物は支配空間である館にて収納され、如何なる場合でも召喚可能。


観測者:■■■■■

支配可能階層:A


記録された存在数:0


警告:

失われた魂

戻る事あたわず

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「……観測者?」


思わず声が漏れる。


見慣れない単語。

攻略サイトでも見た覚えがない。

さらに。


(支配可能階層……A?)


なんだそれ。

こんなアビリティ、見た事がないぞ。

攻略サイトにも絶対に無かった。


もしかして、レアなアビリティなのか……?


そうなると全て納得がいく。

ずばり、ゲーム上の演出だったのではないだろうか。


そう考えると、優越感と安心感が不安をかき消してくれた。

ひとまずは置いておこう。


それよりも、引っかかる事があった。


「ドラゴンは無し、か……」


RFOと言えばドラゴン、そう口にするプレイヤーは多い。

犬や猫のサイズ感に加えて、プレイヤーに懐くその姿から、ドラゴンそのものを愛でる人もいるらしい。


冒険の相棒。

そう形容すれば分かりやすいだろう。


まあ、無いものは仕方がない。


「一旦、この森で適当なモンスターをテイムしてみるか」


自分の姿を確認する。

シャツとズボンの簡素な格好。

刃渡り60cm程度の片手剣が、鞘に収まった状態でベルトに括り付けられている。


鞘から剣を抜く。

抜き身の刃が姿を現す。

ちょっとだけ強くなった気分だ。


「まあコレなら初期モブくらい倒せるかな」


思考を切り替え、ミニマップを見て歩き出す。

数分ほど歩く。


すると、水色のゼリーの様な物が道端に落ちていた。


俺は剣を抜く。

すると、チュートリアルが書き変わった。


【アレはスライムと言うモンスターです】

【腰の剣を使って倒してみましょう】


RFOでの初戦闘。

しかし、緊張は無い。

あれは一撃で倒せる雑魚(・・)モンスターだと、攻略動画が教えてくれたからだ。


俺は剣を大上段に構えて突撃。


「そいやっ!!」


スライム目掛けて振り下ろす。


ーー確かな手応え。


「フン、やった……か」


まあそんな事、当たり前過ぎて確認する必要も無いんだが。

だがしかし。

俺の慢心とは裏腹に。いつまで経っても、リザルト画面が表示されない。


スライムに視線を戻す。


ーー水色の塊が、そこにいた。


「あれ? 何で倒せてないの?」


俺は思わず足を止める。

その隙を着き、スライムは俺に飛びかかってた。


「いった!」


このゲームに痛覚は無い。

しかし反射的に口から漏れ出た。


な、なんで倒せて無いんだ!?


攻略動画と展開が違う。


しかし、迷っていても解決しない。

俺は思考を切り替えてもう一度切り掛かった。


ぷるん


「……は?」


黙って何度か切り掛かる。

すると、ようやくスライムはポリゴンの様な光となって消えていった。


【スライムを倒しました】

【経験値3を獲得しました】

【ドロップ:なし】


リザルト画面に胸を撫で下ろした。

しかし、スライムは一撃で倒せるはず。


何故ここまで時間が掛かったんだ?

しかし考えてみると、答えはすぐに浮かんだ。


「そう言えば。

 ドラゴンテイマーは、ドラゴンの加護ってパッシブが付与されて、ステータスが伸びるだっけ……」


つまり、ドラゴンを持たない俺は加護が無い。

加護が無ければ、ステータスが低い。


このアビリティ……。


ーー弱い?


そんな言葉が脳裏をよぎる。


だがしかし! ゲームは始まった! ばかり!


「まだ分からん。落ち着け、俺」


マイナスな思考を振り払う様に、俺は吐き捨てる。

そして、森の中を歩き出した。


【視聴者:1】

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