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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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25話 探索者ライセンス取得合宿④

 今日の自由時間。瑛士と遊太はコンビニに行くといって講習場を出て行った。


 光介はもっと剣の鍛錬をしたいとかで校庭に行った。怪我は自己責任の元、講習で使った武器は自由に使っていいらしい。解放されてる時間は時間は21時までだ。


 俺はそんな動ける体力残ってないし、かといって1人で部屋で過ごすのもなんか嫌だったので、講習場内を探索する事にした。


 校舎は3階建の1棟のみとそこまで大きく無いものの、場所が田舎だからか土地は広い。テニスコート跡が6つもあった。グラウンドは400mのトラックとは別に野球ができそうなスペースあったし。


 校庭で自主鍛錬をしている人たちを横目に、俺は校舎内探検をしてみる。


 1階には食堂、会議室、スタッフの控え室と家庭科室とか工作室だったっぽい広い教室、暗幕がかけられていて中が見えない教室などがあった。


 会議室は中で誰かが話してたので、ササッと通り抜ける。盗み聞きしてたって思われたく無いしな。


 そのまま2階に行ってみた。


 俺たちのグループが授業を受けている教室の他に講習で使っていそうな教室が3つほどあった。あとは元視聴覚室っぽい部屋に元理科室っぽい部屋などもある。


 一つだけ明るい場所があったから、近づいてみるとそこは図書室だった。


 普通に本がたくさんあって、今も図書室として使われているようだ。入り口付近に図書室の使い方に関するルールが書かれている。基本的に持ち出しは禁止で、どうしてもという時はスタッフに声をかけて身分証を提示する必要があるらしい。


 合宿所の部屋に持っていくのにも声かけが必要なのは面倒だな。暇つぶしにちょうどいいと思ったんだけど。


 室内には何人か人がいて、みんな静かに本を読んでいる。


 俺も何か読んで帰ろうかな。


 めぼしい本を探すために棚を物色する。

 なんとなく気になった本を持って席に座ろうとすると、女子3人組の1人、椿原さんの姿見つけた。


 あ、目があった。



「えと、若島さん」


「椿原さんも来てたんだ」


「まぁ、はい。暇なので」


「他2人は一緒じゃないの?」


「あの2人はたぶん弓道場です。授業の時的に当てられなくて悔しがってたので。若島さんこそ他の方々は?」


「俺も似たようなもんかな」


「そう、ですか」



 会話が終わって静かな空気が流れる。


 そういえば椿原さんはお昼の時もあんまり発言していなかったな。



「ここ座っていい?」


「はい」



 椿原さんの目の前に座ってみたものの、会話はなく、ちょっと気まずい。違うところに座れば良かったか?でも今の流れで他行くのも微妙だったし。


 ……まぁいいか。本読むのに集中しよう。


 今読んでるのは『初めてのダンジョン攻略-町田編-』というダンジョンの攻略本だ。他にも梅田編とか所沢編とか小笠原編とかあった。全部のダンジョンそれぞれ1冊ずつ作ったんだろう。


 自分のダンジョンはどう思われているのか気になったから、読んでみることにした。


 まず初めに、推奨している装備品が書いてあった。



《町田ダンジョンにはこれを持っていこう!》

剣、またはハンマー



 ……いや、これだけ?もっと色々あると思うんだけど。防具とか。


 次のページには1階層の攻略情報が書いてある。



《構造》

1本道


《出現モンスター》

スライム


《攻略方法》

スライムを倒す

※鍵は必ず拾うこと



 情報が少ない。これに関しては俺のダンジョンが悪いのか?たぶん他に書きようがないし。


 4階層までは全部1階層と同じ感じだった。

 5階層は鍵を使う分ちょっとだけ文章量が増えただけ。6階層も攻略方法がモンスターを倒しながら探索する、のみ。


 攻略本ならさ、せめて地図とか載っててもよくない?俺6階層の構造は変えてないから地図作れるはずなのにな。実際探索者の多くはマッピングしながら進んでるし。


 最後まで見ても大した攻略方法は載ってなかった。


 そもそも9階層までの情報しかなかったし、それも全部ネットで拾えるようなものばかり。最初の数ページで攻略方法を載せたあとは、作者の考察というかお気持ちが綴られて終わっていた。


 これが本として発売されてるとこに驚きである。



「それ、あんまり役に立たないですよね」


「あー、うん。内容薄すぎてびっくりした」


「若島さんは……」



 名前を呼ばれて終わった。

 そこで止められるとモヤモヤするんだけど。


 数秒待ってみる。


 待ったおかげかようやく続きを言ってくれた。



「若島さんは探索者になるの怖くないんですか?」


「別に怖くはないかな」



 普通怖かったら探索者ライセンス取りに来ないだろう。



「そう、ですよね」


「椿原さんは?怖いの?」


「……はい。正直怖いです。でもあの2人が探索者やるって言うから」



 あぁ、探索者になりたくないのに友達に連れてこられたパターンか。


 椿原さんは見るからに内気そうだし、探索者やるようには思えなかったんだよな。


 断ればいいのにとは思うが、それが出来てたら彼女はここに居ない。



「本当にやりたくないならさ、紫之宮さんに言ってみれば?たぶん、落としてくれるよ」



 探索者ライセンスには人柄審査があるという噂がある。座学も戦闘も問題なくこなせたのに、落ちた人がいるからだ。


 その落ちた人が教官に嫌われたから受からなかったと愚痴っていた。


 俺はその噂が本当だと思ってる。


 探索者ライセンスを取る時、猟銃免許では必要な身辺調査が必要ないとされている。でも、武器を持たせて街を歩かせるのに、ちょっとでもヤバいやつにライセンスを持たせるわけにはいかないからな。人柄の見極めは必要だろう。


 もし人柄審査をしているのなら、受講者と1番接している教官がやるのが妥当だ。

 あとは、食堂のスタッフとか受付の人が見ていてもおかしくはない。



「……落ちるのも、ちょっと」



 えぇ。探索者になりたくないんじゃないのかよ。


 いや、怖いとは言ってたけどなりたくないとは言ってなかったな。


 なんかもう面倒になってきた。俺こういう相談に乗るの向いてない。



「んー、じゃあもし探索者になったら、最初は町田ダンジョンにするといいよ。初心者向けらしい。この本の作者がそう言ってる」


「そういえばそんな事書いてあったような……」


「モンスター1匹でも倒しちゃえば、後はたぶんなんとかなるよ」


「……ありがとうございます」



 適当に言ったけどこれで良かったらしい。


 お礼におすすめの攻略本を教えてもらった。『国内ダンジョンの現在を徹底解説』というタイトルで上巻と下巻に分かれている。上巻を軽く目を通しただけでも全然違うことがわかる。


 “町田ダンジョンは階層内で1種類のモンスターにつき最大30匹までしか出現しない”とかどうやって知ったんだよ。確かに全部のスポナーで数調整して30匹までにしてるけど。


 え、本当にどうやって知ったの?倒さず数えた?


 さっきまで読んでた本とは逆の意味でやばい本だ。全部読みたくなったからネットでポチった。


 その後は瑛士と遊太から連絡が来たから、椿原さんとはお別れして部屋に戻った。

 俺が戻る頃には光介も部屋にいて、何故か遅いと怒られる。たぶんお腹空いてたからだろう。


 コンビニ行った2人がお菓子を大量に買ってきていたので、食堂で晩御飯を食べてから部屋でお菓子パーティをして1日が終わった。

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