創世神話
YouTubeにオリジナルアニメ展開中!
https://youtube.com/@alchemy12_animation_project?si=DL1Umcwar23ou_RO
世界にまだ、形は無かった。
すべては、虚無だった。
だが、そこに一つの意志が生まれる。
名は、アエテルヌム。原初の創造神。
世界にことわりと秩序を創った。
彼は孤独を恐れ、愛を求めた。
そして、それがすべての始まりとなった。
アエテルヌムは、心の奥から“もうひとつの光”を生んだ。
名は、エリュシア。
彼女は微笑み、祝福し、あらゆる命を慈しんだ。
優しき慈愛の創造神──
世界は、彼女の愛に満ちていった。
だが──与えすぎた愛は、人々の“欲望”をも育てた。
争い、裏切り、憎しみ。
そのすべてが、エリュシアを蝕んでいった。
神でありながら、彼女は悲しみに耐えきれず、
一粒の“涙”を流した。
その涙は──ただの悲しみではなかった。
人々の欲望、争い、愛を求める声……
すべてがその一滴に宿り、
ついには、かたちを持った。
“感情”そのものが、世界を呑みこもうとした。
その涙は、呪いと化した。
世界を覆う、終わりなき災厄。
人々はそれを恐れ、こう呼んだ──
『メデューサの涙』と。
メデューサの涙は少しずつ、確実に世界を蝕んでいった。
この災厄を封じるため、十二人の錬金術師が立ち上がった。
己が命と引き換えに、涙に宿った様々な感情を分解し、十二個の装飾品に封印した。
怒りも、悲しみも、恐れさえも。忘れられぬ想いを宿した器。
時の流れに名は消え、語られることのない記憶となった。
けれどその行いだけは、今も伝説として刻まれている。
封印は、果たされた。
世界には光が戻り、人々は再び歩み始めた。
だが、その代償は大きかった。
魔術や錬金術、その術式の全ては忘れ去られ、世界から失われた。
そして、世界は“感情”が持つ大きな力、そのものを──忘れてしまった。
だが今、時は満ちた。
忘れられた記憶が、静かに、目を覚まそうとしていた。
それはまだ、微かな煌めきに過ぎない。
黒く沈む世界の底に、一粒の感情の欠片が揺れている。
それは、失われたはずの力に残された火種。
錬金術の火は、まだ──消えてはいない。
「ALCHEMY 12──
封じられた、感情の錬金術。」




