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お題シリーズ6

愛した人が去っていった

作者: リィズ・ブランディシュカ



「もうあなたとは、一緒にはいられないわ」


 結婚してから三か月後。


 妻にそう言われた。





 愛していた片割れと、一緒に住んでいた家は、いまは一人だけのもの。


「どうして離婚してしまったの? あなた達、あんなにも互いを大切にしていたのに。不思議だわ」


 俺たちという夫婦がわかれたことを、周りの人間はそういう。


 そう、みんな不思議だった。


 仲が悪いことなんて、そんな気配なんてなかっただろ?


 ただただ、幸せな結婚生活だった。


 妻は友人が多いから、たまに俺そっちのけで色々な人と電話で盛り上がることもあったし。

 

 山育ちが関係してか、よく猟銃を持ち出して地元の害獣駆除を手伝ったりしてるけど。


 俺と過ごしているとき、いつも楽しげだった。






 妻が離婚を切り出したころ、俺は疑問に思って理由を訪ねたさ。


 でも「ただ、いっしょにいられなくなっただけよ」としか答えてくれない。


 そんなの、本当の理由じゃないはずだ。


 なんで教えてくれなかったんだろう。


 俺たちの間にある信頼関係はそんなものだったのか?


 空虚な気持ちでテーブルの上に出しっぱなしになっている新聞をみつめた。


 地元の有名人が銃で撃たれたらしい。


 けどどうでもよかった。


 掃除好きの妻はこういったものも、こまめに片付けていたな。


 もう片付けてくれる人はいない。





 つい先日、夫と別れた。


 あんなにもいい人とは二度と巡り合えないだろう。


 そんな運命を感じさせる人だった。


 けれど、仕事で潜伏するためだったからしかたない。


「つぎのターゲットは○○だ。○○町に潜伏してチャンスをうかがえ」


 電話からの、指示。


 また次の仕事にそなえなければ。


 また誰かと恋人になる方法がいいかしら。


 結婚まですると、きっと情がうつっちゃうからだめよね。



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