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彼女の奇麗な花には毒がある  作者: こるたな
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第五華

 扉を開けるとそこには大きな建物の中につながっていた。


「え、えええ」


いつもの扉を開けたらアパートの外廊下、目の前にはビルが並んでいるわけではない光景ではなく、

全体が青や白系統の光景に開いた口が塞がらない。


「ここが研究所だ」

もう私のように驚く姿は幾度とみてきたのだろう。

エルギスは何も気にせず進み始めた。


「話の続きをするぞ」


そこには近未来的な見たことのない研究道具がたくさんあった。

透明なケースの中に花があったり、大きな水槽の中に人が入っていたりしているものが博物館のように並んでいた。


「安心しろ、患者は本人と家族に許可をもらっている。

 やっていることも観察程度だから人体実験のようなことはしない」

正面を向きながらエルギスは話し続ける。


先ほど見た並んでいた花や人はすべて造花病に関連するものだった。

花は花弁、雄蕊、雌蕊は花そのものだが、がく、茎がなく、代わりに根っこが直接生えているような見た目だ。

観察対象の人はすべて造花病の患者だった。

花がついている場所は人によって違う。


「能力についての話だが、最初にこれから向かう一室のコネクター機器と

 貴様の数字の書いてある手をつないで付与させる。

 潜在能力によって能力は変わるが、それが何かは我々は認知することはできん」


「それだけで超能力が使えるようになるの?」


「ああ。だがすぐ自覚して使えるものではない。

 能力付与して自覚して操れるようになるには時間がかかる。

 能力付与後に説明するが、こちらが推奨しているのは、拷問のようなことをして自覚させる」

わたしは背筋が凍った。


「それをやれば例外を除いて早くて2週間ほどで自分の能力が判明する。

 だが、それは早くてもだ。人によっては1年2年以上かかる場合もある。


 これはあくまでも推奨だ。もし嫌なら地道ではあるが、じぶんで探すという手もある。

 考えればわかるだろうが、自分で探す方が非常に時間がかかる。

 潜在能力は自分でもわからないことに加えて、例外除いて体に全くと言っていいほど

 変化がないため、どんな形で試した方がいいかわからない。


 最初は思っている以上に過酷だと思うが、まあ希望があれば助言くらいならできる。」

エルギスの足が遅くなる。


「それはコネクタにつながった後に決めていいのか?」


「ああ。もちろんだ。最初は自分で探してあとで推奨のやりかたでということもできる。

 逆もしかりだ。そこは臨機応変に対応しよう。

 それに、先ほど例外例外と言っていたが、能力付与された後、すぐに見た目から変化して

 自覚するという者もいる。基本的にプレイヤーの意見は尊重するぞ」


「朝からプレイヤーって言ってるけど、手に数字をつけてる人をそう呼んでるのか?」


「ああ。認識通りだ。これは機関が定めた呼び方だ」


「これからは名前で呼んでくれ。俺の名前は”一ヶ峯 康太(いちがみね こうた)”だ。

 プレイヤーの意見は尊重するんだろ?」

私は少し口をゆがませながら言った。


「ああ、いいぞ。そういえばいまので思い出したんだが・・・」

エルギスは突然足を止め大剣を私の首に近づける。


「意見と指図は違うからここではあまり図に乗らないことを奨める。一ヶ峯君」


唾を飲み込むこともできないくらい近い。

エルギスの眼光が痛く、緊張した空気が流れる。


剣がおり、一息つく。


「まあ今のは別に指図でもなかったが今後あまり度を越してしまうと危ないという忠告だ」


意味はくみ取れたが、脅しが過剰な気がする。。。


「話を戻す」

エルギスは大剣を立て、両手を上にのせて話を続ける。


「さっき話した能力についての話だが、地味なものだと特定の生命体の場所を感覚で分かるようになるだけとか、

 関節の可動範囲が広くなるだけとか、そういった能力もある。

 まあせいぜいそうならないことを願うんだな」


私が露骨に帰りたいような表情を作ると、エルギスは追い打ちをかけてくる。


「ちなみにさっきこの研究所の扉をお前の家と繋がせてもらったが、すでに接続は切れている。

 この場所も機密情報だから歩いて帰ることもできない」


「ええ、それ先行ってよ」


本当に帰りたくなってきた。。。


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