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彼女の奇麗な花には毒がある  作者: こるたな
4/12

第四華

これで本日の投稿は以上になります。

つまり話が長くて飛ばした人向けにまとめると?


「その造花病患者を救うために手伝ってほしい」

ありがとう第四の壁を突き破って。



朝ごはんを食べ終わり、家を出る支度が整った。


「とりあえず、今日は大学なんだ。

 帰ってきてから考えるよ」


「残念だが、タイミングは今しかない」


え?


「今を逃せば私は二度と現れない。

 そしてさっきも少し話したが、記憶を消すこともできる。

 この少しの情報でも外部に流れては困る。

 つまりはこの私とあったこともすべて記憶を消させてもらう。


 貴様はいつあの娘が消えてしまうのかわからないまま生きていくことになる。

 もちろんその数字もなくなるし、知らない方が幸せなこともあるから、

 その選択は貴様に任せる」


いきなりのことで現実味がなく、脳の処理が追い付かない。

今でも、まだ夢なんじゃないかと思う。

しかし、このタイミングを逃せば超能力も手に入らず、7カ月もしないで知沙がいなくなる。

もし能力を授かったとして、回復できる能力じゃなければ何も知らず知沙と過ごしたい。

いきなりこんな選択に迫られても一体どうしたら・・・・。


「・・・もう少し考える時間をくれないか?」


「わかった」


私は玄関の段差に座りこみ、額に手を当てる。

落ち着いて状況整理をする。


(えっと、まずこのエルギスって人は造花病について研究している機関の人。

 俺の彼女が造花病に罹っているから造花病を治すために力を貸してほしい。

 この人は協力してくれそうな人全員に声かけてるのか?

 まあそんなことはどうでもいい。

 えーっと、じゃあ能力を受けなかったらどうなるか。

 知沙と今まで通りの毎日を過ごして、時間が来たら知沙がいなくなる。。。

 。。。考えるだけで泣きそうだ。

 特になんの変化もない日常が来るはずだ。

 能力を受ける場合。

 この情報を生かして今後立ち回ることは可能だ。

 記憶もなくならないし、能力ももらえる。

 唯一気にかかると言えば知沙に会えなくなることだ。

 んと、つまり、つまりだ。

 知沙とのかけがえのない200日を取るか、それともワンチャンの能力を取るか。

 それも1%以下の。。。

 おそらく能力を取れば後悔することが多いだろう。

 すぐ回復能力を手に入れて、すぐ回復に向かって治ればいい話だが、

 そんなのは楽観にもほどがある。

 どうする。。。。

 もう思い切りで行くか?

 知沙との約束もあるしな。

 あの約束を果たすとしたら今しかない。

 知沙には申し訳ないけど、待っててもらうしかない)


私は無言で立ち上がり、後ろを向いた。


「あー、えっと。全部聞こえてたんだよな?」


「ああ。でもお前の言葉で聞きたい」

そういってエルギスは少し片頬を上げた。


「・・・わかった。ナス機関だか何だか知らないが、協力しよう。

 得体が知れないのは変わりないし、完全に信用したわけじゃないが、

 少しでも可能性があるなら、俺はそれに賭ける」

エルギスはさらに頬を上げた。


「よく言ってくれた。参加に感謝する。

 大学はいかなくていいぞ。うちの期間の上位が校長に事情を話してくれる。

 っていっても偽りの事情だがな」


そう・・・か。行ってしまえば友達に会えなくなるし、今までの生活ができなくなるのか。


「まあでも安心しろ。特に費用を求めることはない。

 機関に寮があるから生活は不自由なくできる。思ったことも全部言ってくれ。

 できる限りはかなえよう。ただし服は指定の物があるからそれを使ってくれ」


「ああ、わかった」


まだ不安なことばかりで現実味がないのは変わらないが、もう成り行きに任せよう。


「あ、まった、最後に一つだけいいか」


「なんだ?」


「行く前に知沙とあっておきたい」


「すまないが、それは許可できない。

 我々の存在を既に話してしまったからにはそれを外部に流してしまう可能性は

 徹底的に排除しなければならない。だからすまないが我慢してくれ」


やっぱりそうか・・・。

少し予想はしていた。


「わかった」


大学の荷物を置き、靴を履いて出る支度をした。

交わした約束がこんなにも早く現実になり得るとは思いもしなかった。

決意を抱き、冷たいドアノブを回して家の扉を開ける。

エルギス【あ、小林さんの記憶消すの忘れてた。

     まあ、また今度お茶を飲みに行こう      】

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