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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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ぷるん

冬は日が暮れるのが早い。ぐっと冷え込んだのでグリーンのマントを着て出掛ける。レインは普通の冬服なので少し寒そうだ。



薬草工房につくと婆さんはレインの事を知っているようだ。本を売ってもらえるぐらいだから当然だな。


「これが回復ポーションかえ?」


白濁しているので驚いている。念の為に鑑定させてくれと言われたのでどうぞと言っておいた。


「確かに中級ポーションじゃな。銀貨1枚で良いか?」


と銀貨を貰った。これで晩飯代が賄える。ポーションって儲かるな。


「む、これは回復ポーションの渋さも全くないし旨いのぅ」


「保存性をなんとかしたら売れると思うんだよね」


「回復ポーションは低級じゃないと数は売れんぞ?」


「うん、これを薄めるから大丈夫。今ギルドの食堂で試してもらってるの。保存性が高くなったら販売するつもり」


「ポーションはいつから作っておるのじゃ?」


「今年に入ってからだよ。まだつい最近」


「そんな僅かな期間でこれを作り出したのか・・・」


「シャルロッテは全初級を一度で作れた天才」


「ほう、レインがそう言うのか。面白いのぅ。スペシャルの本をまけてやったら買うかね?」


「お金が無いわけじゃないんだけど、流石にスペシャルは買えないかな」


「いくらまでなら出せるんじゃ?」


「今なら金貨10枚。将来稼げたらもっと出せるかもしれないけど。持ってるお金は私のであって私のじゃないの。いずれ返したいお金だから稼げる目処が付かないと使いたくないの」


「お前が作った新しい物の製法をワシに教えるつもりはあるか?」


「ここでポーションを売るの?」


「ワシは知識があっても作る才能が無かったのじゃ。爺さんは作る才能があったんじゃがな。じゃからポーションはもう作ってはおらん。ワシはただどうやって作るのか知りたいだけなのじゃ」


「資格は持ってる?」


「当然じゃ」


金貨10枚か。どうしようかなぁ。


「少し考えさせて」


「うむ、よく考えてみてくれ」


そしてマグソフ亭に行く。


「お、いらっしゃい」


「今日はご飯食べにくるついでにプレゼント持ってきたの」


「プレゼント?」


「そう。はいこれ」


「なんだこれは?」


「ハンドミキサーとミキサー。ハンドミキサーは生クリームをホイップするのに使って。ミキサーは材料をクリーム状に出来るから野菜スープとか楽ちんに出来るよ」


「魔道具なんて高価な物貰えるかよ」


「試作品だから使って。前にいいものあげるって約束したやつ。自分で作ったんじゃないけどね。これの商品登録はしてもらったからこれが売れると私にお金が入ってくるし」


「いいのか?」


「腱鞘炎になってシフォンケーキ作れなくなったら大変だから。あともうすぐしたら生クリームを作る魔道具が出来てくるからそれも持ってくるね」


お金払うと言われたけど断ってご飯をサービスしてもらうことで話が付いた。次回からは原価で食べさせてくれるらしい。支払いは半額以下だ。そしてソフテアに抱きしめて貰って思いっきりふにふにさせて貰った。うん、満足満足。



「シャルロッテ、あの本を買うの?」


「あった方がいいよね」


「私が教えることなくなる」


あ、それを気にしてたのか。


「それは気にしないで。色々と作り出すようになったら手伝ってもらうし、レインの作りたいポーションも一緒に作りたいし」


「私は役立たず」


「そんなこと無い。信用出来る人がいてくれると安心。そのうち卒業生を雇ったら指導者も必要だし」


「私でいいの?」


「もちろん。でなきゃルームメイトに誘わないから」


「どうして出会って日が浅いのに信用出来るとか言うの?」


それもそうだな。どうしてだろう?


「勘ってやつ?ゼルとも友達みたいになってくれたし」


「それだけの理由?」


「うん。ゼルは信用しているし、ゼルも初めから警戒してなかったからかもしれない」


「ゼルは私の事を信用してくれたの?」


「そうですね。敵意や悪意は全く感じませんでしたし、姫様を利用しようという嫌な感じませんでしたし」


そうゼルが言うとレインはポロポロと泣き出した。


「ど、ど、どうしたのっ?」


「帰ったら話す」


暫くして泣き止んだレインは料理が美味しいと言ったのであった。



そして、部屋に戻るとレインは意を決したように話をした。


「驚かないでね」


「え、あ、うん」


レインは何やらブツブツと唱えるとブラウンの髪色が銀髪になっていく。そして耳が・・・


「レインってエルフだったの?」


「違う。ハーフエルフ」


うおっ、ファンダジー人種じゃんっ。


「隠しててごめんなさい。嫌われたくなかった」


「嫌う?どうして?」


「ハーフエルフは呪われた存在と言われている。村のびょ、病気も わ、私のせいだと言われ・・・」


そう告白したレインは大きな涙を流し出した。


「何それ?そんな事ある訳ないじゃん。病気はウィルスか菌のせいだよ。レインのせいなんかじゃないから」


うっうっうっと泣くレインを座らせてよしよしする。ついでに耳を触らせてもらったら恥ずかしがって真っ赤になった。この反応たまらん。耳の触り心地もとてもよろしい。リーリャの腹や太ももに匹敵するぐらい心を満たしてくれるのだ。


「レイン、素晴らしい。いいよこの耳。ずっと触ってたい」


「気持ち悪くないの?」


「私の欲を満たしてくれる最高の耳だ。ハムハムしていい?」


それはダメと断られた。


昔話を聞くと父親が人間、母親がエルフでエルフということを隠して住んでいたそうだ。エルフは魔力が高く耳や髪を隠蔽する魔法というのがあるらしくレインはそれを使っていた。俺が習得出来なかった魔力を抑える魔法に似てるんだろうな。で、両親が病気になった時に魔法が解除されて母親がエルフということがバレ、レインもハーフエルフということがバレたのだそうだ。


でこの病気はレインが呪わているせいだとなり村から追い出されたとの事。


そこから野にあるものを食べ、雨水を飲み過ごしていたそうだ。そこへたまたま薬草採取をしにきたリッカがレインを発見。この学園に入学させて勉強を教えて飛び級をさせたとのこと。成人するまでリッカが後見人だったらしい。


ハーフエルフも魔力が高いらしく、リッカはモノになると確信して勉強を教えたのだろう。


「だからリッカ先生はレインの事をあんなに信用してたのね」


「そう。色々とイチから叩き込まれた」


「魔法は何が使えるの?」


「植物育成が使える。けどこれを使うとエルフの血を引いてる事がバレるから使わない」


「魔力は高いの?」


「この状態なら。日頃の姿は普通の人より多いけどたいしたことはない」


「いつまで隠しておくの?」


「ずっと」


「なんで?」


「怖いから」


「なら、ここにいる時とか、私が卒業して一人立ちしたらハーフエルフの姿になって」


「でも・・・」


「大丈夫大丈夫。そっちの方がずっと可愛いらから。私ね、すっごい魔力多いらしいの。それを抑える魔法を使わないとダメらしいんだけど発動しないから運動か欲を満たさないとダメなんだ」


「欲?」


「そう。フワフワ中毒なの。でもレインの耳も欲を満たしてくれるわ」


ぷるんぷるんとレインの耳をもてあそぶ。もうハムハムしたくてたまらないけどまだ我慢だ。慣れてきたらそのうち。クックック。


「姫様、悪い顔になってます」


ゼルには悪巧みが見抜かれていたようだ。


レインが落ち着いたのでお風呂に入って出てくるとハーフエルフでなくなっていた。ずっとそのままでいいのに。


そして風呂に入る前のレインはゼルからたまにするような甘い匂いがフワと漂っていた。あれ?ゼルからかな?とゼルを抱きしめてスンスンする。


「な、なんですか?」


「レインからゼルと同じ匂いがした」


「ちょっ、ちょっと姫様、くすぐったいですっ」


あちこちスンスンしてもゼルからは甘い匂いがしない。おかしいな。やっぱりレインからかな?これぐらいの年代の女性って甘い香りがするものなのだろうか?


スンスン


「うっひゃっひゃっひゃ」


スンスンする鼻先がゼルのあちこちに当たるのがくすぐったいらしく、耐えられずにゼルが笑いだしたのでそのままグリグリしてやる。


「うひゃっ」


グキキキキキ


また死ぬ所のシャルロッテであった。








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