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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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皆お金に苦労しているらしい

なんか自分の部屋でボッチ感だな。


もうお肉もお腹いっぱいになってしまったのでスイートポテトでも食べるか。 


(なにそれ?)


「スイートポテト。お前メロンケーキとシフォンケーキとか散々食ってるんじゃないのかよ?」


(違うのも食べたいじゃない)


「今までフルーツ食ってりゃ満足だったんだろ?贅沢いうな」


(いいから供えてよ)


また喧嘩になるのでパンパンと柏手を打って供える。


(ンフ ンフフフフ♪)


相変わらず気持ち悪いやつだ。


お供えを下げて少し食べるとまぁ美味しい。焼き芋は甘くなかったからこうやって食べるのが正解だな。


シフォンにまたおかわりの声を掛けられるのもなんなのでゼルのもレインのも供えておいた。


あの二人まだ喋ってるな。レインは歳いくつなんだろう?ゼルと歳が近そうだから話が合うのかもしれない。


たまには一人で風呂に入るかと思って用意していたらゼルが入ってきた。レインは一人で入るとのことだ。


風呂を交代して寝に行く。ルームメイトに気を使うとこれからも気を使い続けないとダメだから、初日から今まで一緒に暮らしてたかのようにした。


ゼルは生クリームを取ったあとの牛乳を明日のお弁当用にシチューにするらしく先に寝ておいてくれとのことだった。


寝入った頃に酔ったゼルにぎゅうぎゅうと抱きしめられ拷問のようだった。


翌日からレインと一緒に研究室に行きそれぞれの研究を行う。


俺はまず回復ポーションの渋さをなんとかしたい。緑茶は熱いお湯を使うと渋く、ぬるめにすると甘さだけが出るんだっけか。


回復草と細かくした根をぬるめのお湯に入れてかき混ぜる。が、黄色に変化はするが色が薄い。やはり煮出すようにしないとダメなのか。もしかしたらあの渋みが回復薬効があるのか?渡された本を読んでもそんな事は何も書いていない。これは一つずつ実験して行くしかないな。


温度を測って、5度単位で作っていく。だいたい95度以上で濃い目の黄色になる。やはり顔が真ん中に寄るぐらい渋い。



はぁ、昼休憩しよ。


「レイン、お昼御飯たべよ」


レインからもう卒業出来る能力もあるし、部屋も世話になるから敬語は使わないで欲しいと言われたのでタメ口だ。逆に講師が終わったので身分差から敬語を使おうとするのでやめてくれと言ったからお互いタメ口だ。


「お金払う」


「いりません。こんなのにいちいち払うとか面倒だからやめて。食材も卸値くらいまで下げてもらってるから安いし」


「わかった」


ゼルの作ったクリームシチューとパンを食べてるとリッカがやってきた。


「リッカ先生お帰りなさい」


「戻ったぞ。シャルロッテの勉強は進んでるか?」


「もう私が教える事は終わりました」


「は?」


「もう独自のポーションを作り始めてます」


「そうか。優秀だとは思っていたが、作る方も優れているのか。研究室に確保しておいて良かったな。で、何を作るんだ?」


「まずは渋くない回復ポーションを作ろうと思います」


「それが出来たらかなり売れるぞ」


この研究室は様々な機材が揃っている。それを自由に使える代わりに、商品化したポーションで利益が出たら寄付をするようになっているらしい。頑張って売れる物を作って寄付を期待していると言われた。随分とゆるいな。普通は研究室に権利をぶんどられそうなもんだけど。


「先生も食べますか?」


と、ゼルシチューを進めるとバクバク食っていた。先生も食費を研究費にあててるんだろうな。


「はい、これはデザートです。私は昨日食べたから先生にあげます」


ゼルとレインは肉をガッツリいったのでスイートポテトまで行き着かず、お昼のデザートに持ってきたのだ。


「これはなんだ?」


「サツマイモのお菓子です。甘い物が好きならどうぞ」


「姫様、私の分を食べて下さい」


「いや、いらないからゼルが食べろ。シチューでお腹いっぱいだしな」


「おいしい」


レインも甘い物好きみたいだ。少し嬉しそうな顔をすると可愛い。


「む、なんだこれは旨いぞ」


「お口に合って良かったです。サツマイモをお菓子にしました」


「サツマイモがこんなに旨くなるのか」


「甘みと生クリームで脂肪分を足してますからね。カボチャでしても美味しくなりますよ」


「これは売るのか?」


「んー、売れそうならレシピ登録します。誰か作って売るかな?」


「研究室の学生にやらせるか」


「皆研究を優先したいんじゃないですか?」


「それはそうだが稼がねば研究も出来んからな」


「なら、クインシー様が買った店を学園に貸出す事になってますからそこで販売したらどうですか?そこで売る分のレシピ代は研究室への寄付ということでいいですよ」


「いいのか?」


「はい。他の所で売る分からはもらいますので」


ということで学生達が授業から戻って来たら作り方を教えてやってくれとのことだった。


リッカは残ってたシチューを平らげて授業に走っていく。


「そんなに簡単にレシピ代を寄付していいの?」


「そんなに利益出ないだろうからたいした額にならないと思うよ。儲ける奴は高単価でも売れる奴を考えるから」


学生達が戻って来てリッカがやりたい生徒を募集したら大半がやりたいと言い出したので曜日で分けてやることに。生クリームを取った後の牛乳も利用するのにプリンも教えておいた。これのレシピ代も寄付だ。


店の申込みはリッカがしておくとの事。店舗で使う冷蔵事は魔道具の講師に頼んで格安で作くらせるらしい。生クリームを取るのも遠心分離機でやるようでかなり効率的に出来る。


「リッカ先生、魔道具の先生を紹介してもらえませんか」


「何をするんだ?」


「作って欲しい物があるんです」


翌日紹介してやるとのことで、レインと帰ろうとすると。


「レイン、どこに行く?」


「シャルロッテの部屋にお世話になってます」


「なに?」


「ルームメイトです。昨日はお肉をご馳走になりました」


「ズルいぞ」


「先生は専用宿舎があるんですよね?」


「あるにはあるが食堂はない」


そうなんだ。


「今日は何を食べるんだ?」


「何にしようね。唐揚げでもする?」


「おぉ、それはいいな」


リッカも食べに来る気なんだ・・・


精肉店に行って鶏もも肉をたくさん購入。サバーンで他の食材とリッカはビールを買っていた。酒は自分で買わせよう。



ゼルが唐揚げを作ってるとノック音。誰だろうか?


ゼルは揚げ物中なのでドアを開けるとアームスとバレンシア、デルソルだった。


「何?」


「いい匂いしてるな」


「今から唐揚げ食べるからその匂いだよ」


よだれを垂らす3人。どうやらそれぞれがフルーツを持って来てくれたみたいなのでそれだけ貰ってはいさよならも悪いので中に入れた。


「えっと、リッカ先生と誰だ?」


「ルームメイトのレイン。リッカ先生の助手をしてる。私に色々と教えてくれた人だよ」


と、皆に紹介するとレインは皆を知っていた。


「レイン、こいつらに敬語使わなくていいよ」


「おい、こいつら扱いすんな」


「あ、バレンシア。本ありがとうね。もう大丈夫だから持って帰って自分も勉強しなよ」


「もういいのか?」


「もう卒業試験も受ける必要ないし大丈夫」


唐揚げを一口食べてアームス達はビールを取りに行った。俺だけレモン炭酸水かよ。


貰ったフルーツは柏手を打ってシフォンにお供えしておく。


(ねぇ、みんなで何を食べてんの?)


「お前にはフルーツ供えてやっただろ」


(それも供えてよ。後皆が飲んでるやつ)


ったく、毎日せびってくんなよな。


唐揚げとアームスからビールを一本取り上げてお供え。ちゃんと蓋開けてコップに入れろとか面倒クセェ。


(うんっ うんっ ンフフフフ)


こいつ、甘い物だけで良かったんじゃなかったのかよ?


お下がりの唐揚げをつまみつつ、コップのビールを飲んでやろう。


「信心深いのはいいけど、飲んじゃだめよ」


と、リッカに見つかり没収されてしまったのであった。


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