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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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ルームメイトが出来た

翌日もラーメンと卵を持って研究室に。


朝からまた各種初級のポーションを作っていく。


「もうどれも問題なく作れる。あとは自分で色々と組み合わせたり工夫して作っていって」


「どういうことですか?」


「あなたはもう卒業資格があるから自由研究に移っていいの」


ん?


「意味がわかりませんけど」


「普通はやり方を教えても上手く作れない。効能が薄かったりポーションにならなかったり。全種類安定して作れるようになるのは1年から2年掛かる」


「ということは?」


「もう授業を受ける必要はない。好きな時に来て好きな時に帰っていい」


「まだ新学期始まってませんけど」


「でも授業で教えることは終わった。あとはあなたが納得いくまでやればいいだけ。リッカ先生が帰ってきたら資格のテストを受ければいい。それに受かれば卒業でも続けるのもあなた次第」


「この研究室にいる人は授業受けてるよね?」


「初級ポーションはみんな作れるけど、数学や化学の授業が残ってる」


そういうことか。


「あなたは何を作りたいの?」


「上級治癒ポーション、美味しい回復ポーションとかかな。あとは店でよく売れるもの」


「どこかのポーション工房じゃなしに自分の店を持つつもり?」


「店はもう買ったの。リフォームしたら使えるよ」


「上級ポーションを作れるようになってもどこに売るの?売り先は大手工房に押さえられてる」


「メロン軍に売るから大丈夫」


「ズルい」


「うん、今納入してる所より品質が良いという条件なんだけどね」


「店はどこに出すの?」


「サバーン商店って知ってる?そこの近く」


「人を雇う予定ある?」


「利益が上がればね。私はまだゼルにお給料も払えてないからまずはゼルにお給料を払えるようにする。あと、クインシー様に金貨を貰ったんだけど返そうと思ってるから、先に使った分を返してからかな」


「どれくらい返すの?」


「金貨を20枚近く使ってる」


「大金ね」


「うん。でもラーメンとかジャムとかのレシピ代が入ってきてるからポーション販売が軌道に乗ればなんとかなるかな」


「そう」


「レインさんは何を作ろうと思ってるの?」


「病気を治すポーション。私の両親は流行り病でなくなったの。高熱が出てそれが下がらなくて亡くなった。村の皆もたくさん亡くなった。だからそれを治せるポーションを作る」


高熱か。原因は色々とあるからなぁ。村全体が感染したならウイルスの空気感染か水の汚染とかかな?


「下痢した?」


「吐いたし、下痢も酷かった」


コレラとかかもしれんな。むかしドラマで江戸時代にタイムスリップした医者がペニシリン作って治療したんだっけな。ペニシリンって元の世界の抗生物質なんだよな。カビから抽出したんだっけ。


まぁ、ドラマの知識でなんとか出来るわけないわな。


「うん、私にはよく分からないや。ポーションを作るにしてもどうやって効能があるか調べるの?」


「それが難問。まず同じ症状が出てる人がいないから行き詰まってる」


だろうね。ドラマは梅毒に侵された人の膿を培養して薬効を調べてたよな。


「傷口が化膿して膿出てる人とかいるじゃない?」


「いるわね。ポーションを買えないような人とか傷を大したことないとなめてる人とか」


「その膿を培養して、それをやっつけるポーション作ってみたら?」


というか治癒ポーションで治らないのだろうか?


「ゼル、傷口が化膿した人は治癒ポーションで治る?」


「その部分を切り落としてから治癒ポーションを使うと聞いた事があります」


なるほど。


「骨折した時は?」


「骨を元の状態に戻してからポーションを飲みます」


「骨を戻すとき痛そうだね」


「私は経験がありませんが相当痛いでしょうね」


ということは痛み止めポーションも必要だな。こりゃ、色々と作らないとダメだな。


「膿の培養って何?」


「黄色とか緑にネチョっとしたやつには菌という目に見えない悪いものが混ざっててそれが身体に悪さをするんだ。それを培養、つまり増やしてたくさん用意する。出来たポーションを垂らしてそれが効くかどうかを試す為に必要なんだ」


「どうやって増やすの?」


あれ寒天使ってたよな。オレンジに行けばあるだろうか?


「うん、私も詳しくはわからないから研究しないとダメだね。春休みにオレンジに行くからそこで使えそうな物があるか探してくる」


「何か心当たりあるの?」


「天草っていう海藻が有ってね、それを煮出すと固まるんだけど、それが使えるかもしれない」


「あなた、本当に色々な事を知っているのね」


「本をたくさん読んだからね」


「うん、どうすればいいか光が見えた気がする」


「あ、宿舎は自由に使っていいみたいだから泊まりにきて。色々と一緒に研究出来るしちょうどいいね」


「本当にいいの?」


「うん。色々な人が急に来たりするけど。お風呂入れた方がいいでしょ?」


「ありがと。お礼に私が研究したこと教えてあげる」


「ほんと?なら店も一緒にやる?」


「雇ってくれるの?」


「雇うというかそこで一緒にやればいいかな」


「ありがと」


レインは少し涙を浮かべていた。かなり苦労してきたんだろな。リッカが帰って来たら色々と相談してみよう。


店をやるのはまだ先だしな。


病気の原因は多岐にわたるから先行してポーションを作るのは俺には無理だ。出来るとしたら回復ポーションを使って自己治癒力や免疫力を高めるとかかな。


優先課題は回復ポーションだな。まずはあれを美味しくて効能をあげることに注力しよう。



昼にラーメンを食べて、回復薬の根をゴリゴリと粉にしていく。ベースがこれなのは間違いないからな。ある程度の量は研究室の使っても良いがそれ以上は自分で調達か。ギルドに採取依頼出さないとな。

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ。


皆が授業から帰って来た頃を見計らって止めた。上の学生が優先して使えるように配慮してあげてと言われているからだ。俺は午前中とか使い放題だからな。


レインに買い物してから部屋に帰る前にここによると言っておいた。


ギルドに寄って回復草の随時採取依頼を出した。新人の仕事らしいので随時依頼は助かるとのこと。


「よう、またなんか売り込みに来たのか?」


食堂のコックだ。


「ううん、回復草の採取依頼を出したの」


「何に使うんだ?」


「回復ポーションの研究」


「ほう、もうそんな勉強するとこまで進んだのか?」


「うん」


「回復ポーションは苦いからなぁ。あれを旨くしたら売れるぞ」


「うん。それをしたいんだよね」


「それ期待してるわ。いいのが出来たらここの飯に使ってやんぜ」


「飯に?」


「あぁ、スタミナ料理に使えたら人気出そうだろ?」


なるほど。スタミナの付く料理みたいな感じで考えればいいかも。


「いいこと教えてえくれてありがとうね」


「おう、また来いよ」



次は食材の購入。今夜はローストビーフにしよう。使うのは牛のもも肉か。精肉店に行ってもも肉の塊を買う。サバーン商店に行ってサツマイモと牛乳やジャガイモ、玉ねぎやら色々と買っておいた。レインは酒飲むかな?


「ゼル、ワイン買ったら飲む?」


「そうですね。お肉なら少し飲みたいかもしれません」


ということでワインも購入。サバーンで買うとまけてくれるのでお得なのだ。


研究室に寄ってレインをピックアップ。カバン一つだけど荷物これだけしかないのかな?


「ここ広いね」


「この階では狭いほうなんだけどね」


レシピを見ながらゼルにローストビーフの作り方を説明。


で、マッシュポテト、ローストビーフのソース作り。


「サツマイモはどう使うのですか?」


「これは別。おやつにするから」


サツマイモを蒸して半分に切ってスプーンでくり抜く。実を裏ごしして生クリームと砂糖を入れて混ぜてまた皮に芋に成形する。水溶き卵黄を塗ってオーブンに。


そしてローストビーフが冷めたので切り分けて玉ねぎベースのソースとホースラディッシュ。付け合せはマッシュポテト。おー、なんか豪華だ。


「お待たせです」


「いつも二人でやってるの?あなた姫なのよね」


「元ね。今は姫なのかどうか分からない。クインシー様が後見人になってくれて、この部屋を今まで通りに使えるのと変な事に巻き込まれないように王族としてくれているだけだから」


「でも天上人なのは変わりない」


「うん、学費も自分で払ってないし恵まれてるね」


そして、レインはローストビーフというより久しぶりの肉に感動していた。ゼルもレシピ伝えるだけで再現出来るの凄いよな。


ゼルとレインは赤ワインを飲み話をするようになっていた。

 

俺も飲んで仲間に入りたい。


一人飲めないシャルロッテは少し寂しかった。



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