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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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神に名付け

「姫様、新しいお菓子とは?」


「簡単に出来るケーキ。パンケーキと材料変わんないけどふわふわだから高く売れると思う。明日材料買いに行こうか」


学園に付いて部屋に戻ってからゼルとそんな話をした。


翌日学校が終わった後に調理器具を売ってる店に行くけど真ん中に穴の空いたケーキを焼くやつなんて売ってない。


「すいませんーん、こんなやつありますか?」


と聞いてもないので、調理器具を作っているところを紹介してもらう。



「そんな物何に使うんだ?」


「パンみたいな物を焼くの」


「まぁいい、作ってやる。いくつ必要だ?」


店だと複数必要だよな。


「じゃ、5つ」


底も外れるようにしてもらった。


5つて銀貨6枚。結構面倒臭そうだから仕方がない。


帰りにサバーン商店に寄ると繁盛していた。寒くなるに連れてラーメンが飛ぶように売れるようになってきたらしい。商人の馬車も止まってるし大口の客が増えたのだろう。キャラメルソースも売り切れて増産体制に入ったみたいだ。



食べ物屋(マクソフ亭というらしい)に寄ってマクド達に調理器具の値段も伝えておいた。買えないと言われたらメロンに寄付しようかと思ってだけど使うらしい。



そして数日後ケーキ型が出来たので部屋でゼルに試作させる。牛乳も買って生クリームもスタンバイ。残った牛乳はクリームシチューにしてもらおう。


「姫様、これは結構大変です」


卵白を手動で泡立てるの大変なんだな


何とか出来てオーブンへ。


「ゼル、次は生クリーム」


めっちゃ嫌そうな顔をするけどやってもらう。俺には無理だ。


ふむふむ、焼けたケーキはひっくり返しておくんだな。


「これで冷めたら食べられるぞ」


「これ、剣の稽古より辛いです」


「じゃ、次は晩ごはんのクリームシチューね」


頑張れゼル。


シチューが出来上がったので晩ごはんを先に食べる。

 

「ゼルが作ってくれたシチュー美味しいよ」


と、言うと喜んでくれた。明日休みだからガーリックトーストにしちゃお。


うんうん、ガーリックトーストとクリームシチュー美味しい。


最近ラーメンとポテトをあまり食べてない。こうやってゼルが作ってくれると普通の飯もいいもんだなと思う。元の世界でも結婚してたらこんな生活ができたのだろうか?


いや、こんなにかいがいしく料理作ってくれたり何でもしてくれる人なんていないだろうな。リーリャも何でもしてくれるけどあれは仕事としてやってくれている。ゼルには給料払えてないから仕事とはいえない。


「ゼル」


「はい」


「お前は理想の嫁さんだな」


硬さを除けば。


「どうしたんですか急に?」


「いや、ちょっと言ってみたかっただけ」


「そんな風に言われると照れますよ」


いや、本当に。

言ったこっちも照れくさいので話題を変えよう。


「さ、このケーキを試食しようか」


「はい」


えーっと、ケーキ型からナイフで一気に切って底ごと取り出す。それから底も切るか。


と、ゼルに伝えて切り分けてもらった。


「さ、生クリーム付けて食べてみよう」


「凄いフワッフワです」


「初めて作ったのに上手くできたな」


(供えなさいよ)

 

またか・・・


「お前、メロンのコックに取り憑いてたんじゃないのかよっ」


(ちゃんとお供えしてもらってるわよ)


「なら、これは劣化版だから食う必要ないだろ?フルーツもないし」


(いいのっ)


太っても知らんぞ?


「ほらよ」


(ンフ ンフフフ)


気持ち悪っ・・・


俺も食べる。コックが作ったスポンジみたいなきめ細やかさはないが、こっちの方がフワフワ感は上だな


「うん、旨いよ。ゼル、俺がポーション屋やるから隣でケーキ屋をやれよ」


そういうとめっちゃ嫌な顔をした。


(おかわり)


「は?、そこにまだあるだろが」


(もうないのっ)


そう言うので、一旦そこから下げてもう一度供えたらバレた。何が違うのだろうか?おさがりを食べてもわからなかった。


「ほらよ。ところでお前の名前なんていうんだ?みんな神としか呼んでないけど」


(神は神よ)


「神って呼びにくいから名前付けるぞ」


(好きにすれば)


「じゃ、デブ」


(嫌よっ)


「そんだけ甘いもんばっか食ってたらデブだろうが」


(ふ、太ってなんかないわよっ)


本当かなぁ?ふわふわなら許すけど、硬いデブとかだったら許さんからな。


「これ、フルーツないけど好きか?」


(うん)


「じゃ、シフォンで」


(それでいいわよ)


女神の名前はシフォンになった。神に名付けしたのは俺ぐらいだろう。


「ゼル、残りのシフォンケーキも供えて」


「これはシフォンケーキというのですか?」


「神様の名前がシフォン。その神が好きなケーキだからシフォンケーキ。これで売り出すから。ゼルが神のケーキを作り出したんだ。神様になんか加護を要求しとけ」


「加護なんて貰えるのですか?」


「貰ったら毎日作らされるけどな」


「いりません」


ゼルはよっぽど卵白を泡立てるのが嫌だったらしい。



翌日、マクドの店に行ってシフォンケーキを作ってもらう。


「結構手間だな」


「その代わり原価が安いから利益率はいいよ。生クリームを取った後の牛乳はシチューに使えるし」


「これはなんて菓子だ?」


「シフォンケーキ」


「へぇ。なんか意味があるのか?」


「神様の名前がシフォンっていうの。神様が好むケーキでシフォンケーキだよ」


嘘だけどね。本当の意味は知らん。


「おや、神様に名前あったんだね」


「シフォン様が好むケーキでシフォンケーキか。それはすげぇな。よし、頑張って作ってみるか」


と、マクドが作るのをゼルがサポート。パンは奥さんのソフテアが作ってるみたいなので甘いパン、レモンマーマレードを練り込んだパンとキャラメルソースを練り込んだパンを作ってもらう。


メレンゲ作るのもマクドは速い。さすが料理人っていうところか。


奥さんにレモンマーマレードの作り方を教えてからパン生地に塗ってくるくると丸めて食パンケースに入れて焼いて貰った。キャラメルパンも同じだ。待ってる間にクリームシチュー作り。ゼルも知らなかったみたいなので珍しい料理なのかもしれない。


そして焼きがったレモンパンから試食。


「あら、これは美味しいわね。食べたことないよこれ」


じゃ、レシピ登録だな。


そして生クリームをホイップして、シフォンケーキと共に。


「うおっ、フワフワじゃねーか。これはお茶とセットで銅貨10枚でも安いぞ」


「じゃ、ランチはこれでいいいかな?」


「おう、ありがとうよ。レシピ代は身分証に振込でいいか?」


シフォンケーキも甘いパンも1割貰えるらしい。


「じゃ、それでお願いします」


と、身分証を渡すと。


「ん・・・お、王族・・・だと?」


「あー、それ気にしないで。家を離籍したときにクインシー様が後見人になってくれたおまけだから」


「離籍ってどこの・・・」


「ストロベリー家」


「やっぱり王族様じゃないかっ。俺たちは姫様になんてことを・・・」


「もうっ、気にしないでって言ってるでしょ。この前一緒に来た男の子も庶民だったけど普通に喋ってたでしょ?」


「ほ、本当によろしいので?」


「いいです。あとお願いがあるんだけど」


「な、なんでしょうか?」


「シフォンケーキやパンを作ったら女神様にお供えして欲しいんだけど。女神像って持ってる?」


「あぁ、商売人はみんな持ってる」


そうなんだ。


「じゃ、普通に接してくれること、女神様にお供えしてくれること。この2つよろしくね」


「わ、わかった」


ついでにラーメンも売り込んでおいた。仕入れするならサバーン商店と共同購入とか相談してと言っておいた。



店を出て歩いて帰るとゼルが聞いてくる。


「ここでお供えしてもらうんですね」


「そうしないとゼルが毎日作ってお供えすることになるぞ」


「お願い出来て良かったですね」


素直で宜しい。



部屋に戻るとユーバリーがいた。


「どこに行ってたの?」


「食堂に商売。今度一緒に食べにいく?」


「行くっ」


その後、勉強を見てたらそのまま泊まると言い出したので、猫ミミ付けていけない遊びをしておいた。



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