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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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シド達はやるね

「あれ?いつ帰ってきたの?」


「ったく、ワインに浸かったフルーツを食って倒れたのだ」


あれしきで酔って倒れたのか。


「姫様、人工汗です」


自分でスポドリをそうゼルに教えたけど、言われると嫌だな。


「で、何をしていたのだ?」


「なんかあいつの声を聞いてたらイライラするの。頭の中に直接話し掛けられるかもしれない」


「しかし、わざわざ嫌がらせせずに供えればいいだけの話なのではないか?」


「それはそうなんだけど」


そう言われたらその通りなのだ。しかし、なんかムカつくんだよな。


(早く供えなさいよ)


「ここには無い。コックがそのうち供えてくれるからそれまで我慢しろ」


(えーっ)


「なんで俺に取り憑くんだよ?他の人は喜んで供えてくれるだろが」


(あんた、こっちの世界にないもの知ってるじゃない)


「お前はフルーツ食ってりゃ気が済むんだろ?デルソルにでも取り憑け。思う存分マンゴー食わしてくれるぞ。あれ甘いだろうが」


(け、ケーキの方がいい)


「なら、メロンのコックに取り憑け。あの人はとても腕がいいから美味しいのを供えてくれるから。俺は知ってても作れないの」


(ケチ)


「ケチじゃねーっ。出来ないって言ってんだっ」


(もういいわよっ。フンッ)


「どうした?」


「拗ねてどっか行った。コックさんに取り憑いたかもしれない」


「はぁ、全くお前と言うやつは」


「クインシー様は明日帰っちゃうの?」


「そうだ。こう見えても結構忙しいのだ」


「リーリャ置いてって」


「ダメだ。ここに連れて来るのも面倒なのだぞ。ジルベスターもそうだ」


明日からふにふにが無くなってしまうではないか。また女神にイライラしたら発散するところがなくなってしまう。


「リーリャ、腹か太もも置いてって」


「お腹を取れるものなら取って下さい。シャルロッテ様にあげます」


「えー、ちょっと埋もれたおヘソとか可愛いのに」


「やめてくださいっ」


俺に取ってはチャームポイントなのにリーリャは嫌みたいだ。


「むっちり太ももは?」


「私はスッキリ太ももになりたいんです」


「姫様、私の太ももでよければ」


「ガッチリ太ももはいらん」


ったく、ゼルのやつ春麗みたいな太ももしやがってよく勧めてくるよな。



その夜、名残惜しいので寝ているリーリャの腹にキスマークを付けておいた。こんなに可愛い腹になのに何が不満なんだろう。



クインシー達をお見送りするとまたとても寂しい。来月まで我慢だ。



もう楽しみが無くなってしまったので、飛び級のテストに向けて復習をしていく日々が来る。図書館に行ってそこで勉強したり、食堂で上級生の勉強をみていく。それにユーバリーも飛び級を受けると言い出したので家庭教師みたいな事もしている。あれから女神は話し掛けて来ない。きっとメロンのコックに取り憑いたのだろう。


ある日、頼んでおいたスライサーが届いたのでサバーン商店に持っていく。


「ようやく届いたか」


「これ、実演販売する?ポテチ作って試食させる人知ってるけど」


「お、頼めるか?」


「バイト代ちょっと色つけてあげてくれる?」


「んー、なら時給銅貨6枚でどうだ?あれをやったら他の物も売れるからな」


「学園祭でさ、パンケーキに付ける甘いソースも人気あったんだけど、それを作ったら売る?」


「売れそうか?」


「学園祭だけで200食ぐらい売れたから売れると思うよ」


「なら頼む」


ということで販売単価を安くするために小さめの瓶を用意してもらってここで作る事に。レモンマーマレード、ハチミツレモン、練乳、キャラメルソースも一応レシピ登録したのだ。


今回はキャラメルソースだけにする。


学園でシドとパンケーキ屋にバイトの話を持ち掛ける。


「やるやる。模擬店より儲かるよな」


「それで店の売上が上がるなら定期的にやると思うから頑張って」


ちなみにパンケーキ屋の名前はアイハンだった。ずっとパンケーキと呼んでたら名前で呼んでくれと言われたのだ。


実演販売の前日にサバーン商店でキャラメルソース作り。今後はここで作ってレシピ代を貰う。毎回作業すんのしんどい。


一瓶銅貨10枚。粗利は銅貨7枚だ。取り分は店が銅貨4枚、こっちが3枚もらう。今回は100作った。次からは手伝わない代わりに1割貰える。店も粗利が高いので喜んでいた。


初回は心配なので実演販売を見学。


「フルーツ学園の模擬店でちょー人気商品のポテチを作る機械とパンケーキの甘いソースだよ。さ、見てって」


アイハンはこういうのに手慣れているのかとても上手い。


「はい、試食どうぞ」


「あら、美味しいじゃない。これいくら?」


「どこにも売ってないこの甘いソースがたったの銅貨10枚だよっ。今日の在庫は決まってるから無くなったら次からはいつ入るかわかんないからねっ」


お、売れた。素晴らしい。


シドも負けずにスライサーを説明していく。


「ほら、見てくれ奥さん、この切れ味。じゃがいもがこんなに薄くサッサッサッとね」


「じゃがいもを薄く切ってどうすんさ?」


「ほら、こんなおやつになるんだ。材料はじゃがいもと塩。後は油で揚げるだけ。おやつ代助かるよっ」


「それいくら?」


「なんとたったの銀貨1枚と銅貨20枚だっ」


「随分と高いじゃない?」


「チッチッチッ、これはそんじょそこらの調理器具とは違うんだ。武器屋が丁寧に作ったこの薄い刃物を見てくれよ。こんなの作れるやつそうそういないんだぜ。それにじゃがいもだけじゃない。キャベツだってこの通り、シャシャシャっ。ほら、これで夕飯のサラダが出来上がりだ」


おばちゃんはさんざん迷って買わなかった。調理器具としては販売単価が高いからな。これが売れたら店の取り分は銅貨20枚。こっちには10枚入る。


と、そこにおっさんがやってきた。


「こっちはどう使う?」


細切りの方だ。これはシドも使ったことがないから変わりにやる。まずはじゃがいもを切って油で揚げてもらってる間にきゅうりと大根をシュシュシュっと。それに塩とゴマ、ゴマ油を少し掛けてはいどうぞ。


「何に使うかはお客さん次第だけどこうやってサラダにも出来るしね」


ポテトも揚がったからそれも食べさせる。


「これはおやつだけど、味付け変えたらビールのお供にピッタリだよ。お客さん料理人?」


「そうだ。これ、両方とももらおうか。確かに良い切れ味だ」


自分でもシュシュシュとやって試したのだ。


「これ、武器屋が作ったというのは本当か?」


シャカシャカっとナイフを出して見せる。


「これ作った人だよ」


「ちょっと試していいか?」


と言われたので渡すと、じゃがいもをストトトと切った。


「この武器屋、包丁作ってくれるか?」


「んー、どうだろう。この調理器具は他の人が作れなくて頼み込んで作ってもらったんだよ。包丁は他にも作れる人がいるから無理かも」


「そうか、それは残念だ」


「困ってんの?」


「どうも今のは切れ味が悪くてな」


「何の料理作ってんの?」


「まぁ、色々だ」


「ここから近い?」


「まぁ、歩ける範囲だ」


「今日はやってる?」


「あぁ、夕方からやってるぞ」


「シド、アイハン。これ終わったらご飯食べに行こうか。奢ってあげるから」


「悪いからいいよ」


「なら頑張ってこれ売ってよ。その分私にお金入るから。それで食べに行こ」


「それなら頑張るかっ」

 

「あとこれはソースか?」


と、料理屋のおっちゃん。


「甘いソース。パンケーキとかに付けて食べると美味しいよ。試食してって」


そういうとパンケーキを食べてキャラメルソースを5つも買ってくれた。そして店の場所を教えてもらったので後行くねと約束した。



「ここだね」


あまり大きくは無い一軒家の店だ。結構流行っている。


「はい、いらっしゃい。4名さんだね。こっちの席にどうぞ」


うん、触り心地の良さそうな人だ。奥さんかな?


「今日、サバーン商店で買い物してもらって食べにくる約束したんだけど」


「あら、あんた達がその学生さんかい?マクドから聞いてるわよ。よく来てくれたね。さ、どうぞどうぞ」


と、カウンターに近い席を用意してくれた。


「お、来てくれたか。サービスしてやるから好きな物を頼んでくれ」


メニューを見て、ハンバーグのトマトソース煮込みにする。ゼルは迷ってるので唐揚げにさせた。シェアしよう。


「何にしよっかなぁ。俺はシチューにしよっと」


シドはビーフシチュー、アイハンは冷製蒸し鶏だ。


パンはサービスらしい。



「ほい、おまちどうさん」


「いっただきまーす。うん、美味しい」


ハンバーグのトマトソース煮込み旨いな。ゼルの唐揚げも旨い。ついでにビーフシチューも蒸し鶏ももらった。シド達もハンバーグを食べて美味しいと言っていた。


「どうだった?」


「どれも美味しかった」


「そうかい、そりゃ良かった。で、ちょっと聞きたいんだがな」


「何?」


「あのソースを考えたの嬢ちゃんか?」


「そうよ」


「あれ、レシピ登録してあるか?」


「してるよ。商業ギルドに問い合わせて」


「わかった」


「何に使うの?」


「いや、晩飯はこうやって客も来てくれてんだが、ランチがなぁ」


「ランチのメインのお客さんは女の人?」


「そうだ。単価上げたら来ないし、夜と同じメニューを値段下げたくもないし、かと言って手の混んだもんも作れねぇからな」


「で、パンケーキを出すの?」 


「今日試食してそう思ったんだがな」


「あそこでキャラメルソース売ってるから自分で作った方が安いとなったら来ないかもね」


「やっぱりそうか」


「昼はお菓子作って、お茶とセットで出す?」


「お菓子?」


「そう。やるならなんかレシピ考えてあげる。レシピ代はもらうけど」


「ホントかそれ?」


「うん。その代わりここに来たら奥さんに抱きついていい?」


「は?」


「私、お母さん死んじゃっていないの。だから時々甘えたいなぁって」


「お、おぉ、それぐらい構わんぞ。なぁ、ソフテア」


「いいわよ。こんな可愛いお嬢ちゃんなら大歓迎だよ」


「お母さんの歳じゃ無いのにごめんね」


「やだよう。それぐらいの歳だわよ」


これでふにふにゲットだ。


どうやら子供はいないみたいで甘えたいと言ったら喜んでくれたのでwinwinだな。


料理もまけてくれて全部で銅貨40枚。半額に近い値段だった。一応どんな包丁がいいか聞いたけど、期待しないでねと言っておいた。

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