シャル ウィー ダンス
ざわざわざわざわ
めっちゃヒソヒソ言われてイラ付いてくるので、リーリャの腹をモニモニする。
「もうっ」
「こうしてないとイライラするの。太もも触っていい?」
「ダメですっ」
「ケチ」
「帰ってからにしてください」
うん、それなら早く帰ろう。
もう頭の中はスベスベムッチリでいっぱいになってイライラがどっかに行った。
ジルベスター発見。変なやつに絡まれないうちにジルベスターシェルターに入ろう。
「お父さんっ」
「おぉ、なんとも愛らしい」
と、高い高いされてグルグル回られる。5歳児ぐらいの扱いだ。
「いや、本当に愛らしい。私と一緒に踊りましょう」
ゼルはトップバッターをジルベスターに譲り、リーリャと踊ることに。
「お父さんさん、私全くダンスなんて知らないんだけど」
「大丈夫。ちゃんとエスコートしますから」
こんな身長差があってエスコートなんて出来るのだろうか?
そう思ってるとヒョイヒョイと所々持ち上げたりターンさせたりしてそれなりに見えるようにしてくれる。ジルベスターは上級貴族なだけあってとても優雅だ。おっさんのこういうのってカッコいいな。元の俺と大違いだ。
傍からみたら父親と娘が踊っているように見えるのか、段々と微笑ましい顔で見られるようになってきた。
「筋がいいですよ。今宵の一番目に選んで頂き光栄にございます」
どうやら、一番初めに踊る人は特別な人という意味があるらしく、ジルベスターはそれとなく他の男がそう勘違いしないように名乗り出てくれたようだ。ゼルは女だからノーカウントにされるかもしれないと。これはあとから聞いた話だが。
で、ゼルと交代するとリーリャはジルベスターと踊っていた。二人はめっちゃ上手い。素人の俺でもすごいとわかる。
「さ、姫様どうぞ」
と、ゼルがゲームの中の王子様みたいなポーズを取って手を引いてくれた。かっこいいじゃん。
ゼルとのダンスはちょっと楽しい。ピッタリくっついても嫌ではないし、ゼルも優しい笑顔。これ、ゼルが男で本当の女だったら惚れるよな。俺もちゃんと踊れたら様になるのに。
あっ!
脳内のゲームを検索する。あった!曲調はワルツかな?それを脳内で選択すると、ステップの矢印が曲に合わせて降りてくる。それを踏むように足を動かすとゼルと息があってきた。
「姫様、上手です」
「話かけないでっ」
タイミングよく矢印を踏まないと点数が入らないのだ。
シャルロッテはダンスよりゲームの点を上げる事に熱中していた。
「よしっ!クリアした」
「何をですか?」
「いや何でもない」
ゲームクリアしたことで満足した。ダンスゲームは疲れるのだ。
「姫様、踊れるじゃないですか」
「ゼルのリードが上手かったからだよ」
ランバダとか流れないかな。そうしたらリーリャの太ももに合法的に足を突っ込めるのに。
そんな事を考えながらジルベスターを見ると目線の先にユーバリーが居た。ちゃんと見てるんだな。確かに護衛付きのダンスなんてないからな。
踊ってる相手は豚くん。ユーバリーも付き合い大変だね。俺なら投げ飛ばしてるかもしれん。
「あっ、あの踊って下さいませんかっ」
誰か知らないけどゼルに踊ってくれと3人の女の娘がやって来た。
「あ、あの私は女で」
「ゼル、嫁ゲットチャンスだ!」
「姫様っ」
「女の娘から勇気を出して声を掛けてきてくれたんだから踊ってやれ」
と、ゼルを送りだした。俺はリーリャと踊ろう。
ゲームを再生するとそれにしか意識がいかなくなるので適当に動きながらリーリャの腹をムニムニする。
「そんなダンスないですよっ」
「だって知らないんだもん。こんな奴は知ってる」
と曲を無視してリーリャ足の間に足を突っ込む。
残念、足を上げないと太ももまで届かん。この小さな身体が恨めしい。
その後は首に手を回してずっとくっついてた。リーリャが動く度に揺れる思いを身体中で感じているのだ。
「もう、シャルロッテ様はエッチですね」
と、クスッと笑われた。こいうのってちゃんとバレるんだな。
で、ゼルが女の娘達と踊り終わる頃に他の女の娘達も様子を伺っている。ゼルってモテモテだな。
そして
「おい、踊れ」
は?
やってきたのはバレンシア。
「ごめんこうむります」
「うるさいっ」
と、無理やり連れて行かれる。
「ちょっとちょっと、私、踊れないから無理。それに何であんたなんかと踊んなきゃなんないのよっ」
「話がある」
「私はないっ」
「そういうな。クインシー様がデルソルをコテンパンにした話だぞ」
「なにそれ?」
「聞きたかったら踊れ」
こいつ・・・
あまりくっつかずに踊る事に。
「で、さっきの話は?」
「お前、デルソルをぶっ飛ばしただろ」
「見てたの?」
「みんな見てたに決まってんだろ?」
それもそうか。
「で、クインシー様は?」
「騒ぎの後にやってきて何があったか聞かれてな、お前が拐われたっていったら殺気だってデルソルの所に行ったんだ。何があったか知らんが、デルソルを連れて戻ってきたと思ったらデルソルの野郎が縮み上がってたわ」
と、笑いながら話すバレンシア。
「何があったの?」
「さぁな、詳しくはあの護衛に聞け」
あ、ジルベスターがもいたんだ。
「じゃ、サヨナラ」
とダンスの途中でドンと突き飛ばしてジルベスターの元へ。
「おい待てよっ」
「嫌でございます」
と、言ってるのにこっちへ来やがった。
「なによ?」
「お前、あの技練習してたのか?」
「ライジングニーのこと?」
「技の名前は知らんが飛び膝蹴りの事だ」
「サマーソルトならパンチラするからあれにしただけ」
「それもわからん。訓練したのかと聞いているのだ」
「ふ、虎や狼が日々鍛錬などするかね」
「は?」
「虎は何故に強いと思う?元々強いからよ」
「意味がわからんぞ?」
「じゃあもういい」
せっかく言ってみたかったセリフを言ったのに理解しないとは不粋なやつだ。
「いちご姫様、良い言葉でありますな」
「でしょ、でしょ?さっすがお父さん」
ゼルは心配そうにこちらをチラチラ見ているがジルベスターがいるからそのまま踊っている。
「まぁ、いい。お前はオレンジを庶民に売るつもりだったらしいな?」
「それ、やめた」
「なぜだ?俺に交渉したらなんとかなるかもしれんぞ?」
「あんた嫌いだから。売ろうと売らまいと好きにしろよ」
「ふっ、アームスの言って通りだな」
「そ、せっかくいい素材なのに活かしきれてない能無しには用はないの」
「能無しだと?」
「柑橘類はね、使い勝手がいいフルーツなの。それをなんの工夫もなしにそのまま使うからあんなに点数が低いのよ。能無し以外何といえばいいのよ。オレンジ以外にも色々あるでしょ?」
「どういうことだ?」
「レモンの他にも酸っぱいものは他にもあるでしょうが?料理に使えるものは他にもあるはず。それにお前はレモンを酸い物といったけど酸っぱいだけじゃないの。レモンから酸味を取るとオレンジに近い甘さがあるのよ。そんなこともしらないでしょ」
「レモンが甘いだと?」
「そ、あれはフルーツ。それを庶民にも売ってるからオレンジも売るかなと思っただけ。でももういい。あんたとは関わりたくないからどっか行って」
そんな話をしていると今度はデルソルが来た。
「バレンシア、お前もそいつにぶっ飛ばされにきたのか?」
「俺は紳士だから、小さいとはいえ女の娘に叫ばれるような事はせんぞ、ロリコン王子と違ってな」
「きっさま・・・」
「ハッハッハ、大国の王子のケツの穴は小さいな。こんな事で怒るな」
「クソっ、お前と話してるとムカつくんだよつ。おいいちご姫、俺と踊れ」
「まっぴらごめんでございます」
「なっ・・・」
「残念だったな。俺とは素直に踊ったぞ」
「嘘付けっ」
とデコピンをバレンシアに食らわす。
「痛って、何しやがるっ」
「嘘ついたバチだ。誰が素直に踊ったんだよっ」
「いいから来いっ」
「いやぁぁぁ、襲われるぅぅぅ」
「それをやめろっ。またクインシー様が来るではないかっ」
ジルベスターはクックックと笑っている。
「いちご姫様、少し踊って和解しておいた方が良いですよ。クインシー様が絡んだので後で大事になるやもしれません」
笑いながらそう言うジルベスター
確かにそうかも。子供の揉め事で終わらせておいた方がいいな。
仕方がなくデルソルとも踊る事に。
「お前の事はクインシー様より聞いた」
「なんて?」
「神がメロンケーキを欲していると言うのは本当か?」
「さぁね。あんたが直接聞けばいいじゃない」
「神の声なんて聞こえるかっ」
「生産者に感謝してお供えしてたら聞こえんじゃないの?神様にどんなものがいいですかって」
「茶化すな」
「だって神の声の聞き方なんて知らないわよ」
「メロンケーキみたいなものはマンゴーにもあるのか?」
(マンゴーって他にも美味しい食べ方あんの?)
女神よ、なぜこのタイミングで俺に話しかける?デルソルに直接言えよ。
(ちゃんと答えなさいよっ)
あーっ、もうっ
「マンゴーはほとんど食べた事ないから知らないんだよっ」
「どうしたいきなり?」
はっ
「心の叫び。そんなの知らないの」
「そうか、お前はストロベリーとメロンぐらいしかしらないのだな?」
「そうそう。だから自分で考えてね」
「なぜ、デルソルと踊ってるんだ。俺の誘いは断ったクセに」
アームス参戦。
「お父さんに聞いてよ。はい、もう終わり」
と、デルソルをドンと離したら、アームスも踊れと言われた。
で、アンデス、マシューと続く。なぜ俺が男と踊り続けにゃならんのだ。
ふと、見るとバレンシアがリーリャと踊っていた。殺すっ。




