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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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24/118

ゼルもまた

「ご命令により参上いたしました。ゼルにございます」


扉の前に護衛騎士がいるクインシーの私室。


「入れ」


と、クインシーの声が聞こえ護衛騎士が扉を開けた所で送って来たリーリャはシャルロッテの部屋に戻った。


「ゼル、そこへ座れ。お前ら、今から重要な話をする。全員出ろ」


「ハッ」


人払いをするクインシー。


「クインシー様、明日の打ち合わせでは?」


「いいから座れ」


「失礼致します」




しばらくクインシーがゼルを見つめたあと、


「貴様は生き残りか?」


「な、何の事でございましょうか」


「お前の正式な名前はなんと申す?」


「・・・・・・・」


「シャルロッテには言わん」


「・・・・・・・」


「お前の髪色は本来もっと鮮やかな青だろう?」


・・・

・・・・

・・・・・


「ゼルダ・マジマジア」


「やはりそうだっか」


「ご存知だったのですか?」


「あそこを滅ぼしたのは他国から雇われたマーセナリーだ」


「そうだったのですね・・・」


「誰に助けられた?」


「どこかの国の騎士様です。名前は知りません。強くなりたければ師匠と呼べと剣を教えてくれました」


「なるほどな。魔法はその騎士に使うなと言われたのか?」


「はい。自分の存在を隠し通せと。幼き私をそう言って育てて下さいました」


「あそこが滅んだのは私が生まれる随分と前だ。貴様の本当の歳はいくつだ?」


「よくわかりませんが、100にはなっていないと思います」


「この事を知っているものはおるか?」


「いえ、おりません」


「わかった。ストロベリーの騎士になった経緯は?」


「師匠が亡くなった後、国の復興も無理だと悟り、職を探していたところ、ストロベリー王国が騎士学校を出ていなくても志願することが出来ることを知り、試験に合格いたしました」


「シャルロッテの護衛になったのは?」


「たまたまでございます。他の護衛だと怖がる姫様でしたが私には懐いて下さったので」


「ふむ、女騎士はなかなかに肩身が狭いだろうからな。しかもその見目は若いから余計だな」


「はい」


「しかし、魔法使いがよくぞそこまで身体を鍛えあげたな」


「マジマジアは長命種ですので、普通の方々より鍛えられる時間が長いだけの事でございます」


「冒険者になれば稼げたであろう?」


「あそこは登録時に魔力を計測されますので」


「マジマジアの姫なら相当魔力がありそうだな」


「はい。身元がバレるおそれがあります」

 

「何の魔法が使える?」


「攻撃魔法すべてと治癒魔法が使えます」


「それは凄いな。解禁する気はあるのか?」


「姫様をお守りするのに必要であれば」


「なぜシャルロッテにそこまで入れ込んだ?」


「私に安らぎと笑顔を下さる方なのです。偶然ではございましたが、私の心を救って下さる姫様に出会えたことは、私の人生においてもっとも幸せな出来事です」


「師匠とやらもそうではないのか?」


「命を救って下さったのは師匠でしたが、何度殺してやろうかと思ったかわかりません」


「ふふっ、心を鬼にして育てたのであろう」


「はい。幼き頃の私にはそれが理解できませんでした。何も出来ない私に飯を作らせ、洗濯、掃除、剣の稽古がそれはそれは」


と、話したゼルからは冷や汗が出てくる。


「それがあるから今があるのだぞ?」


「はい。師匠が亡くなってから理解いたしました。もう今では恩を返せることもできません」


「そうか、それに気付いているなら師匠も報われたというものだ」


「そうであれば良いのですが」


「お前の事は他言せぬから安心しろ。それに利用することもない」


「ありがとうございます」


「が、シャルロッテの魔力の事はどうする?計測はしてはいないが相当あるやもしれんぞ」


「やはりそうですか」


「ん?気付いていたのか?」


「あの髪色です。魔力が高い者は透き通るような髪色になります」


「そうなのか?」


「はい、この通り」


と、ゼルは自身に掛けている魔力を抑える魔法を解いた。


「うぉ、美しいな・・・。マジマジアは皆、美しい髪をしていたと記録があるが。事実だったのだな」


「ありがとうございます。魔力のたかきものはみな透き通るような髪色になるのはマジマジアでは常識ではありましたが、もう誰も知らないのかもしれません」


ゼルはもう一度魔力を抑える魔法を掛けた。そうすると紺色の髪に戻る。


「なら、シャルロッテはまだ魔力が高いとバレる事はないのだな?」


「恐らく」


「ふむ。やつが成人する前に何か手を打っておいた方がいいな。バレて利用されるよりもバラして手を出せないぐらいの存在にしておいた方がいいかもしれん」


「魔法コースへ行くほうが良いと?」


「まずは錬金術だな。あれは理数系の成績だけで進める。錬金術を習得する頃に成人して魔法コースへ進むのが良いだろう。その頃には身体も精神も成長しているだろうしな。精神が未熟な間に魔法を使えるとなったら何をやらかすかわからん」


「はい、私の為にあのような事をされるとは驚きました」


「ふふ、まるで恋人を庇うかのような行動であったぞ」


「姫様が男であれば身を委ねたかもしれません」


「ふふふ、それは残念だったな」


「誠に」


と、ゼルは笑って返した。



その頃のシャルロッテ。


「シャルロッテ様ってお強いのですね」


「ゼルが危ないと思ったら自然と身体が動いちゃってね」


パリパリとポテチを食べながら今日の出来事をリーリャと話している。二人なのでリーリャも友達みたいな感じで一緒に食べている。そう命令したのだ。


「ゼル様は護衛ですよ。護衛対象が護衛の為に危険に飛び込むなんてダメじゃないですか」


「それはそうなんだけど、ゼルはゴリゴリだけど女の子だろ。嫁入り前なのに傷とか出来たらダメじゃん」


「シャルロッテ様も女の子じゃないですか」


「私は嫁にいかないから別に顔に傷が付いてもいいんだよ」


「シャルロッテ様とお話していると男の人と話しているような気になりますね」


「男だからね」


「えっ?」


シャルロッテはリーリャの腰に手を回す。


「このまま泊まって行くかい?」


「えっ、えっ、えっ」


「楽しい夜が待っているよ」


恋愛ゲームにあったくっさいセリフだ。


真っ赤になるリーリャがとても可愛らしい。


「目を閉じて」


そう言うと目を閉じたので、腰に回した手でコショコショしてやる。


「キャーハッハッハッハッ」


ビクッ


いきなり目を見開いて笑うリーリャ。めっちゃ怖い。


「もうっ。びっくりするじゃないですかっ」


こっちもびっくりした。悪魔かなんか乗り移ったのかと思った。


「ごめんごめん。リーリャはこうやって口説かれたら簡単に落ちそうだね」


「そんな事ありませんよっ。というより貴族の4女なんて恋愛なんて出来ません。家の都合で嫁に行かされて終わりです」


「拒否権ないの?」


「あるわけないじゃないですか。ですから王宮で働いて、少しでも良いと思える旦那様に見染められないとダメなのです」


なるほど。


「私の嫁になればいいのに」


「本当に貰って下さるのですか?」


「女同士でも良ければね」


「うーん。うーん。子供は欲しいのですよねぇ」


「それは叶えてあげられないなぁ」


「ふふふ、やっぱりシャルロッテ様って面白いですね」


「どうして?」


「私の方が年上ですよね?」


「そうだね」


「もし、シャルロッテ様が男だったとしたらこんなに年上の女性を選びません」


「どうして?」


「すぐにオバサンになるじゃないですか。男の人はずっと年下の女を選ぶ人が多いのですよ」


俺からしたらリーリャはめちゃくちゃ若いんだけどね。年相応に合うのはクインシーとかなんだけど。


「私は年齢より柔らかさなの。リーリャって柔らかいじゃない」


と、どさくさに紛れて抱きついてふにふにする。うん、クインシーみたいなホニャホニャではないけどなかなか良いものをお持ちだ。


顔を左右に振って堪能したら、また目を見開いてキャーッハッハッハと笑う。怖いよリーリャ・・・


「くすぐったいじゃないですか」


「ゼルはくすぐられるの好きなのよ」


「えーっ」


と、こんな事をしているとゼルが帰って来た。


「お帰りゼル・・・。ん?クインシー様のところで甘い物を食べてきたの?」


「いいえ」


ゼルから少し甘ったるい匂いがする。


スンスンすると。


「く、臭いですか?緊張して汗をかいてしまったので」


ゼルって汗臭くなると甘い匂いがするのだろうか?


「臭くないよ。なんとなくそう感じただけ」


「ゼル、手をあげてみて」


「わ、脇の臭いなんて嗅がれたくありませんっ」


俺も嗅ぎたくないわっ。


「違うっ。少しくすぐるだけだ」


そう言うとビクッとして手で両脇を押さえた。


「ほらゼル様も嫌なんじゃないですか」


そんな事はないと、ゼルをベッドに押し倒して脇腹をくすぐると蟹挟みで絞め殺されかけたのであった。





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