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立場を利用しなければ

「フルーツ国連合?なんだそれ?」


「姫様、毒の影響か少々お言葉使いが・・・」


あ、そうだった。


鏡を見て自分の姿に驚いた。透き通るような赤い髪、小さな身体にパッチリお目々の可愛い顔。白い肌に小さな手足。年齢は10歳。我ながら保護欲をそそる容姿だ。この娘にお兄ちゃんと呼ばれたい。


あの可愛らしい母親の娘だ。このまま成長しても素晴らしく可愛くなるだろう。むふふ、これは将来が楽しみだ。



「意識を取り戻したとは誠かっ」


バンッと扉を開けて入ってきた豪奢な服を着たオッサンにいきなり抱き締められる。


「良かったぁ、良かったぞシャルロッテぇぇぇぇ」


シャルロッテを抱き締めながらおいおいと泣くオッサン。


「やめろっ!誰だお前っ。いたいけな俺になにしやがんだっ」


「シャ、シャルロッテ・・・?」


「姫様、お父上にございますぞ」


「父親?」


「陛下、申し訳ございません。姫様は記憶が混濁しておられるようでございます。何卒お許しを」


「シャルロッテ、ワシが誰かわかるか?」


うーん、ここは俺の正体がバレるとまずいな。


「ご、ごめんなさい。お父様。テへペロッ」


30歳のおっさんがやることではない。


「おー、シャルロッテよっ」


ブチュー


「むぐぐぐぐっ。なにしやがんだっ!このクソ親父っ」


→↓↘P 


「昇龍拳っ」


「ぐはっ」


「陛下ぁぁぁぁっ」


ドサっ


YOU WIN


決まった。よくも俺のファーストキッスを奪ってくれやがったな。俺のファーストキッスは青髪ロリ魔法使いに捧げると決めていたのにっ!


「ひっ、姫様。何をなさるのですかっ」


「こいつが俺のファーストキスを奪ったんだぞ。当然の報いだ」


その後、護衛のゼルにこってり絞られてごめんなさいさせられてしまった。俺は悪くないのに。



「で、ゼル。私は殺されかけたのか?」


「はっ、私の不始末にございます。かくなる上は腹を切り死してお詫びをっ」


「やめろっ。人のはらわたなんぞ見たくもないわっ」


「し、しかし・・・」


おそらく、本物のシャルロッテは毒で死んだのだろう。そこへ何故かタバコの誤飲で死んだ俺が入ってしまったのか?ということはこの娘はまだ死んではいけない存在だったってことか?


こういう展開はゲームでよくあるのだ。この世界や国に成すべき事があるのに神の間違いで死んでしまって、他から魂を持ってきてなんとか誤魔化すみたいな。



(そうよ。よくわかったわね)


心にそんな声が響いてくる。


「誰?」


「ど、どうかなさいましたか姫様?」


(あなたはこのフルーツ国連合が戦火にならないようにする必要があるの)


「は?」


(あなたが生む子供がフルーツ国連合の新しい王となり、平和を築いていくのよ。頑張っていい子を生んでね。転生特典で、言語理解とコマンド入力したら技を出せるようにしておいたから)


「おいおい、ちょっ待てよっ。お前誰だ?」


しかし、もう声は聞こえなかった。


コマンド入力したら技が出るって・・・。それでさっき昇龍拳を出せたのか。しかし、なんだその転生特典?



「どうなさいました姫様?」


気になるのは俺が子を生む?それが新しい連合国の王になるだと。


サーーーッと青くなる宙二。


「ゼル、子供を生むってどういうことだと思う?」


「はい、殿方とご結婚されて営まれる結果にございます」


「いっ、嫌だっ」


俺は生みたいのではない。生んで貰う方になりたいのだ。


「そうでございますね。姫様はまだ子供でいらっしゃいますから、まだ数年先の事でございますよ」


すっ、数年っ?たった数年?


「だいたいみんないくつで子供を生むの?」


「そうですね、15歳〜20歳ぐらいの方が多いのではないでしょうか?」


早ければあと5年。ということは4年後ぐらいに、致されてしまうのか・・・。


「嫌です」


「はい。お好きな殿方が現れてるまでそのように思われるのも仕方がありません」


「ゼル、嫌なんだってば」


「はい」


ニコニコと答えるゼル。


クソっ、これはヤバい。数年のうちに自分で食い扶持を見つけてここから逃げなければ。王族ならば無理矢理嫁に行かされてもおかしくはない。


それにこの身体だと男に無理矢理押し倒されたら抵抗出来ないまま・・・


「いやだぁぁぁぁっ」


「姫様っ 姫様どうなされました。これっ、誰かっ。姫様がご乱心だ」


宙二ことシャルロッテ姫は自分の想像で気を失ってしまったのであった。



夜になり、目が覚めるとゼルがまた手を握っていた。


「お目覚めでございますか?」


「あれ?また死んでた?」


「そのようなご冗談をおっしゃらないで下さい」


ゼルは少し涙目でそういう。

あー、本気で心配してくれてたんだ。


「ごめん、ちょっと嫌な想像をしてしまったんだ」


「仕方がございません。私が今夜は添い寝をいたしましょう」


こいつ、美少女姫様と添い寝とか何を抜かしてやがる?


「大丈夫だ。それより風呂に入りたい」


「かしこまりました」



と、浴場へと案内される。


「お背中をお流しいたします」


「結構ですっ!」


「なっ、なぜですが?いつもは私が髪や体を洗っていたではありませぬか」


こいつ、何を考えてやがんだ?それとも王族とは家臣に裸を見られても平気なのか?


「一人で入りたいのっ」


「姫様ぁぁぁ」


こいつ、護衛騎士の癖して、姫様においたしてやがったのか?羨ま・・けしからんやつだ。まぁ、いい。今からマイボディとはいえ、生身の女の子の身体を確認しなくてはいけないのだ。


うわっ、めっちゃドキドキする。


と、服を脱ごうとするとものすごく悪いことをしている気になってきた。心が悲しがっているのだ。


もしかして、シャルロッテはまだこの身体にいる?


「シャルロッテ、お前まさかまだここにいるのか?」


返事はない。


が、心が悲しがっているのは確かだ。


しょうがない・・・。


急に罪悪感に駆られた宙二はマイボディの確認を諦めた。こんな少女の裸を無理矢理見るなんて犯罪だしな。そう思った宙二は目をつぶって風呂に入った。


風呂上がりに用意されていたのはドリンク。イチゴミルクだ。


「甘っ・・・。ゼル、ビールないの?」


「ひ、姫様。お酒は15歳にならねば飲めませんぞっ。それにこれは姫様が一番好きな飲み物であったではありませんかっ」


これが10歳の少女が好む味か。


仕方がないので、我慢して激甘のイチゴミルクを半分だけ飲んだ。


こんなの余計に喉が渇くわ。



その夜はフカフカベッドで寝ようとするとゼルが部屋に入ってきたので追い出した。 


そして翌朝の朝食。


トーストにイチゴジャム、イチゴサラダ、イチゴミルク、イチゴオムレツ。


「なにこれ?」


「朝食にございます」


と、ゼルが一口食べて俺に渡す。


「なんでかじったの?」


「毒見でございます」


なんで男のかじった物を食わねばならんのだ?


「いいよ、毒見なんて」


「そのような事をおっしゃったから、あのような事に」


と涙目になるゼル。


あーっもうっ。


「じゃ、あっちのメイドさんに毒見して貰って」


と、可愛いメイドを指名する。


「わ、私ですか?」


「うん。名前は?」


「み、ミリイでございます」


うん、可愛いい。栗色の髪の毛に軽いくせっ毛、ちょっとアホ毛があって大きいタレ目がたまらん。


毒見役を命じられたメイドのミリイ。


パンにジャムを付けてひとかじりして渡そうとするのでアーンと口を開ける。


「ひっ姫様?」


「そのまま食べさせて」


「は、はい」


と、ミリイに食べさせて貰う。おー、幸せ。こんなメイドさんにアーンさせて貰う日が来るとは。


「次は、ハイあーんと言ってから食べさせて」


「か、かしこまりました」


と、いちごオムレツをスプーンで掬って一口付けた奴を


「ハイ、あーん」


うむうむ。この変なオムレツもこうやって食べさせて貰うとちょー嬉しい。長年叶わなかった夢がこんな所で叶うとは。


「ミリイ」


「は、はい」


「結婚しよう」


「はい?」


「姫様、何のお戯れでござますか?」


「いや、こんな可愛らしい娘がもじもじしながらあーんしてくれたんだぞ。もう結婚するしかないじゃないか。なぁ、ミリイ」


「えっ、あっあの・・・」


「フッフッフ、良いではないか、良いではないか」


「ひっ、姫様」


俺はこの姫という立場を利用して今まで現実では出来なかった夢を果たすのだ。


ミリイにおさわりしようとすると、


「お戯れもいい加減にして下さいっ」


と、ゼルに怒られた。

女同士なんだからいいじゃんかよ。


「ミリイ、ごめんね。嫌だったかしら?」


と、両手を前にして、うるっとさせた少女の上目使いでミリイに聞いてみる。


「い、いいえそのようなことは・・・」


「ほら、ミリイも嫌がってないじゃん。ゼルは邪魔しないで。ミリイはどれが好き?」


「あ、あのイチゴのジャムが・・・」


「じゃ、これ塗ってあげるね。はい、アーン」


転生バンザイ、姫様バンザイだ。


「ひっ、姫様。はいアーン」


と、ゼルがイチゴサラダを差し出してくる。


「お前のはいらん」


なぜ、男からアーンされなきゃならんのだ。


ゼルのアーンを断ると酷く落ち込んでいた。護衛は護衛らしくしてればいいのだ。こういうのはメイドさんの仕事なのだ。



そしてランチもイチゴ尽くし、ディナーもイチゴ尽くし。


「ゼル、もうイチゴいらないんだけど」


ゼルは護衛兼側仕えのようですべての世話をゼルがしてくれている。


「そうはおっしゃられても、ストロベリー王室の食事はすべてこのような・・・」


マジで?イチゴ尽くしなんて2食食べたら気持ち悪いですけど。


「いいから、全部イチゴを抜いて。それよりラーメンないの?」


「ラーメンとは?」


ちっ、この世界はラーメンが無いのかよ。これは痛いな。俺の生命は袋麺とジャンクフードなのだ。


「じゃあ、もういらない」


この少女ボディはたくさん食べられないし、部屋から出してもらえないのでお腹がすかない。イチゴはもう匂いだけでお腹がいっぱいだ。



と、風呂に入ろうとすると、ゼルが鎧を脱ごうとする。


「入ってくんなよ」


「姫様ぁぁぁ」


こいつが護衛で大丈夫なのだろうか?

そのうち、こいつにおいたされるとかないだろうな?


ゼルがいきなり入って来るんじゃないかと思って慌てて目をつぶって身体をしゃしゃっと洗ってすぐに風呂から出たのであった。

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