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勝負に勝って追放

「なぜ私がアームス王子様と勝負を?」


「庶民の成績が上がったのはお前が絡んでるんだろ?それに玉遊びが初めてでそんなに上手いとはあり得ん」


「それは一人遊びの・・・」


「うるさいっ。いいから勝負だ」


くそっ、同情パターンも通用しないのか。


「こら、アームス。こんな小さなイチゴ姫に絡むでない」


「陛下、口を挟まないで頂きたい。母上もこいつに興味を持たれたのでしょう?」


「アームス、褒美とは何を出す気なのかしら?」


「金貨100枚」


「それだけの価値があるということですのね?」


「はい」


「ならばおやりなさい」


おい、ちょっと待てクインシー、何を勝手に決めてるんだ?


「ワンホール勝負だ。短いコースでやってやろう」


俺は返事しとらんだろうが。


「わ、私はゼルと組んでおりましたので。それに秘密なんてありませんわ。春休みデビューしただけで」


「では、行くぞ」


こいつ話聞かねぇ。どーすんだよこれ?


チラっと助けを求めるようにアンデスを見ると合掌してやがる。もうこうなったら止まらんということか。こいつ、摂政になってアームスを制御出来るのか?


唯一肉親のアマ王もメロン王国には逆らえないのかフォッフォッフォと笑ってるだけだ。本当に役に立たない父親だ。


「頑張ってねシャルロッテ」


と、ベリーベリーが抱き締めて足をグリグリしてくる。スカートじゃないから見えてんぞ。なにあんたなんかがアームスに興味待たれてんのよっ!ってとこか。


胸に顔を埋めてレロレロしたらしょっぱかった。ワザと汗を吹かずに舐めさせやがったな。まぁ、ミネラル補給と思っておこう。それならば仕返しはキスマークだ。


チュウウウウウっ


よしっ、金髪縦ロールの谷間にキスマーク。とてもいやらしく仕上がったな。



「姫様、勝負など大丈夫でございますか?」


ゼルも王族相手では何も出来ない。


「まぁ、負けても秘密なんてないし、勝ったら金貨貰えるなら将来の軍資金になるしね」


「金貨100枚は大金です。このようなお遊びで頂くような金額ではありません」


金貨100枚って100万くらいか?王族、しかもあいつのところは代表国だ。それぐらい端金だろ。こっちは将来の生活があるから稼げる時に稼がねば。


「王様も王妃様も反対しなかったから大丈夫じゃない?」


「しかし・・・」


「ま、負けても問題ないし、勝てばラッキーだと思っとけ」


と、ぞろぞろとコースへ移動。



「俺が先に打ってやる」


と、アームスがナイスショットっ!

ワンオン、ピンそば1ヤードぐらいか。バーディ確実だな。


「お上手ですわね」


「そんな余裕を見せてていいのか?」


「私の秘密なんてありませんから、負けても問題ありませんわ」


「ほぅ、それは護衛も含めてか?そいつは女だと聞いたが、本当に女か確かめさせて貰うのだぞ?」


「は?」


「当たり前だ。お前の秘密は色々とありそうだ。もし護衛が本当は男で女のふりをして姫とイチャイチャしているのなら問題だからな」


なんですとっ?


「た、確かめるとはどのように・・・」


「もちろん脱いでもらうさ」


こいつ、最低だ。俺ですら一緒に風呂はいったり寝てたりしているが、おっぱいを含め大事な所は見てないんだぞ。


ざわっと、シャルロッテから殺気が出る。


「ひ、姫様。私は確かめられても問題ありませんっ」


「アホかっ。嫁入り前の女性の裸を他人に見せるのにどこが問題ないんだっ。俺ですら見てないんだぞっ」


「わ、私の裸を見たいのですか?」


「そんなゴリゴリボディは見たくない」


と、言うとシュンとした。が、他人にも見られたくはない。


仕方がない。本気出して集中するか。 

アームスはピンそば。こちらも最低バーディは必要だな。


芝をちぎって風を見る。やや右から左に2ヤード流れるってとこか。別に芝をちぎらなくても画面で見えてはいるが雰囲気も大事なのだ。


「ゼル、俺はお前を変態王子の慰みものにはせん」


「ひ、姫様・・・」


集中、集中っ!


「ワイはシャルや、プロゴルファーシャルやっ」


ギリギリギリギリ


バシュっ


よしっ


まっすぐピンに向かって飛ぶボールは旗に当たってそのままカッコーン

 

「見たかっ。必殺旗包み。ワイの勝ちやっ!」


「ば、馬鹿なっ」


「というわけで、変態王子。私の勝ちですのでゼルの裸は諦めて下さいませ」


「だ、誰が変態王子だっ」


「権力を盾にゼルの裸見ようと企んだだろがっ!この変態野郎っ」


「何だとっ!誰に向かって変態呼ばわりしてると思ってるんだっ」


と、掴みかかってきたので


←→→P+K


鉄山靠てつざんこう


ドカッ


「ぐはっ」


至近距離で鉄山靠を食らったアームスは吹き飛んだ。


「十年早いんだよっ」



「ひ、姫様・・・」


あっ・・・


「ゼル・・・。怖かった」


と、上目遣いでゼルを見る。


「遅いです、姫様・・・」


でしょうね・・・



アマ王初め、正妻達はメロン王国の王子を吹っ飛ばしたことでちょー慌てていた。笑ってたのはワイルドとクインシーだけだ。



「ま、誠に申し訳ございませんっ」


と、アマ王と正妻達が頭を下げる。


「シャルロッテ、お前も頭を下げんかっ」


「どうして?悪いのはプリンスメロンでしょ」


「代表国の王子様になんて事を言うのあなたはっ」


「これはベリーベリー様の母上様。もし、あなたがベリーベリー様を女かどうか確かめるのに脱げと命令されたらどうしますの?脱がしますか?」


「そ、それとこれとは違うでしょっ。たかが護衛騎士とベリーベリーを同じにしないでちょうだいっ」


「同じだよ。俺に取ってはゼルは唯一の肉親だ。それを侮辱された挙げ句に狼藉を働こうとしたのはこいつだ」


ここは開き直ってキレてしまおう。 


「マスク王、息子の不始末の責任はどう取られるおつもりか?冗談にしては度が過ぎておられますぞっ」


「シャルロッテ、お前は何をっ」


「アマ王陛下は黙ってて頂きたい。これは私とメロン王国との問題です。ストロベリー王家として問題あるとおっしゃるのなら、さっさと追放なさいませ」


「シャ、シャルロッテ・・・」


「ゼル、帰って身支度をするぞ。私は今からイチゴ姫でもシャルロッテ・ストロベリーでもない。ただのシャルロッテだ。それでも付いてくるか?」


「もちろんです姫様」


「もう、姫と違うと言っただろ。予定より早いけど商売するか。おい、アームス、さっさと金貨100枚払えよ」


「お待ちなさいシャルロッテ」


「クインシー王妃、大変見苦しい所をお見せいたして申し訳ございませんでした。もう、私はストロベリー家と関係ございませんので、ストロベリー家には御慈悲を頂けると幸いにございます」


「あら、アマ王陛下、本当にそれでも良いのかしら?」


アマ王が何か言いかけた矢先に


「構いませんわっ。どうせ妾の娘なんかっ」


と、第一夫人が言い放った。


「なっ、何を言うかっ」


「陛下、あんなお遊びで出来た子供なんかお忘れ下さいましっ」


「あ、遊びではっ」


と、アマ王は言い掛けて止まった。まぁ、一国の王様が庶民に惚れて子供まで作ったとは言えんわな。言ったら父親と認めても良かったけどね。これでサヨナラだ。


「シャルロッテ」


「王妃様たるもの庶民に気軽に話しかけてはいけませんわ。ではご機嫌よう」


と、去ろうとするとガッと腕を掴まれた。


「あなた、ウチの娘になりなさい。その護衛も一緒に面倒を見てあげるわ」


「お断り致しますわ。そのような国が荒れるような事をなさらないで下さいまし」


「なら、アームスかアンデスの婚約者として迎えるわ」


ざわっと、ストロベリー家が驚く。


「ご冗談を。私にも選ぶ権利がございます。ゼルに狼藉を働こうとした挙げ句、自ら持ちかけた勝負に負けたら年下の女に手をあげようとする、弟は困っている女の子を助けようともしない。私は身を持って守って下さるような方がタイプですの」

 

と、いうか、なぜこの流れで嫁に行かにゃならんのだ?


「メロン王国王家の身分には興味がないと?」


「全くありませんわ。どうぞ、そういった物に興味のある姫からお選び下さいませ」


と、言ってその場を去った。



「姫様っ」


「ごめんな、ゼル。いきなり露頭に迷わせちゃったわ。学校もどこか編入しないとダメだね。住むところとかどうしようね。ゼルだけでもどこかに仕官する?」


「私は一生付いて行くと誓いましたっ」


「そっか。なら、これからどうするか一緒に考えよう」


「はいっ」



この夏休み中になんとかしないとな。


馬車にすでに本を積んであるから、あれと今持ってるお金は慰謝料代わりに貰っておこう。10歳の女の子と脳筋がいきなり無一文で生活なんて出来ないからな。


馬車使ったらダメとか言われるかもしれないからアマ王達が王宮に戻って来る前に、さっさと出ていく準備を進めるシャルロッテなのであった。



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