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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第十四章 絶望を照らす輝き編
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幕間 目前の災厄

アクセスありがとうございます!



 ラタニがユースやエレノアたちから事情を聞いている頃――


「――なによ! なんなのよアレは!?」


 白ローブの少女は逃げるようにダラードから離れていた。

 ようやくつかみかけた手掛かりだが、突如介入した存在が少女に逃げる決断をさせた。 口惜しさはある。

 しかし自分の精霊術を抑制させた技能よりも感じ取れた圧、視えた精霊力があまりにも異形すぎて。

 戦ってはならないと本能が告げるまま相殺のスキを見計らって離脱した。


「信じられない! あんなの精霊に対する冒涜よ! ローゼアさまのお優しい想いをなんだと思ってるの!?」


 故に悪態を吐きつつも恐怖心にかられるまま、飛翔術で出来るだけ距離を取っていたが冷静さを欠いた精霊術の使用、なりふり構わない飛翔術によって限界が近づき失速。


「ダメ……もう……これ以上は……」

 

 ただでさえ節約する必要のある精霊力を消費しすぎたが、手掛かりらしき物は手に入れた。またロロベリア=リーズベルトの近くには危険な存在が居るとの収穫もあった。

 故に対策を練りつつ、時間を掛けて万全な状態で改めて接触の機会を窺うと少女は地面に降り立つ。

 消耗から髪や瞳から翠の煌めきは消失。従来のエメラルドのように澄んだ翠色に戻ってしまったが、回復すれば問題はない。


「……まって……あそこって…………」


 そう安堵したのもつかの間、自身の居る場所を理解するなり絶句。

 王国の詳しい地理を把握していない上に、無我夢中で逃げたために最悪な場所に近づいてしまった。

 まだ距離はあるが視界の先に広がる森林地帯、感じ取れる精霊力から霊獣地帯と呼ばれている危険区域。

 今の状態で霊獣と遭遇する恐怖もあるが、なによりこの場所は回復するに適していないと少女は慌てて背を向けた。


「――――っ」


 だが背後から感じた異常な圧に肩を振るわせる。

 感じられたのは一瞬。それでも嫌な予感が再び霊獣地帯に目を向けさせた。

 思い違いであって欲しいと意識を集中させ、探るように凝視していた少女の瞳が徐々に開かれ、顔もみるみる青ざめていく。


「うそ……どうして……っ」


 まだ完全ではないが間違いなく()()()()()


 不完全な状態でも対処はまず不可能。自分の状態が万全だろうと関係なく蹂躙される。

 なら逃げる以外の選択はない。

 しかしダラードには命に代えても守らなければならない御方がいるかもしれない。


「なんとかしないと……もしかしたらあそこには……でも、アタシ一人じゃ……」


 故に霊獣地帯とダラードのある方向を交互に見据える。


 僅かな可能性に賭けて今の内に対処するべく動くか。

 自分可愛さにこのまま逃げるか。

 それとも他に最善の道はないのか。


 あの異形の存在以上に恐ろしい、まさに最悪な災厄が訪れようとする中。


「どうしよう……どうすればいいの……っ」


 少女は決断を迫られていた。



 

ラタニさん介入後の、白ローブの少女サイドの内容でした。

短くて意味不明ですが現状ではこれが限界です……が、今章や後のストーリーに関係してます。なので今は深く触れません。


そして少女の存在に続いて、ラタニさんからアヤトくんに届く不穏な報せまで残り二日。



少しでも面白そう、続きが気になると思われたらブックマークに登録、評価の☆をお気持ちのまま★にして頂ければ嬉しいです!

みなさまの応援が作者の燃料です!


読んでいただき、ありがとうございました!




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