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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第十三章 叶わぬ夢を花束に編
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繋がる終章 不穏の報せ

アクセスありがとうございます!



 スフィアを出発して四日――



「さらば公国。おひさな王国ってか」


 王国の領土に入り、最初の町に到着したフロッツは移動で固まった身体を解すように伸びを一つ。

 公国領土を抜けて既に一時間ほど経過しているのは言わぬが花として、十日ぶりに母国の地を踏んだロロベリアも心なしか落ち着いた表情をしている。

 もちろん公国で過ごした時間も楽しめたが、やはり国が違えば町の雰囲気もどことなく違うもの。王国は第二の故郷でもあるミューズも同じなのか、普段よりも言葉数が多い。

 ただここまでの旅路が楽しいからこそレムアも含めて移動の疲れは微塵もない。

 特に国境を越える為、陸路での国境越えは初めてのロロベリアは当然、生粋の貴族令嬢のミューズにとって王国に向かう商人と交渉しての移動は初めての経験。まあ交渉はフロッツが担当したが、移動中に商人から色々な話が聞けたのも新鮮な体験で。


 ちなみに移動中は貴族という身分を隠しているもさすがは商人の情報網と言うべきか、序列保持者の情報も抜かりなく見目であっさりばれていたりする。なので王国でも屈指の大商会ニコレスカ家子女のロロベリアはもちろん、教国の伯爵令嬢のミューズも恭しい対応を受けていた。

 そしてアヤトは持たぬ者の序列入りという情報から興味を持たれるも、移動中は終始あやとりに興じて大人しく過ごしていたので特に問題は起こさなかった。


 とにかく今日はこの町で一泊。荷物を預けて町中を見て回る予定なので商人の紹介してもらった宿に向かっていたが――


「アヤト……なにかあった?」


 先導するフロッツの後を追いつつ、少し離れて後ろを歩くアヤトにロロベリアは質問を。

 と言うのも出発当初は珍しく機嫌が良かったのに、翌日の昼過ぎ辺りから面倒げな表情(つまりある意味普段通りのアヤト)に戻っていた。

 更に昨日、国境に近づくにつれ妙にアヤトから視線を感じる気がする。

 そもそも公国に訪れてから自由人のアヤトに合わせていたので町中を歩く時も基本自分やミューズが隣りを歩き、フロッツやレムアが後に続く形だった。にも関わらず今は最後尾を歩いている。

 視線といい不機嫌そうに見えたりと、気になって落ち着かない。


「なんにもねぇよ」

「……そう?」


 まあ質問したところで明確な答えなど期待していない。

 また普段通りだからこそ他の面々は気にならないのか、あまり疑問視しないのなら自分も気にせず帰路の旅を楽しもうとロロベリアも切り替えることに。


「……たく」


 ――したのだが、実はロロベリアが勘づいた通り三日前からアヤトの機嫌は良くなかったりする。

 なんせ公国で親孝行を早めに終わらせたのは帰路の旅をノンビリ楽しむ為。にも関わらず()()()()()()()()()()()()()()()()()

 お陰で楽しい旅路に水を差された気分で、不可解な現状に悩まされる事態になれば機嫌も悪くなる。

 それでも王都に戻るまで警戒しつつ、それなりにでも満喫しようと――


『兄様、ラタニさまから緊急連絡です』


 切り替えた矢先、脳内にマヤの声が響いた。


『なにか進展があったのか』


『進展はありませんが――』


 いつも通り平然としながらも脳内で返すも、ラタニの言伝を聞くなりアヤトの足が止まった。


「……アヤト?」

「どうかされましたか?」


『どういうことだ』


 不意に立ち止まるアヤトにロロベリアやミューズが振り返るも無視、苛立ちを露わに問いかければクスクスとの笑い声と。


『ですからラタニさまの臆測ではありますが、このままでは()()()()()()()()()()()()、ということです』



 

最後の最後でアヤトくんが早めに公国での用件を終わらせる理由でした。

何気にこの子が一番五人の旅を楽しみにしていたんでしょうはさておいて。

ラタニさんからのふたつの報せ。王国が滅びる可能性。

アヤトたちが公国で過ごしている間、王国で何が起きたのか。

アヤトくんの楽しみの水を差した報せも含めて次章で明かされます……が、次回更新からはお約束のオマケとなっております。

王国編を前にあんなお話やこんなお話を楽しんで頂ければと。




少しでも面白そう、続きが気になると思われたらブックマークに登録、評価の☆をお気持ちのまま★にして頂ければ嬉しいです!

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読んでいただき、ありがとうございました!



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