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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第十章 先達の求めた意地編
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終章 最後の候補者

アクセスありがとうございます!



 卒業式の翌日。


 下克上戦の前に行われていた在校生の修了試験の結果が発表された。

 修了試験を落とした学院生は三日後から始まる二〇日の休暇の前半を補習に当てられ最終日の再試験で合格すれば進級、不合格なら退学処分となる。

 マイレーヌ学院は王立の名門、温情を与えられても活かせない者は不要との厳しい対処なのだが、優秀な人材が集まる学院なだけに過去そのような学院生はいなかったりする。この温情はあくまで体調不良、または家庭の事情で仕方なく修了試験を受けられなかった者に対するものでしかない。

 なので今回もそう言った事情で受けられなかった学院生が数名いたが、下克上戦に集中していたロロベリアら五名の元序列保持者は問題なく進級確定、ニコレスカ姉弟も無事進級が決まりとりあえず安堵。

 ちなみにアヤトは特別学院生に申し分ない座学、実技共に主席という結果だった。


 とにかく修了試験の結果からロロベリアたちは無事マイレーヌ学院の一年を終えたが、まだ気は抜けない。


 例年通りなら修了試験の結果を踏まえ、前年度の序列保持者に講師陣が選抜した成績優秀者を加えた計二〇名が翌日発表される。

 その二〇名は休暇後半の一〇日間で行われる序列選考の総当たり戦に出場する学院生、つまり来期の序列保持者候補。

 つまり休暇は半分になってしまうが、親善試合と同じく選ばれるだけでも名誉なので不服を漏らす者はやはりいない。むしろ休暇を総当たり戦に向けた訓練に消費するほどだ。


 ただ今回は例年通りとはいかない。

 まず下克上戦でロロベリアたち五人は全員敗北、在校生に序列保持者が居ない学院始まって以来の事態となり、二〇名全て講師陣が選抜することになった。

 まあ剥奪されても実力は確か、序列保持者に与えられる恩恵がないだけで五人とも選抜されるだろう。

 そしてもう一つ、特別学院生にも序列保持者と同じ権利が与えられている。

 特別学院生になるには高い能力を要求されるので成績優秀者が選抜されるなら当然の権利。今回はこの権利をアヤトが持っているので講師陣が選抜するのは一九名……なのだがこの制度を作らせたラタニは一度も利用していない。

 なんせ既に精霊術士団のエースとして活躍していたので学院には最低限しか通えず、入れ替え戦の参加も難しい状況。なにより序列に興味がないと講師陣に自ら辞退を申し出ていたりする。

 またアヤトも序列に興味がなく、以前ロロベリアが総当たり戦についての話題を上げた際も――


『興味ねぇよ』


 お約束で交わさずハッキリ拒否したなら既に辞退を申し出ているだろう。

 故にロロベリアが気になるのは二〇名に選ばれているかどうか。

 以前ならロロベリアも序列にあまり固執していなかったが、レイドに捨てさせた学院生最強の称号を拾い、正当な評価として示し続けると誓った。またエレノアやミューズにも序列一位をレイドから受け継ぐと宣言しているだけに、序列に対する意識が変わっていた。

 ロロベリアだけでなく、入れ替え戦の雪辱を総当たり戦で晴らすと宣言しているユースも、先輩たちが見せた意地からリースも序列入りに対する気持ちが芽生えているらしく。


 翌朝の学院生会による報告会の後、全学院生の前で講師から発表される二〇名に入っているかを他の学院生と同じく緊張しつつ耳を傾けていたのだが。


「…………」


 二〇名の発表が終わるなりロロベリアは茫然自失。

 自分の名前が呼ばれなかったからではない。

 ロロベリアを踏まえた元序列保持者の五名はもちろん、ニコレスカ姉弟も選ばれている。

 ただ最後に発表された名前があまりにも衝撃的で、隣りに立つリースも目を見開いたまま硬直していた。


「……やってくれたぜ」


 対し逆隣りに立つユースは苦笑いしつつ肩を落とす間にも、壇上に立つ講師は動揺する学院生を無視して二〇名の所属クラスと名前を繰り返す。

 精霊術クラスから始まり精霊騎士クラス、精霊学クラスと学年所属問わず選ばれた学院生の名前が呼ばれ、例年通りなら最後の仕官クラスで計二〇名になるもまだ一九名。

 ただ辞退を申し出ているアヤトが選ばれないはずなのに――


「――騎士クラス一学生、()()()()()()()()()()。以上二〇名を来期の序列候補とする」




新たな序列候補者にアヤトくん自ら名乗り出たところで第十章も終了となります。

そして次章は序列選考戦……ですが、次回からはお約束のオマケを更新予定。


今章の中でさらりと流した部分やオマケならではの日常に触れる予定なので、次章の前にそちらをお楽しみに!



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読んでいただき、ありがとうございました!



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